―[貧困東大生・布施川天馬]―


◆東大生がおすすめする「これからの社会のことがわかる本」

みなさんは本を読みますか?東大生はやっぱり読書家で、いろんな本を読んでいます。

もちろん本を読むことが純粋に楽しいというのもありますが、やはりそれ以上に、これからの社会のことを知り教養を身につける上で、本を読むこと以上に有効な手段はないと考えているからです。

そして、本にはいろんな切り口のものがあります。「その時代に、世界の各地で何が起こっていたのか」を語る「ヨコから見る世界史」という本もあれば、全くその逆で「1つの地域で、2000年間どのようなことが起こっていたのか」を語る「タテから見る世界史」という本もあります。世界から見た日本の姿を語る本もあれば、「もし歴史上の偉人が現代に蘇ったら」という想像を語る本もあります。切り口が目新しい本ほど、勉強になるし、教養が身に付くのです。

今回は、東大生がおすすめする「これからの社会のことがわかる、切り口が面白い本」を3冊紹介したいと思います。

◆○『未来の年表』

河合雅司・著(講談社現代新書)

まずは、『未来の年表』です。

これは、2065年までに日本で起こることを年表で教えてくれるものです。年表って、基本的には歴史を学ぶ時に過去の出来事がどうだったのかを整理するものですが、この本ではなんと逆に、未来のことを年表形式にしているのです。

◆人口予測はほとんど外れない分野

人口減少する日本社会の中で、これから発生するであろうことがまとまっています。「2033年には3戸に1戸が空き家になる」「2040年には自治体の半数が消滅」など、衝撃的なことが書かれていますが、しかしこれらは現実になる可能性が高いものです。人口の予測は、ほとんど外れない分野だからです。この本で語られていることというのは、2065年になった時に、本当に歴史の教科書で書いてある可能性が高いのです。

「2065年になった時に振り返るかのように、今現在から日本のことを理解することができる」ことは、この本の大きな魅力だと思います。これぞまさに、切り口が面白く、だからこそ今の社会のことを知れる一冊だと言えるのではないでしょうか。


◆○『東大生が教える「戦争の終わり方」の歴史』

東大カルペ・ディエム・著(星海社新書)


次は、『「戦争の終わり方」の歴史』です。

この本は、今まで歴史的に行われた戦争が、どのように決着をしたのかという点のみをまとめた本です。

今現在も、ウクライナ侵攻パレスチナの問題など、戦争や紛争は絶えません。そして、その「終わり方」というのを、多くの人たちが注目し、「終わらせ方」を模索しています。

そんな中で、過去を紐解くことは、これからの未来の戦争の「終わり方」を予測する一助になる可能性は高いです。「なんで歴史なんて勉強しなきゃならないの?過去のことじゃん」とよく子供は言いますが、「これからの社会を予測することができるから」というのが1つの回答になるのではないでしょうか。

◆18カ月で停戦が成立した日露戦争

例えば、2023年12月現在、ロシアウクライナの戦争が行われていますが、100年以上前にもロシアは南にある小国と戦争を行っています。なにかと言えば、日露戦争ですね。

現在ウクライナ侵攻から22カ月が経とうとしていますが、日露戦争は、18カ月できちんと停戦が成立しました。なぜ日露戦争は停戦することができたのか?どんな要因が重なったのか?そうしたことを考えることは、実はウクライナの戦争の終わり方を考える上で重要になってくるかもしれません。

「戦争の終わり方」という切り口で物事考え、「歴史から学ぶ」きっかけをくれる一冊です。

◆○『世界がわかる資源の話』

鎌田浩毅・著(大和書房)

最後は『世界がわかる資源の話』です。

この本は、「資源」という観点で、物事を考えていくという本です。石炭や石油・天然ガスやレアアース・水や森林……いろんな資源を起点として、世界の「今」や歴史を紐解いていく一冊になっています。

実際、この「資源」という切り口はとても有効なものだと思います。

というのも、歴史や社会情勢を勉強していくと、実はその根本にあるのは「資源」である場合が多いからです。

◆資源の有無で世界は動いている

例えば、世界大戦が発生した原因の1つは、ドイツフランスの間にあるアルザス・ロレーヌ地方の石炭だったと言われています。ソ連の崩壊の原因も、石油の価格が下がって、ソ連の経済がうまくいかなくなったからだと指摘する人もいます。歴史上の大転換が、資源によって発生していると解釈できる場合も多いのです。また、歴史だけでなく、今の国際情勢も、資源が大きく関わっています。

よって、資源の有無によって世界は動いていると言えるのです。

しかし、これだけ大事なものであるにもかかわらず、あまり「資源」という切り口で勉強をすることはないと思います。僕も振り返ってみても、あまり経験がありませんでした。だからこそ、この本はとても面白く感じました。世界を理解する教養を得るために、この本はとても有効だと思います。

いかがでしたか? やはり純粋に、新しい切り口を紹介してくれる本は、読んでいて楽しいです。「なるほど、そういう物の見方があるのか」と勉強になり、読んでいて知的好奇心を大きくくすぐられます。みなさんもぜひ、ご紹介した3冊を読んでみてください!

【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Twitterアカウント:@Temma_Fusegawa

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