西島秀俊内野聖陽のダブル主演でドラマ化され話題となった「きのう何食べた?」の続編となる「きのう何食べた? season2」(毎週金曜深夜0:12-0:52、テレ東系)の第10話が12月8日に放送された。賢二(内野)の母・峰子(鷲尾真知子)が史朗(西島)に会いたいと言い、食事会で告げた言葉が心に染みて号泣させられた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】うなぎのフルコースを食べ、至福の表情を浮かべる内野聖陽“賢二”

■「きのう何食べた?」とは

同ドラマは、シリーズ累計945万部(電子版を含む)突破のよしながふみによる同名漫画を原作に、2LDKのマンションで同居する、料理上手で几帳面かつ倹約家の弁護士・筧史朗(通称・シロさん)と、その恋人で人当たりの良い美容師・矢吹賢二(通称・ケンジ)の毎日の食を通して浮かび上がる、男性2人暮らしの人生の機微を描く物語。

ほろ苦くて温かな2人の日々をリアルに描き、2019年4月クールに放送された「season1」では、X(旧Twitter)の世界トレンド1位、見逃し配信の再生数は全12話100万回超えを記録。

さらに、「第16回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」「第101回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」で最優秀作品賞を受賞するなど、深夜ドラマ枠としては異例の記録を次々と樹立した。その後、2020年元日には正月スペシャルドラマを放送。2021年には映画化もされ、興行収入14.1億円の大ヒットとなった。

そんなファン待望のseason2は、アラフィフに突入した史朗と賢二の日常が描かれる。今までと変わらないゆっくりとした日常の中に訪れるちょっとした変化。生きていれば誰もが経験する環境の変化や身体的・精神的な変化を史朗と賢二も経験していく。

■賢二の母・峰子が史朗に会いたいと言う

一緒に暮らし、幸せな食卓を囲み、和やかなときを過ごしている恋人同士の史朗と賢二。

8月になり、史朗は弁護士事務所を引き継ぐ意思を美江(高泉淳子)に伝える。みんな信じ難いという反応をするが、史朗の気遣いを知った修(チャンカワイ)は感極まるのだった。

帰宅した史朗に賢二は、母・峰子(鷲尾真知子)から「史朗に会いたい」と言われたことを明かす。思いに答えて、上野の老舗うなぎ屋で会食をすることになるが、峰子がなぜ急に言い出したのか理由がわからず、2人そろってガチガチに緊張してしまう。

食事会は楽しく和やかに進んでうなぎを堪能し、史朗はこれはもしかするとただの食事会なのかもしれないと考える。しかし、食事が終わったあとに峰子が「それでね、筧さん…少し湿っぽい話しになるんだけどごめんなさいね」と本題を切りだす。

■峰子「他人でも身内ってことはあると思うのよ」

賢二は母の体が悪いのかと心配するが、峰子は否定して、自分の店の客の話を始める。その客が息子を亡くしたことから峰子は賢二を亡くしたときのことを考え、史朗と顔を合わせていなければ史朗が賢二のただの友人としてしか見送れないのではないかと思ったのだった。

「筧さんは賢二のことはもう、ご自分の身内同然と思っていてくださるんでしょ?」と峰子が尋ねると、史朗は一度賢二を見てから「はい」とうなずく。「一度でも家族全員で顔を合わせておけば何かあったとき、筧さんも私たちと一緒に賢二を見送れると思ったんです」と峰子が続ける。

「いや、でも、私の立場はご家族とは…」と困惑して遠慮する史朗。すると、峰子は「他人でも身内ってことはあると思うのよ」ときっぱりと言う。賢二は「お母ちゃん…」と言って声を詰まらせるのだった。

峰子の言葉があたたかく心に染みて、またまた号泣させられてしまった。

◆構成・文=牧島史佳

キッチンのカウンターで笑い合う西島秀俊“史朗”と内野聖陽“賢二”/(C)「きのう何食べた? season2」製作委員会 (C)よしながふみ/講談社