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 人は一人では生きていけない。今日水が飲めるのも、電気がともっているのも、誰かの尽力によるものだ。古くから共同体を築き上げてきている我々のDNAには他者との何気ない交流が満足感につながっているのかもしれない。

 トルコサバンジュ大学心理学チームは、英国サセックス大学との共同研究で、興味深い事実を発見した。

 見知らぬ人に"こんにちは"と挨拶するだけで、人生の満足感が増す可能性があるというのだ。他人との短いやり取りが人々の幸福感に影響を与えるという。

 この研究結果は、『Social Psychological and Personality Science』誌(2023年11月17日付)に発表された。

【画像】 孤独が健康に与える悪影響

 最近、世界保健機関(WHO)は、孤独は世界的な公衆衛生上の懸念事項で、一日に15本のタバコを吸うのに匹敵するほど健康に有害だと宣言した。

 健康を損なうほどの孤独感は、現代西洋社会のほとんで報告されている孤立度と関係していると心理学者は述べている。

 近年では見知らぬ者同士が互いに気楽に会話していた昔に比べて、孤立する人が増えているという。

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見知らぬ人と挨拶を交わす人ほど幸福度が高いことが判明

 この研究のために、最初にトルコ、次にイギリスの人々に、最近、見知らぬ人とわずかでもふれあったことがあるか、あるいは会話をしたかどうかを質問した。さらに、満足感や幸せを感じている度合を訊ねた。

 最初の調査では3266人から、次の調査では6万141人から回答が得られた。

 その結果、見知らぬ人と束の間でもふれあい、会話をする人は、自分の殻に閉じこもり、知らない人間とは一切接触しない人に比べて、満足感、幸福感を感じることが多い傾向があることがわかった。

 赤の他人定期的に交流することは、そのコミュニティへの帰属意識につながる。

 それによって狭い世界を共有する人たちから受け入れられ、大切にされているという思いを抱くようになり、その人が人生の満足感を得るのに役立っている可能性があるという。

 こうした感情は、WHOが指摘する健康に害を与える孤独感を減らすようだ。

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 商売でもやってない限り、見知らぬ人にあいさつをするのは難しいが、集合住宅に住んでいるならまずはその住人、会社なら同じビルに通う人などに「こんにちは」とさりげなく挨拶するのもありかもしれない。

References:Minimal Social Interactions and Life Satisfaction: The Role of Greeting, Thanking, and Conversing - Esra Ascigil, Gul Gunaydin, Emre Selcuk, Gillian M. Sandstrom, Erdal Aydin, 2023 / Study suggests greeting strangers can boost happiness levels / written by konohazuku / edited by / parumo

 
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他人に挨拶をすることで幸福感が高まるという研究結果