レッドソックスヤンキースプレーしたコルデロ。彼を獲得した西武には韓国から羨む声が飛んだ。(C)Getty Images

 12月7日西武は29歳の外野手であるフランチー・コルデロとの契約締結を発表した。獲得に際しては、「ライオンズに足らないパワーヒッター。一振りで状況を変えられるバッター」と渡辺久信GMが公式サイトで明言。23年にチーム長打率(.340)と同本塁打数(90)が、ともにリーグ最下位と火力不足が否めなかったチームにとって貴重なピースを補填した形だ。

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 ヤンキースプレーした出場24試合で打率.188、6本塁打と精彩を欠いた29歳だが、ポテンシャルは特大だ。3Aでは通算306試合出場で353安打、54本塁打、226打点、42盗塁、打率.301出塁率.384長打率538、OPS.922とハイアベレージを記録。MLB通算の三振率34.9%の“フリースインガーぶり”さえ克服できれば、主軸として頼もしい存在になる。

 主砲だった山川穂高のFA後に展開した西武の助っ人補強は、コルデロ獲得に乗り出していた韓国球界でも羨む声が飛んでいる。韓国のニュースサイト『ISplus』は「もはや競争にすらならない。KBO韓国プロ野球)球団も興味を示したコルデロが、“予想通り”に日本へ移籍」と銘打った記事を掲載。韓国国内で3~4球団が獲得を狙っていた情報を伝えたうえで、「彼らは移籍市場が開いた序盤に接触したが、まさに絵に描いた餅だった」と、関心すら示してもらえなかった争奪戦の内情を記した。

 同サイトは、韓国球界で新外国人選手獲得の際に設けられる100万ドル(約1億4900万円)のサラリーキャップ制度が“障壁”になったと指摘。コルデロ獲得に動いていた球団スカウトのコメントとして「もはやNPBのチームとは競争にすらならない状況だ」と伝えている。

 ライバルとなった韓国球団を出し抜く形で、29歳の大砲を手にした西武。長距離砲であるコルデロが打線にハマれば、一気にリーグ制覇も見えてくるかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

火力不足を埋めた西武 有力助っ人コルデロの獲得争奪戦で敗れた韓国スカウトは嘆き「もはやNPBとは競争にすらならない」