チャンピオンズリーグ(CL)・グループA第6節(最終節)が12日に行われ、マンチェスター・ユナイテッドイングランド)とバイエルンドイツ)が対戦した。

 イングランドの名門がグループ突破に向けて危機的状況に立たされている。前節を終えた時点での成績は1勝1分3敗。獲得した勝ち点はわずか「4」で、グループAの最下位に沈んでいる。最終節で奇跡を起こすには、バイエルンに勝利した上で、他会場で同時刻にキックオフされるコペンハーゲンデンマーク)とガラタサライトルコ)の一戦が引き分けで終わるのを願わなければならない。まずは第一の条件を満たすべく、ここまで4勝1分と無敗をキープし、既に首位での決勝トーナメント進出を決めたドイツの“絶対王者”を『オールド・トラフォード』で迎え撃つ。

 マンチェスター・ユナイテッドハリー・マグワイア、ブルーノ・フェルナンデス、ラスムス・ホイルンドといった面々がスターティングメンバーに入った。一方のバイエルンはハムストリングの負傷により戦線を離脱していたジャマル・ムシアラが約1カ月ぶりにメンバーに復帰。レロイ・サネやハリー・ケインらとともに先発に名を連ねた。

 試合は立ち上がりこそホームチームが積極的に前に出たが、時間の経過とともにバイエルンが流れを掴む。10分には敵陣右サイドでムシアラからのパスを受けたキングスレイ・コマンがマイナスへ折り返すと、ペナルティエリア手前からケインが右足で狙うも、シュートは威力がなくGKアンドレ・オナナにキャッチされる。

 対するマンチェスター・ユナイテッドは良い形でゴール前に進入することができない時間が続いたが、23分には右サイドでボールを繋いで相手を引き寄せると、B・フェルナンデスが逆サイドへ展開し、パスを受けたルーク・ショーが敵陣中央やや左寄りの位置でミドルシュート。強烈な一撃は枠を捉えたが、ここはGKマヌエル・ノイアーが弾き出した。

 その後は激しい攻防戦が繰り広げられる中、32分にはバイエルンがカウンターの流れからビッグチャンスを作る。右サイドのスペースへ飛び出したコマンがボールを引き出し、ピンポイントのクロスボールを供給すると、これが走り込んだサネの足下にピタリ。フリーでボールを呼び込んだものの、ジャストミートせずにフィニッシュまで持ち込むことはできなかった。

 前半の終盤に差し掛かると、マンチェスター・ユナイテッドアクシデントが襲う。最終ラインに入っていたマグワイアが負傷のためプレー続行不可能となり、ジョニーエヴァンスピッチに送り出された。その後はチャンスが生まれず、前半はスコアレスで終了している。

 後半に入ると立ち上がりの49分にマンチェスター・ユナイテッドビッグチャンスを作り出す。敵陣右サイド開いた位置でエヴァンスからのパスを受けたアントニーが、内側を駆け上がってきたアーロン・ワン・ビサカを使う。ワン・ビサカがマイナスへ折り返すと、ペナルティエリア手前の位置で待っていたB・フェルナンデスがフリーで右足を振ったが、シュートはクロスバーを大きく超えた。

 その後は前半と同じく拮抗した展開となったが、70分にはバイエルンが巧みなパスワークでゴールを脅かす。敵陣中央へ侵入したコマンがセカンドボールを拾うと、ボールを引き取ったレオン・ゴレツカが斜めのパスを差し込む。途中出場のトーマス・ミュラーがフリックし、ケインダイレクトで繋ぐと、走り込んできたコマンが右足でゴールネットを揺らした。バイエルンが敵地で先手を取っている。

 マンチェスター・ユナイテッドとしては後がない状況に追い込まれたが、同点、そして逆転に向けてもう1段階ギアを上げていくことはできない。試合はこのままバイエルンの1点リードでタイムアップを迎えた。

 この結果、他会場の結果を待たずにマンチェスター・ユナイテッドの3シーズンぶりとなるCLのグループステージ敗退が決定。グループDを最下位で終えたため、この後ヨーロッパリーグ(EL)に参戦することもできず、今季の欧州での戦いはここで幕切れとなった。一方、勝利したバイエルンは5勝1分と無敗でグループDの全日程を終えている。

 なお、決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)の抽選会は今月18日に開催される。

【スコア】
マンチェスター・ユナイテッド 0-1 バイエルン

【得点者】
0-1 70分 キングスレイ・コマン(バイエルン

決勝ゴールを決めたコマン [写真]=Getty Images