クエンティン・タランティーノ監督とロバートロドリゲス監督がタッグを組んだ‟伝説のホラー映画”『グラインドハウス』(07)。映画本編2本と実在しない映画の予告編4本で構成された同作だが、そのなかでもイーライ・ロス監督によるフェイク予告編「感謝祭(Thanksgiving)」は、これまでホラーファンから「実在しない最高のホラー映画」と称されてきた。16年もの間、ファンからこのフェイク予告編の映画を実際に作る気はないかと聞かれ続けてきたロス監督だが、2023年ついにR18+指定の長編映画『サンクスギビング』として、12月29日(金)より公開されることが決定。このたび、本作のポスタービジュアルと予告編が解禁された。

【写真を見る】「殺人シーンは最高の仕上がりを目指した」と並々ならぬ自身をのぞかせるイーライ・ロス監督

ホラー界の鬼才ロス監督が約10年ぶりに本格ホラーに挑み、「これ以上の映画は撮れない。思い残すことはない」と断言する本作。全米での大ヒットを受けて、早くも続編の製作が決定するという嬉しいニュースも舞い込んだ。「自分たちが作ったものを超えるつもり」と、ロス監督も大興奮で意気込みを口にしている。

今回新たに解禁されたのは、感謝祭を恐怖に陥れる謎の殺人鬼ジョン・カーヴァーと、そのターゲットとなる町の住民たちや事件を追う警察官らが映しだされたキャラクターポスターとサスペンスフルな予告映像だ。1年に一度の祝祭である感謝祭(=サンクスギビング)。町一番の大型量販店のブラックフライデー・セールでの暴動事件をきっかけに、高校生たちやその家族、住民たちが次々と凄惨な殺人事件に巻き込まれていく。

第一の事件はダイナーで働く女性が、突如襲われて体を無残にも切断され、死体の半分だけが大型量販店の看板に吊るされるという衝撃的なものだった。すぐさま警察が捜査に乗り出すが、犯人は町で伝説の人物とされるジョン・カーヴァーの仮面を被っているせいで手がかりを掴むことができない。続く事件は、高校生グループが、ジョン・カーヴァーを名乗る犯人のインスタグラム投稿にタグ付けされたことが発端となる。インスタの写真には感謝祭の豪華なディナーに招待するような不気味なテーブルが映しだされ、殺人鬼が大胆にもターゲットへ事件予告をするような様子も。

町中がパニックになり、不安がピークに高まっていくなかで、迎える感謝祭当日。感謝祭発祥の地であるこの町の住人たちは皆、この祝祭に対して並々ならぬ思いを抱いている者たちばかりだ。ブラックフライデー・セールで一儲けしようと企む町一番の権力者で大型量販店の経営者とその後妻、その経営者の娘で、継母との折り合いに悩む高校生、そしてその高校生を取り巻く親友の女子たち、「今彼」や「元彼」に、経営者をよく思っていない大型量販店の従業員やその家族たち。人間関係の因縁が渦巻くこの町で、感謝祭を祝うためにパレードにあふれかえったジョン・カーヴァーの仮面を被った人々のなかに、殺人鬼が紛れ込む。

事件の捜査を続ける警察官は「誰も信じるな」と言うが、仮面の裏に隠されたその正体はいったい誰なのか?果たしてその目的とは?映画史上、最も料理上手な殺人鬼ジョン・カーヴァーが、人々を恐怖に陥れる狂宴『サンクスギビング』に期待が高まる!

文/山崎伸子

ホラー映画『サンクスギビング』が12月29日(金)より公開