後払い契約は大谷側のアイデアだったとされる(C)Getty Images

 ドジャース12月11日(日本時間12日)、エンゼルスからフリーエージェント(FA)になっていた大谷翔平投手と契約合意したことを正式に発表した。

 すでに大谷が自身のインスタグラムで契約合意に達したことを明らかにしていたが、ド軍はこれまで発表していなかった。「ロサンゼルス・ドジャースアメリカンリーグ最優秀選手に2度輝いた大谷翔平と10年契約を結んだ」とリリースした。

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 大谷も球団を通じて「ドジャースファンの皆様、私をチームに迎え入れてくれてありがとうございます。ドジャースと私はワールドシリーズを制覇してロサンゼルスで優勝パレードするという同じ目標を100%共有しています」と優勝への強い意欲をにじませた。

 一方、注目を集めているのはプロスポーツ史上最高額といわれる、10年総額7億ドル(約1014億円)のメガ契約の内訳にもある。

 大谷は総額7億ドルの内、6800万ドルを後払いで受け取る予定とされている。これは球団のぜいたく税対策にもつながり、今回の巨額契約が今後のチームの補強方針などになるべく影響を及ぼさないようにとする、大谷側が示したアイデアとされる。

 そして今回の異例のプランは大谷の「勝ちたい」という気持ちの現れとも取れる。かつてエンゼルスで「ひりひりしたシーズンを送りたい」と勝利への渇望を口にしたこともあった。今春のWBCで世界一に輝いたときの笑顔も印象的で周囲を鼓舞する姿勢はすべて、勝利に結びつけるための方策とあって、今回「生涯ドジャース」を決めた上で、できるだけ多くのシーズンで勝利を味わいたいとなれば、補強面に目配りするのは当然のことともいえた。

 ドジャースはすでに多くの球団から熱視線を向けられている山本由伸獲りも視野に入れているとされる。本来であれば、これほどの巨額契約となれば、チームの年俸総額にも影響を与え、ほかの選手獲得も二の足を踏みそうだが、これも今回の大谷の異例の申し出により資金供出は十分可能と見られる。

 まさに球団、大谷にとっては「ウィンウィン」の契約内容となったが、あまりに異例な契約内容のため、今後もこの「大谷ルール」をめぐっては様々な議論が噴出することとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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