2023年の年間Billboard JAPAN作詞家チャート“Top Lyricists”にて、大森元貴が1位に輝いた。

 本チャートは、総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”にチャートインした楽曲を作詞家別にランキング化したもの。各指標別でみると、大森はCDセールスで100位圏外、ダウンロードとラジオで3位、ストリーミング1位、動画再生で2位、カラオケで4位を記録。特にストリーミング指標では、ポイントでみると唯一の100万ポイント超えを達成した。他で100万越えを記録した指標はないため、単一指標で最も多くのポイントを獲得したことになる。彼がフロントマンを務めるMrs. GREEN APPLEの、圧倒的なストリーミングでの強さを発揮した年となった。

 今回の加算対象となった楽曲をポイント総獲得数が多い順にさらってみると、「ダンスホール」「Soranji」「青と夏」といった、“JAPAN Hot 100”常連の楽曲がずらりと並んでいることがわかる。ストリーミング・ソング・チャートは上位楽曲が何週にもわたって上位に残り続けることが多いが、先述の3曲はいずれもストリーミング指標でトップ25以内に登場しているほか、「Soranji」は累計1億再生、「ダンスホール」は累計3億再生、「青と夏」は累計4億再生を突破。またこの他にも、最新アルバム収録曲である「ケセラセラ」「Magic」も1億再生を突破しており、新旧問わずストリーミング指標で好成績を記録する楽曲を多く抱えていることや、現体制初のオリジナル・フルアルバム『ANTENNA』にアリーナツアー、そして自身初のドーム公演と、話題を振りまき続けていたのがこの結果の要因と考えられる。

 2位には、「アイドル」「祝福」と大型ヒット作を連発しつつ、「群青」などロングヒット作も持つAyaseが登場。上半期に続きダウンロードで1位を獲得したほか、CDセールスで62位、ストリーミングで2位、ラジオ4位、動画再生1位、カラオケ7位と、各指標バランスよくポイントを稼いでおり、指標順位の平均では大森を超える結果をたたき出した。また、当チャートで2023年上半期の首位を獲得したOfficial髭男dismの藤原聡は、年間では3位に。3月に声帯ポリープ治療のため療養を発表し、そこからは「TATTOO」「日常」「Chessboard」とたびたび新曲は発表しつつも、2022年のようなコンスタントな活動は控えていた藤原。しかし、ラジオ1位、ダウンロードとカラオケで2位、動画再生で3位、ストリーミングは4位と、昨年からの大ヒット作「Subtitle」「ミックスナッツ」が大きく牽引する形で、年間でもトップ3をキープした。

 また、2023年下半期で大きく追い上げをみせたのが、9位のDaiki Tsunetaと、10位の秋元康のふたりだ。Daiki Tsunetaは、9月1日にリリースしたKing Gnuの2023年第1弾楽曲「SPECIALZ」が、“JAPAN Hot 100”へ初登場以降トップ8以内をキープし続ける好成績を記録。これに加え、11月29日リリースの4年ぶりのニューアルバム『THE GREATEST UNKNOWN』へ向け、同作の発売が発表された9月10日以降、「カメレオン」「一途」「逆夢」、また代表曲「白日」といった既発曲群が、ストリーミング&動画再生の2指標を中心に軒並み順位を上げる結果に。この影響で、ダウンロード6位、ストリーミングと動画再生が9位と、主にデジタル方面で好成績を記録した。

 秋元康は、乃木坂46「おひとりさま天国」、AKB48「どうしても君が好きだ」、櫻坂46「承認欲求」と、いずれも週間シングル・セールス・チャート“Top Singles Sales”で1位、また“JAPAN Hot 100”でもトップ3以内に食い込む楽曲を次々と発表。CDセールス指標で1位を獲得したほか、ラジオ指標でも10位を記録し、上半期13位から年間トップ10へ浮上した。


Text by Maiko Murata


◎大森元貴 コメント
大変光栄に思います。ありがとうございます。
これまでの自信になると同時にこれからの糧になります。
皆さんに楽しんでもらえるよう、何より僕自身が楽しめるものをこれからも作っていきたいと存じます!益々精進して参ります!

Billboard JAPAN Top Lyricists of the Year 2023】トップ10
1位 大森元貴(Mrs. GREEN APPLEダンスホール」「Soranji」「青と夏」)
2位 AyaseYOASOBI「アイドル」「祝福」「群青」)
3位 藤原聡(Official髭男dismSubtitle」「ミックスナッツ」「TATTOO」)
4位 VaundyVaundy「怪獣の花唄」「そんなbitterな話」「踊り子」)
5位 清水依与吏(back number「水平線」「アイラブユー」「高嶺の花子さん」)
6位 優里(優里「ドライフラワー」「ビリミリオン」「ベテルギウス」)
7位 米津玄師米津玄師KICK BACK」「Lemon」「LADY」)
8位 あいみょんあいみょんマリーゴールド」「愛の花」「愛を伝えたいだとか」)
9位 Daiki TsunetaKing Gnu「SPECIALZ」「白日」「カメレオン」)
10位 秋元康乃木坂46「おひとりさま天国」、AKB48「どうしても君が好きだ」、櫻坂46「承認欲求」)
11位 石原慎也(Saucy Dog「シンデレラボーイ」「いつか」「結」)
12位 はっとり(マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」「リンジュー・ラヴ」「恋人ごっこ」)
13位 藤井 風(藤井 風「きらり」「ガーデン」「死ぬのがいいわ」)
14位 草野正宗スピッツ「美しい鰭」「チェリー」空も飛べるはず」)
15位 Tani Yuuki(Tani Yuuki「W/X/Y」「もう一度」「愛言葉」)
16位 なとり(なとり「Overdose」「フライデー・ナイト」「金木犀」)
17位 FukaseSEKAI NO OWARI「Habit」「最高到達点」「ターコイズ」)
18位 TOPHAMHAT-KYO(Ado「唱」「ウタカタララバイ (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」、FAKE TYPE.「ウタカタララバイ」)
19位 中田ヤスタカAdo「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」、Perfume「Moon」「チョコレイト・ディスコ」)
20位 TAKUMA10-FEET「第ゼロ感」「Re方程式」「ヒトリセカイ」)

集計期間:2022年11月28日(月)~2023年11月26日(日)

【ビルボード 2023年 年間Top Lyricists】ストリーミングで圧倒的強さを発揮、大森元貴が1位に(コメントあり)