『そこのみにて光輝く』(14)、『きみはいい子』(15)の呉美保監督9年ぶりの長編映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の公開が2024年に決定。あわせて、呉監督、主演の吉沢亮からのコメントが到着した。

【写真を見る】五十嵐大のエッセイを原作に、“耳のきこえない母”と“きこえる息子”の物語を描く

本作で描かれるのは“耳のきこえない母”と“きこえる息子”の心に響く物語。作家、エッセイストとして活躍する五十嵐大による実録ノンフィクション「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」を原作に、『正欲』(公開中)、『アナログ』(公開中)の脚本も手掛けた港岳彦の脚本で作り上げられた。

呉監督は「原作を読み、きこえない両親に育てられた五十嵐大さんの人生に触れ、コーダ(Children of Deaf Adults/きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子どもという意味)ならではの情緒と葛藤に、まだまだ知らない世界はあるのだなと無知を学びました。と同時に、親と子の極めて普遍的な感情にも触れ、自分自身の家族へのいつかの懺悔が一気に蘇り、これはマイノリティには留まらない、大いなるアイデンティティの物語だと、強く思いました」と本作に対してコメント。また、五十嵐大役を務める吉沢は「感情の内側までも表現してくれる手話は口以上に多くを語り、言葉とはただ吐きだすものではなく、伝えるものであると言う、当たり前であるはずのことを改めて教えてくれました」と語っている。

呉監督は9年ぶりの長編最新作でどのような物語を描くのだろうか?本作の続報に期待が高まる。

■<スタッフ・キャストコメント>

●呉美保(監督)

「原作を読み、きこえない両親に育てられた五十嵐大さんの人生に触れ、コーダならではの情緒と葛藤に、まだまだ知らない世界はあるのだなと無知を学びました。と同時に、親と子の極めて普遍的な感情にも触れ、自分自身の家族へのいつかの懺悔が一気に蘇り、これはマイノリティには留まらない、大いなるアイデンティティの物語だと、強く思いました。久しく映画作りからは遠ざかっていましたが、いつか復帰できるなら絶対にこの方と、と勝手に心に決めていたのは吉沢亮さんです。彼の、繊細かつ制御された芝居の奥底にある魂の叫びを覗き見たくて、さらにはまだ見ぬ新しい吉沢亮に出会いたくて、9年ぶりの長編映画に臨むに至りました」

吉沢亮(五十嵐大役)

「感情の内側までも表現してくれる手話は口以上に多くを語り、言葉とはただ吐きだすものではなく、伝えるものであると言う、当たり前であるはずのことを改めて教えてくれました。コーダとして生まれた葛藤を抱えながらも、両親から沢山の愛を受けて育った五十嵐大さんの人生を、昔からご一緒したいと夢見ていた呉美保監督とともに丁寧に生きさせてもらいました。お楽しみに」

文/鈴木レイヤ

“耳のきこえない母”を持つ主人公を吉沢亮が演じる/[c]五十嵐大/幻冬舎 [c]2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会