2023年11月17日に発売開始となった『スーパーマリオRPG』。筆者はその発売日を心待ちにしていたひとりだった。

参考:【画像】リメイク版『スーパーマリオRPG』紹介映像のスクリーンショット

 筆者は以前、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』をどうしてもプレイしたく、Nintendo Switchを購入した。ゲーム機を買うのは中学生のときに大ハマりした、『ニンテンドーDS』以来だった。

 『スーパーマリオRPG』との出会いは、なんと山手線である。『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』をだいたい遊び尽くして、そろそろなにか新しいゲームを買おうかと、ぼんやり思い始めていたころだ。そんな気持ちで山手線の映像広告を見ていると、流れてきたのが『スーパーマリオRPG』のWebCM。そこには、手足の短いマリオが一生懸命フィールドを駆けまわる様子が映し出されていた。「か、かわいい……」。くわえて、バトルもそこまで難しくなさそうだという点にも惹かれた。

 「これなら私でも楽しめるかもしれない」。そんな理由で、次なるゲームを『スーパーマリオRPG』に決めたのだ。ちなみに、『スーパーマリオRPG』が不朽の名作であることや、今回の発売が27年ぶりのリメイクになり世間から驚かれていたことは、もちろん知らない。

クッパのキャラクターが尊すぎる

 『スーパーマリオRPG』のなかで、筆者の最推しキャラクターは「マロ」である。最初に目にしたときは衝撃だった。溶けかけたバニラアイスのような見た目をしており、自分はカエルの仲間だと言い出す。正直意味がわからなかったが、とにかく愛らしい見た目とフワフワした性格に心を撃ち抜かれた。そして3人目の仲間である「ジーノ」が登場した。てっきりマリオの仲間はルイージヨッシーたちなんだろうと思っていたため、この2人の登場はかなり新鮮だった。

 そしてプレイを進めていくうちに、マリオの仲間はどんどん増えていく。次なる衝撃は、「クッパ」と「ピーチ」が仲間になったことだ。筆者からするとクッパは倒すべき敵であるし、ピーチは助けるものだという認識だったため、とても意外に感じた。そしてクッパが仲間になる際、自分の城が乗っ取られてしまい宿なしであるという現状を、モゴモゴとマリオに話すシーンがある。思わぬツンデレぶりを目の当たりにして、ふたたび「かわいい……」と呟いてしまった。ちなみにクッパは武器によって、敵に攻撃をするときにマリオをぶん投げるというまさかの手段をとることがある。しかも、マリオ状態異常のときは、攻撃をマリオのぬいぐるみで代用するのだ。思わず「なんだその優しさは……」と感じるほど、どこまでもツンデレで尊い性格である。このように、キャラクターの人物像がわかりやすく愛らしいのは、『スーパーマリオRPG』の魅力のひとつではないだろうか。

 ここには書ききれないが、ほかにもこのゲームのかわいいポイントは山ほどある。中ボスたちがみんなどこか抜けていて憎むに憎めなかったり、街の住人に事情を伝えるため、マリオたちがコントのような動きで一生懸命説明するところなど、愛らしさが満載だ。このかわいらしさは、ぜひプレイして体験してほしい。

■ゲーム初心者にはちょうどいいバトルの難易度

 バトルについては、“タイミングよくボタンを押す”という一点に尽きる。それだけ聞くと簡単そうに思えるが、これが意外と難しい。コマンドは攻撃時とジャストガードをするときに押す必要があるのだが、使うアイテムや敵によってタイミングが都度変化するのだ。ただ、このくらいの難易度の方が、ゲーム初心者である筆者からするとありがたい。

 また、コマンドがうまくいくとゲージが溜まっていき、3人で“合わせ技”を放つことができる。筆者はこのシーンが大好きだ。メンバーによって演出は変化するので、「この3人のときはどんな映像になるんだろう……!」と、毎度期待が高まる。シンプルに合わせ技を放つときの映像はとても綺麗だ。ゲームといえど、アニメを見ている気分になるくらいの映像美である。

 筆者は27年前に発売された『スーパーマリオRPG』をプレイしたことはないが、それでも十分楽しめている。過去作品をプレイしたことがある人は、きっと懐かしさを感じる部分もあり、さらなる楽しさが上乗せされるのだろう。新参も古参も楽しませてくれる『スーパーマリオRPG』。ぜひこの機会にプレイをしてみてほしい。かわいい仲間たちが出迎えてくれるはずだ。

(文=はるまきもえ)

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