菊池が所属するブルージェイズ移籍が囁かれた大谷。その動向を世界が追った。(C)Getty Images

 今オフにエンゼルスからフリーエージェントとなった大谷翔平の動向が、多くの人々を“夢中”にさせた。

 キッカケは、日本時間12月8日の23時過ぎのSNS投稿だった。MLB公式ネットワーク局『MLB Network』のジョン・モロシ記者が自身のX(旧ツイッター)に「オオタニの決断が差し迫っており、早ければ今日にも決まる可能性もある」と投稿。さらに同氏は同局の番組内でも「私に分かっているのは、先週、彼が月曜日にフロリダ(の球団施設)を訪問して以降、気運はブルージェイズに向かって高まっているということ」「24時間以内のどこかで分かると考えています」とコメント。ブルージェイズ移籍の可能性を強調した。

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 モロシ記者が放った情報で各国メディアや識者たちをはじめ、熱心な野球マニアたちが一斉に大谷の動向を追い始める。X上ではロサンゼルスからブルージェイズ本拠地であるカナダトロントへ移動するプライベートジェットに乗っているのではないかとの噂が駆け巡り、大谷が過去に使用していた同機種の飛行機(Bombadier Global 5000)の状況を追跡サイトでチェックする人々が噴出した。

 実際のところ、渦中の機内にいたのは、カナダ人の実業家であるロバート・ハージャベック氏と、彼の家族だった。しかし、大谷のトロント行きが“誤情報”だった判明してからも、「菊池雄星トロント市内にある寿司レストランで50人分の予約をしている」や「オオタニは南カリフォルニアの家にいる」といったありとあらゆる怪情報が錯そう。アメリカのXでは「Ohtani」「Toronto」など関連ワードが次々とトレンド入りし、日本の真夜中に二刀流スターの動向を全世界が追った。

 世界が翻弄された大谷の動向。その影響力は現地の識者も驚くばかりだ。元レッズのGMであるジム・ボウデン氏は自身のXで「オオタニはトロントにいない。どことも合意はない。決定が迫っているわけでもない」と強調。そのうえで情報合戦となった国内メディアの状況に「みんな、嘘や推測をやめるべきだ。彼はまだ決断していない」と投げかけた。

 また、カナダのスポーツ専門局『TSN』のリポーターを務めるジョーダン・チチェッリさんも「今日はとても疲れた」とXに投稿。大谷情報を追い続けた一日への本音を投稿した彼女は「オオタニについて嘘の情報を流している人は、自分の行動を真剣に考える必要がある」「3500人以上が飛行機のトラッキングをしているなんて狂ってる(笑)」と、冗談を交えて訴えた。

 日本でも大きな話題を集め続けている大谷の去就。近日中に決まるとされる交渉はいかなる結末を迎えるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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