見た目も派手な、青と黄色の市松模様を路面にペイントする社会実験が行われます。数々の路面ペイントのなかでもかなり目立つものですが、なぜ誕生したのでしょうか。効果も出ているようです。

市松模様の「チェッカーペイント」 それが施工された場所は

日本でも珍しい「路面ペイント」の社会実験が、2023年11月より長野県駒ヶ根市で行われています。青と黄色の市松模様による「チャッカーペイント」が、路面に施工されています。

現地では、2車線道路の片側の真ん中付近に、青と黄色の長方形を敷き詰めたような模様が17.5mに渡りペイントされています。このチャッカーペイントは、愛知県知立市名古屋工業大学大学院が実証実験中のものに次ぐ国内2例目の導入だそう。

「チャッカーペイント横断歩道の手前に施工しています。何か珍しい模様があると思わせ、ドライバーが減速することを狙っています」。駒ヶ根市の担当者はこう話しました。

知立市のチャッカーペイントも同じように横断歩道の手前に設置されているものの、長さは8m。「それだと一瞬で通りすぎてしまうため、横断歩道のもっと手前から引いた方がいいのでは、という意見を受けて」倍以上の17.5mに延ばしたのだそうです。ちなみに、「横断歩道あり」を示す従来の白線によるダイヤ型の路面標示も別途あり、今回は合わせ技で減速効果を狙っています。

この派手な青と黄色の組み合わせについては、「海外のパトカーで見られる市松模様をモチーフにしているとメーカーから聞いている」そうです。確かに、イギリスなどヨーロッパの国やオーストラリアニュージーランドで、青と黄のチェッカーペイントを施したパトカーが見られます。

駒ヶ根市の担当者によると、「ドライバーが何だろうと思って、ブレーキを踏んでいる様子がある」とのことで、チャッカーペイントが一定の効果を挙げているようです。

チャッカーペイントが施工された駒ヶ根市の飯坂地区は幹線道路に近く、小学校と保育園があることから安全対策が検討されていました。今回は横断歩道手前のチャッカーペイントのほか、意図的に道路に凸部をつくり減速を促す「仮設ハンプ」の実証実験も行われています。(仮設ハンプは2月6日まで)。

路面のチャッカーペイントのイメージ。駒ヶ根に設置されたものは倍以上長い(画像:駒ヶ根市)。