自身の内向的でHSPな実体験を元にした漫画を発信しているここみさん(@cocomi_3)。2022年8月には初の著書となる「私は私を幸せにする方法を知ってるんだ」を刊行し、多くの共感を呼んでいる。

【漫画】本編を読む

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【書籍より引用】

幼少期から集団の中にいると、いつもどこか緊張していてぎこちない。なんとなくまわりから浮いていて、でも1人の時間と家族といる時間だけは、自分らしくいられた。そんな自分を変えたくて無理をする日々。人生が合っていないような、ぬぐえない違和感…。頭と心と体がちぐはぐなまま生きていた。

ある日、自分が「内向的」で「HSP」だということを知ると、今までズレていた人生のピントが初めて自分に合った気がした。これは「私が私を取り戻す」までのキロクである。

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人によっては「あるある」と共感したり、「へ~」という新発見があったり、はたまたクスリと笑えたり、ほっこりしたりもしてしまう…。そんなエピソードをお届けしていきます。今回は「友達について」。1人が好きだからといって孤独になりたいわけではなく、相手と心の距離を縮めるには、自分から手を伸ばす勇気も必要というお話です。

■友達について

人間関係の質は、人生の豊かさを左右すると思います。

最近になって、私は友達という関係を作る時に、2つの要素が必要なことがわかりました。

・共通点がある

・強制的に一緒にいる場所や時間がある(学校など)

共通点がある人はたくさんいるのに、なかなか仲が深められない。それは、私が人に近づく時に尻込みしてしまうからだと思います。会った時から運命みたいに気が合って、自然にどんどん関係が深まっていく、みたいな関係が理想ではあるのですが、人と人の関係はそう簡単にはいかないようです。

どれだけ最初から気が合うと感じたとしても、1つメッセージを送れば、あの表現ははまずかったかなとか、もしかして嫌な気持ちにさせちゃったかなとか、あれこれ気を揉んで距離をとってしまうのが私。嫌われるのが怖くてなかなか近づけないのです。

それでもある程度強制的に一緒にいる場所(学校など)があれば、顔を見たり休み時間にちょっとだけ会話したりというコミュニケーションが生まれるので、離れそうな距離を埋めることができます。

ただ、大人になるとその場所が減ってしまうような気がします。強制的に会う環境がない場合、コミュニケーションのハードルが高くなり、「相手は今忙しいかも…用があるわけじゃないのに連絡するのは迷惑かな」とかって考えちゃうものです。双方に「話したい!仲良くなりたい!」という気持ちがあり、そしてそれが見えないと、関係を育てること自体が難しくなってしまうのかもしれません。

そして、難しいからこそ、努力しなければと思うのです。1人は好きだけど、孤独が好きなわけではない。人間関係をもっと深めたい、楽しみたいという欲求もあるのです。

努力と言うと何か大変なことをするように聞こえますが、するのはシンプルに「素直になること」。

考えすぎて何も言えなくなることが多い私ですが、一周回って素直な気持ちを伝える方が、関係が上手くいくことが多いことに最近気がつきました。「あなたと話したい」「もっとあなたのこと知りたい」「私のことを聞いてほしい」「あなたのこういうところが好き」「こういうときにこう思う」など。

自分の素直な心の内を見せることには、「否定されるんじゃないか」という恐怖心を伴います。でも、これは私の経験談ですが、自分が心の内を見せることによって、相手も隠し持っていた部分を少し見せてくれたりして、そんなときに心の距離がグッと縮まる気がするのです。

また、SNSは友達との出会いにおすすめです。SNSを使って人と繋がりたい場合、大事なのは自分も発信すること。好きなこと、苦手なこと、考えてること、なんでも大丈夫です。そして時々勇気を出して自分からフォローしてみたり、コメントしてみたり。

私には外向的な友達と、内向的な友達が半々くらいいます。

外向的な友達はいつも向こうから私に話しかけてくれたり、誘ってくれたり、話を盛り上げてくれたりするので、本当に感謝しています(お店でサラッと注文してくれるし…)。新しいところへ行く時、新しい人に出会う時にも、私の前を進み道を広げてくれるのです。

その代わり、私は私で、条件の中で最適な旅行プランを考えたり、美味しいご飯屋さんを事前に念入りに調べたいと思います。もし友達が何かに悩んでいるときは、とことん一緒に考えたいし、解決策を探します。

内向的やHSPな友達とは、お互いに連絡が1年途絶えても、あまり気にせずいられます。1人になる時間の大切さを知っているからです。遊びに行く時も夜ではなく昼(エネルギーがあるうち)に家でのんびりしたり、公園で散歩しながら話をしたりすることが多いです。お互いに、刺激的な場所よりも静かな場所を好むので、心地よい時間が過ごせるのでしょう。

基本的に電話はせず、テキストでのコミュニケーションです(長文になりがち)。なにより、お互い似ているから、「共感」という決して1人では生むことのできない感情を生むことができます。共感は、事実は何も変わらなくとも、なぜか気持ちがふわっと軽くなる、そんな不思議なパワーがある感情だと思います。

人生の中で、人との出会いはサラサラと川のように流れていきます。だから、自分の中で繋ぎ止めたい!これからも一緒にいたい!と思った人には、自分から手を伸ばす勇気も必要なのでしょう。

一朝一夕で作れるものではない、心で繋がれるような関係を、一つ一つじっくりと育てていきたいです。

第13話「友達について」より