「嫁姑問題」はよく聞く言葉だが、これは“嫁が家事や育児をするべき”などの古い価値観に基づいた言動が主な理由と考えられる。

 しかし、共働きが当たり前となった現在、“夫が家事や育児をすること”は、むしろ当然のように生活が変化した。そんな中で、夫と義母との間で考え方が合わない「夫姑問題」が持ち上がるのは必然の流れだろう。今回は、令和ならではの「夫姑問題」についてのエピソードを聞いた。

◆子どもの習い事に対する考え方の違いにウンザリ

 負けず嫌いな野村康太さん(仮名・30代)は、妻の実家のゆるい考え方に慣れずに困っているという。

「妻の実家は子どもの教育に関して、“一番を目指すことよりも、ほどほどでいいから楽しく過ごすこと”に重きを置いています。でも、僕は“どんなことでも精一杯努力して上を目指すタイプ”なんです」

 野村さんは、子どもに剣道をやらせることにした。小学校1年生から始め、スクールでの練習に励んでいるそうだ。

「頑張ってはいるのですが、なかなか試合に勝つことができず、自宅での自主練を行うことにしました。その画像を義実家のグループラインに送ったのですが……」

 義祖父と義父は剣道をやっており、段をもつ腕前なのだとか。そこで野村さんはアドバイスをもらおうとした。だが、思いもよらない言葉が返ってきたのだ。

「義父からは『まだ小学校1年だし、試合は勝つより慣れるくらいでちょうどいい』と言われ、義母からは『自主練なんてかわいそうよ、家では遊ばせてあげたら?』と言われました」

◆秘密にしていた稽古を息子が姑に口を滑らせて……

 否定的な返信ばかりに考え込んでしまった野村さん。さらに、義実家に泊まりに行ったときには……。

「その際も自主練風景を見せたのですが、『せっかく遊びに来てるんだから、そんなのいいわよ』と言われる始末です。なので、自主練はもちろんのこと、スクールで行われる合宿や夜稽古に通わせていることは秘密にしていました」

 しかし、うっかり子どもが「この前の早朝寒稽古、寒過ぎてしもやけ寸前になっちゃった」と口を滑らせてしまったという。

「義母からは『子どもは寝ないと成長できないのよ!早起きさせてまで、なんてかわいそう。しかもしもやけなんて』とお叱りをうけました。孫のことがかわいいのは分かりますが、少しでも息子が上手になればと思って頑張っているのに……」

 応援するのではなく反対されてしまうことは残念だし、「なんだかな〜」という気持ちになると、野村さんは悩みを吐露した。

朝ごはんにピザを持ってくる姑にモヤモヤ

「先に断っておきますが、姑との関係は決して悪いわけではありません」そう話し始めた鈴木悟さん(仮名・30代)は、休日に頻繁に起こるエピソードを教えてくれた。

「僕は2児の父で、夫婦共働きです。家事は分担制で洗濯は妻、掃除は私が担当しています。料理に関しては、平日は妻、休日は私が担当しています」

 下の子どもが、休日でも保育園に行くため、起きる時間は早い。休日の料理は鈴木さんの担当であり、本来であれば作ることになるはずだが……。

「僕が『朝はパンでいい?』と子どもたちに聞くと、妻から『昨日はお母さんが持ってきたピザがあるよ』と言うんです」

 鈴木さんは数年前にマイホームを購入したのだが、義実家とは目と鼻の先だという。そのため、しょっちゅう「あれ買ったから」「コーヒー淹れたから」と義母が持ってくるそうだ。

「姑は、我が家が家事分担で休日の食事は僕担当と知っているにもかかわらず、前日にピザを持ってきました。ありがたい話ですが、僕としてはモヤモヤします」

◆合鍵を使って留守中に勝手に掃除

 1度や2度ではなく、このようなことが日常茶飯事に起こるという。ある日の休日、鈴木さん一家は近所の公園で遊ぶことになった。

「思う存分公園で遊び、僕には掃除の時間も必要でしたので、お昼前には帰ることにしました」

 しかし、帰宅すると不思議と片付いている自宅に違和感を覚えた鈴木さん。案の定、姑が留守中に部屋を片付け、掃除をしてくれていたことが判明する。

「マイホーム購入時は、嫁の実家が近くても“必要以上に干渉しないこと”が条件でした。ついでに、掃除は僕が担当です。姑としては休日くらいゆっくりしてほしいという気持ちもあるのでしょう。気遣いはいいけど、構わないでよ……と言いたくなるときもあります」

 ありがたい話ではあるが、鈴木さんは「夫としてモヤモヤは拭えない」と胸の内を明かした。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

―[令和の夫姑問題]―


※写真はイメージです