JYPエンターテインメントとソニーミュージックによる日韓合同オーディション・プロジェクト「Nizi Project Season 2」。韓国合宿編となる「Part 2」の第2話では、第1話に続き、個人レベルテストに密着。前回、ユウキ、ハル、ユウ、と、3人連続で目を見張る成長を見せてNiziキューブを獲得。残る参加者もそれに続けるかが見どころだ。今回は、ミラク、ユウヒショーン、ソウダイ、ケンのパフォーマンスを考察と共に振り返る。

【写真】「Niziの奇跡」 ケンの堂々としたパフォーマンス

■最年少のミラクの苦悩

12名の参加者は、この韓国合宿で4つのミッションに臨む。それぞれのミッションでキューブを与えられ、4つ全て揃えばデビューが決まる。グループのメンバーの人数は現時点では未定だが、3回のレベルテストのうち、最下位の12位に2回なってしまったら、その時点で脱落。審査の基準は、日本合宿での「可能性と素質」から「実力重視」に。また、グループの中で、どれだけ個性や特徴を見せられるかが重要になってくる。

個人レベルテスト4人目の挑戦者は、参加者の中で最年少のミラク。彼が選んだ歌は、Stray Kidsの「MANIAC」。カリスマのある表情とメリハリのある動きを要求される、力強い楽曲だ。笑顔の印象が強いミラクが、この曲で新たな姿を見せる事をJ.Y. Parkは期待した。

練習初日、ミラクはトレーナーからダンスのパワー不足とメリハリの無さを指摘された。自分では良いと思っていた方向性が曲の表現に合ってない、とも言われ、根本から考え直さなければならなくなってしまった。また、本来8人で歌う曲を1人で歌う為スタミナがもたず、曲の後半で息切れしてしまう問題も抱えていた。つらい気持ちをテレビ電話で母親と姉に打ち明けると励まされ、折れそうだった心を少し持ち直した。

気持ちを切り替えて審査に臨んだが、J.Y. Parkもダンスのメリハリの無さを指摘。そして、他の参加者と比べて、パフォーマンスに対する理解と表現能力が足りない事、歌唱力もまだまだな事を告げられた。ミラクなりに最大限努力したつもりだったが、練習量が足りないと言われ、キューブ獲得とはならなかった。

■一皮むけたユウヒのパフォーマンス

一気に空気が重くなった中、出てきたのはユウヒ。J.Y. Parkは、笑顔で自分の前に立った彼を見て、「表情が何か明るくなったけど?」と、変化を感じたようだった。ユウヒの選曲は、GOT7の「A」。「キミがボクを好きな事は、もうわかってるよ」と、好きなのを隠そうとしている女子にアプローチする明るいラブソングだ。

練習で踊って見せると、トレーナーからダンスに軽さが無い事、そしてボーカルに関してもスタミナ不足による息切れと、言葉数が増えると音程がハズれてしまう事を指摘された。ユウヒは悩みが増えると、ずっと気になってしまい、うまく切り替えができない。彼はトモヤに、マイナス思考の自分について相談した。それに対してトモヤは、「できなかったらどうしよう…と考えると、それがステージで出てしまう。ユウヒはオレから見て、ダンスもボーカルも一番上手い。周りからどう見られるかよりも、自分が楽しむ事がいちばん大事だと思う」と、アドバイスした。

それを聞いたユウヒは、自分が歌やダンスをやっているのは「好きだから」だと改めて気付き、くよくよ考えずに楽しもうと前向きになった。そして彼に笑顔が戻った。

「J.Y. Parkさんに、楽しそうだな、と思ってもらえたら嬉しい」という気持ちで臨んだテスト本番。明るい表情でパフォーマンスする彼を見て、自然に笑顔になるJ.Y. Park。終始笑顔で見守り続け、「感情表現が(豊かで)、GOT7のメンバーのように見えた」とコメント。リラックスした事で、喉が開いて聴きやすい声が出て、高音もすごく良い声だったし、ダンスもスピーディだったと、いくつもの誉め言葉を並べた。もちろんキューブ獲得だ。意識が変わった事で、ユウヒは一皮むけた。

■新たな一面を魅せたショーン

続いて、ショーン。彼を見てJ.Y. Parkは「茶目っ気のあるまなざしは変わらないが、凛々しくなった」と彼の変化に驚き、「今日のステージは、すごく良さそうな気がする」と期待を寄せた。それに対して、ショーンは「練習してきたので、パフォーマンスで必ず魅せます!」と力強く宣言した。

ショーンGOT7の楽曲を披露。「Hard Carry」という硬派でパワフルなナンバーだ。ショーンについて「良くも悪くも余裕がある」と評していたJ.Y. Park。軽くて余裕のあるダンスを得意とするショーンが、ハードでパワフルなダンスを上手くできるかが注目ポイントだ。

練習で、経験の無いタイプのダンスに苦戦するショーン。そして、激しい動きのせいで音程もハズしがちで、表現もできていない、と次々に指摘が飛び、課題は増えるばかり…。自分が思っていた以上に足りない部分が多く、それが思うように改善できない事で、壁にぶち当たっていた。また、参加者の中で最年長(早生まれの18歳)という事も、焦りとプレッシャーになっているようだ。

だが、仲間たちと切磋琢磨する事で助けられ、支えてくれた仲間に報いる為にも成長したい、と言うショーン。「限界を超えて、絶対に新しい自分を見せるんだ」と心に誓い、本番ギリギリまで諦めずに練習を続けた。

決死の覚悟で臨んだパフォーマンスは、ハードで男らしく、ズボンを手を使わずに履いていた彼とは別人。新たな魅力を見せつけた。J.Y. Parkは何度も頷きながら集中して見つめ、力強く拍手をした。だが、彼の一言目は「スピードが足りないです」だった。しかし続けて、「それ以外は完璧でした」と告げた。ダンスもボーカルも実力が伸びた事を絶賛され、ショーンは感無量の表情を見せた。そして、J.Y. Parkは「本当に見たかった変化が見られて、とても誇らしかった」と、感嘆のため息まじりで彼の成長を褒め讃えた。

■期待値の高かったソウダイの結果は…

次は、日本合宿のボーカル・レベルテスト1位のソウダイ。歌を得意とする彼が今回選んだのは、Usherのアップテンポのナンバー「DJ Got Us Fallin’ In Love」。メロディーが美しいパワフルな曲で、「ソウダイの声に良く合う。ボーカルの面では今日一番のパフォーマンスになると思う」と、J.Y. Parkは期待を高めた。

この楽曲は、ソウダイが苦手意識を持っている高音が続き、彼にとっては大きな挑戦。不安を抱えながら始まった練習では、高音を上手く歌う事ばかりに気がいってしまい、「この楽曲に込められた情熱や愛が1つも感じられない」と厳しい指摘が。それを克服しようとどれだけ練習しても、結果がついてこない。自信が揺らぎ、焦りと不安が大きくなっていった。

自分を信じて臨んだ本番。だが、曲が進むにつれ、J.Y. Parkの表情は険しくなっていく。しばらくの沈黙の後、「参加者の中で、高音を最もパワフルに出せるのは明らかです。でも、何の感情も感じられませんでした」と、練習時のトレーナーと同じ指摘が。続けて「表情も用意してきたような不自然さがあった」「何度も繰り返される高音のサビが全て同じ調子で、音楽に聞こえなかった」と厳しい言葉が並んだ。期待が大きかった分、残念でたまらない様子のJ.Y. Park。実力はピカ一だが、ステージに立つ心構えを考える機会が必要だと思う、とソウダイを大切に想うからこそ、今回はキューブを与えない事にした。

ステージを楽しめずに残念な結果となったソウダイ…他の参加者との明暗が分かれた。

■ケンの「ビリの逆襲」

本日最後は、ケン。J.Y. Parkが最も可能性に期待している参加者だ。「I can We can ソケン!」。すっかりおなじみとなった挨拶だが、今回は今までの自信無さげな棒読みトーンではなく、元気いっぱい。だが、彼は自分の順番を待つ間、緊張しすぎてずっと落ち着かなかった。韓国合宿の切符を最下位の12位でギリギリ手に入れた彼は、「もっと頑張らなければ」と、悲壮な覚悟でやって来たのだった。

彼が選んだのは、2PMの「Hands Up」。パワフルなオーラが溢れたパーティーチューンだ。人の何倍も努力してきたケンだったが、本番10日前でもトレーナーの指摘は止まらず、言われた事を上手くできない自分が情けなく、上達していく参加者から置いてきぼりになっている気がして、深く落ち込んでいた。そして本番4日前、自分の限界を超えられず、「また最下位になってしまうのでは…」と不安が押し寄せ、1人で誰も居ない練習室に行き涙を流した。

皆が居る練習室に戻ったケンの様子がおかしい事に、トモヤが気づいた。また最下位になる事を不安がるケンを「オレがおるやん」と励まし、「一緒に踊るか?」と、ケンの練習に付き合った。

ケンは、日本合宿のチームミッションでもトモヤに大きく励まされた。今回も、トモヤと踊っている時がいちばん自分を出せて心の底から楽しんでいる事に気づき、再び元気を取り戻した。

参加者たちから声援を受けて始まったケンのステージは、明るく元気なオーラが溢れ、歌の途中で参加者を煽る余裕さえ見せた。見終わったJ.Y. Parkは父親のような笑顔で拍手した後、「ビリの逆襲ですね」と言った。ケンの欠点だった粗っぽさが今日は全然見えなかった、ボーカルのトーンが本当に良く、リズム感も素晴らしかった、と大絶賛。高音にはまだ課題が残るが、それをクリアできたら、ボーカルは最高レベルまでいけると思う、とまで言い、「ケンを選んだ事が間違いではなかった、と証明してくれてありがとう」と最高の賛辞を贈った。席に戻り、新たなキューブが入ったペンダントをいつまでも眺めるケン。今日も彼は「Niziの奇跡」を起こした。

オーディション番組『Nizi Project Season 2<完全版>』は、Huluにて独占配信中。(毎週金曜日夜10時に新エピソードを追加)。また「Nizi Project Season 2」の特集は、朝の情報番組「DayDay.」(日本テレビ系)で毎週放送されている他、サポーター代表 のヒロミと“ニジプロキャスター”森圭介アナウンサーが参加者のパフォーマンスを見ながら実況する「実況!ニジプロ2」(毎週土曜昼2:30-3:00、日本テレビほか)も放送中だ。

◆文=鳥居美保

J.Y. Parkから大絶賛された ケン/(c)Sony Music Labels Inc./JYP Entertainment