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ある少年に散歩中に起こった悲劇について、アメリカの『People』やオーストラリアの『7NEWS.com.au』が報じている。

 

■父親との散歩が日課だった少年

イギリスのマンチェスターに暮らしていたベン・カラン・ニコルズさん(14)が、昨年9月18日の朝、父親と一緒に市内にあるフレッチャー・モス・パークという公園を散歩していた。

知的障害を伴う重度の自閉症と診断されていたベンさんは、運動のために散歩を日課にしており、木登りをすることもあったという。

その日もイチイの木を見つけて楽しく登っていたが、そこに赤い実がなっていることに気が付いたそうだ。

 

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■赤い実を食べ死亡

その実が美味しそうだと感じたベンさんは、いくつか頬張った。すると数時間後に意識を失い、容態が急変した。

ただちに救急車ロイヤル・マンチェスター・チルドレン・ホスピタルに搬送されたが、翌朝に命を引き取った。

死因は、果実と葉を摂取したことによる「タキサンアルカロイド中毒による難治性心原性ショック」と推測されるという。

 

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■公園にも有毒植物の情報はなし

ベンさんだけでなく、一緒にいた父親もイチイの木の実に毒があることを知らなかったうえ、公園内にも有毒な植物を知らせる情報は一切なかった。

しかしこのたび、検死当局が正式に「有毒な木の実を食べたことによる中毒死」と公表。イチイの木の実による死亡例は稀ではあるものの、これまでにも多数の症例が報告されているという。

 

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■日本でも身近に有毒植物が

毎年春になると、行者ニンニクとイヌサフランを間違えて食べたことによる死亡事故が発生する。

また下校時などに道端の花の蜜を吸う子供たちがいるが、ピンクのツツジの蜜は甘いものの、オレンジ色のレンゲツツジは有毒。見分けが難しいため、そもそも吸わないほうが無難だろう。

ヨウシュヤマゴボウやドクウツギも、子供にはブルーベリーのように見えてしまうほか、ウルシイラクサも田舎の公園やキャンプ場などによく生えているため、注意が必要だ。

父親と散歩中に「赤い木の実」を食べた少年が死亡 有毒植物は身の回りに存在