韓国のボーイズ・グループ=ATEEZの『THE WORLD EP.FIN : WILL』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 『THE WORLD EP.FIN : WILL』は、今年の7月1日付で2位を記録した前作『THE WORLD EP.2 : OUTLAW』以来約5か月ぶり、2作目の正規スタジオ・アルバムで、Billboard 200では以下に続く4作目(4作連続)のTOP10入りと、グループ初の首位を獲得した。

『THE WORLD EP.1: MOVEMENT』(2022年8月13日付 最高3位)
『SPIN OFF : FROM THE WITNESS』(2023年1月14日付 最高7位)
『THE WORLD EP.2 : OUTLAW』(2023年7月1日付 最高2位)
『THE WORLD EP.FIN : WILL』(2023年12月16日付 最高1位)

 Billboard 200では、上記4作のほか『ZERO : FEVER Part.3』(2021年)、『ZERO: FEVER EPILOGUE』(2021年)の計6作がランクインしているが、ソング・チャート“Hot 100”をはじめ、エアプレイ・チャート、ストリーミング・ソング・チャート、世界200以上の地域で集計されるグローバル・チャート “Global 200”、米国のデータを除外した“Global Excl. U.S.”にはチャートインしたことがない。

 『THE WORLD EP.FIN : WILL』は、初週(2023年12月1日12月7日)アルバム・セールスが146,000(99%がフィジカル、1%がデジタル・ダウンロード)、アルバム・ストリーミングが5,500(全12曲で759万回)、トラックによるユニットは500をそれぞれ記録して、累計152,500ユニットを獲得した。

 フィジカルはいずれも12曲で構成された封入特典とパッケージが異なる全33種類(CDが26種類、アナログ盤が7種類)でリリースされていて、バーンズ・アンド・ノーブルやウォルマートターゲットなどの小売店限定のものもある。アメリカでは、メンバーによる8種のセルフィー・フォトカードが2枚から5枚封入された。

 『THE WORLD EP.FIN : WILL』は一部英詞を含む韓国語をメインとしたアルバムで、英語以外の言語で首位を獲得した史上23作目、2023年では以下に続く7作目のNo.1タイトルを獲得した。

TOMORROW X TOGETHER『The Name Chapter: TEMPTATION』(2月11日付)
カロルG『Manana Sera Bonito』(3月11日付)
Stray Kids『★★★★★ (5-STAR)』(6月27日付)
NewJeans『Get Up』(8月5日付)
バッド・バニー『Nadie Sabe Lo Que Va a Pasar Manana』(10月28日付)
Stray Kids『ROCK-STAR』(11月25日付)
ATEEZ『THE WORLD EP.FIN : WILL』(12月16日付)

 先週3週目の首位を獲得したテイラー・スウィフトの『1989 (テイラーズ・ヴァージョン)』(101,000ユニット / 28%減少)は、『THE WORLD EP.FIN : WILL』の登場により2位にダウン。ドレイクの『フォー・オール・ザ・ドッグス』(76,000ユニット / 10%減少)も2位から3位にワンランクダウンして、モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(65,000ユニット / 3%増加)は4位をキープした。

 先週、昨シーズンぶりにTOP10入りしたマイケル・ブーブレの『クリスマス』は、前週から28%増加の60,000ユニットに上昇して、9位から5位にTOP5入りした。ホリデー・アルバムでは、今週ナット・キング・コールの『ザ・クリスマス・ソング』も16位から10位に上昇して、1月7日付(5位)以来のTOP10入りを果たしている。

 『ザ・クリスマス・ソング』には、「ひいらぎ飾りて」や「神の御子は今宵しも」、「もろびとこぞりて」、「歓び歌え」など、毎年ホリデー・ソング・チャート“Holiday 100”にランクインするクリスマスの人気曲が多数収録されていて、それらのストリーミングが上昇したことにより、前週から21%増加の44,000ユニットに数字を伸ばした。

 6位はテイラー・スウィフトの『ミッドナイツ』(55,000ユニット / 15%減少)、7位はシザの『SOS』(51,000ユニット / 7%増加)がそれぞれランクインして、8位にはノア・カハンの『スティック・シーズン』が先週の13位から上昇して再びTOP10入りした。

 『スティック・シーズン』は、2022年10月にリリースした3作目のスタジオ・アルバムで、2022年10月29日付で14位に初登場した後、最高位は更新しなかったが、今年の6月9日に7曲を追加したデラックス盤とアナログ盤をリリースしたことでポイントが急増し、6月24日付で3位にランクインした。

 10月21日付では、収録曲の「シー・コールズ・ミー・バック」にケイシー・マスグレイヴスが参加したリミックスがリリースされたこと、英BBCラジオ1の番組『ライヴラウンジ』で、オリヴィアロドリゴがタイトル曲の「スティック・シーズン」をカバーしたことが話題になり再び9位にTOP10入りし、今週は12月2日に米NBCの『サタデー・ナイト・ライブ』でのパフォーマンス効果により、前週から26%増加の48,000ユニットに上昇して、約2か月ぶりのランクインを果たしている。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月15日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『THE WORLD EP.FIN : WILL』ATEEZ
2位『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』テイラー・スウィフト
3位『フォー・オール・ザ・ドッグス』ドレイク
4位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
5位『クリスマス』マイケル・ブーブレ
6位『ミッドナイツテイラー・スウィフト
7位『SOS』シザ
8位『スティック・シーズン』ノア・カハン
9位『フォークロア』テイラー・スウィフト
10位『ザ・クリスマス・ソング』ナット・キング・コール

【米ビルボード・アルバム・チャート】ATEEZ自身初の首位、故ナット・キング・コール『ザ・クリスマス・ソング』TOP10入り