大谷の去就を巡る報道は尽きない。本人の決断やいかに(C)Getty Images

 去就が注目を集め、米球界のオフシーズンも主役を演じる大谷翔平。FAとなっていることで、獲得を目指す各球団の動向なども話題となったウィンターミーティングも幕を閉じ、新たな契約が間近とも伝えられている。

 ドジャースブルージェイズが現在まで「最終候補」と目され、両球団の大谷に対する今後の動きにも、さらに関心が寄せられていく。その中で、それぞれの球団の地元メディアにより、大谷を巡って思わぬ論争が繰り広げられているという。

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 ドジャースの本拠地であるロサンゼルスの放送局『スポーツネットLA』のアナリスト、ジェリー・ヘアストンJr.氏と、ブルージェイズの地元トロントのテレビ番組『ブレックファスト・テレビジョントロント』の司会者シド・セクセイロ氏が、それぞれの出演番組の中で“舌戦”を展開したことが、現地時間12月7日(日本時間8日)、米メディア『USA TODAY』で報じられた。

「元MLB選手で現スポーツネットLAアナリストのジェリー・ヘアストンJr.は、オオタニがドジャー・スタジアムを本拠地とするよう、オンエアで売り込みを試みた」

 このヘアストンJr.氏のアピールが発端となり、その後、セクセイロ氏が反応する形で電波を通じての口論に発展。『USA TODAY』の中では、両氏のコメントが紹介されている。

 大谷のドジャース入りを望むヘアストンJr.氏は「あそこトロント)では2つの国歌を聴かなければならない」「税金で潰されるぞ」「カナダは寒すぎるよ」など、ブルージェイズ移籍での「デメリット」を並べ、さらに「ここのファンは熱狂的で、スタジアムはいつも揺れている。毎年、ポストシーズンでプレーし、ワールドシリーズで優勝し、うまくいけばリングを手にするチャンスがある。ドジャー・ブルーを身にまとうことほど素晴らしいことはない」と地元球団を猛アピール。

 一方のセクセイロ氏は、へアストンJr.氏のコメントを受け、「カリフォルニアはアメリカのどの州よりも5番目に税金が高いんだ」などと応戦。加えて、「世界最悪の交通渋滞がロサンゼルスにはある。たとえ10キロ離れていてもね。毎日通勤に8時間かかるんだ」と交通事情にも言及したという。

 また、「ショウヘイ・オオタニ、愛してるよ。何をすべきかわかっているはずだ。プライバシーは守る。競争するライバルがいる。ドームのある管理された環境を与える。6億ドルを手に入れるんだそうだ。ショウヘイ、帰ってこい」とブルージェイズ球団の魅力を語ったとしている。

『USA TODAY』ではこれらのやり取りを掲載した上で、「明らかに両チームのファンは、2度のア・リーグMVPと契約するために何でもしようとしている」と綴り、トピックを結んでいる。

 去就について沈黙を続ける大谷とは対照的に、現地メディアも過熱する「二刀流スター」争奪戦。果たして、いつ、どんな形で決着を迎えるのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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