あのが自宅にアーティストを招き、素顔に迫るテレビ番組『あのちゃんの電電電波』(テレビ東京)。お笑い芸人・霜降り明星の粗品は“飼い猫ササキ”として、番組に登場している。息のあった2人の掛け合いと要所要所で飛び出す毒舌が人気を博しているテレビ番組だ。

 ポッドキャストでは、2人が番組の裏側を語る『あのと粗品の電電電話』が10月3日から配信開始。番組の内容に触れるだけでなく、プライベートな雑談も繰り広げるため、素の2人の電話を聞いているような気分に。今回はポッドキャスト番組『あのと粗品の電電電話』の魅力について紹介する。

 第1回では、「2人が世間からどう思われているのか?」という議題に。あのは「粗品と僕って世間からどう思われているのかわからない」と疑問を抱いているようですが、粗品は「いま1番熱いコンビやで。ランキングも1位になるでしょ」と、番組に対しても自信満々の様子。それに対し「ランクインはしたいね」とあのちゃんも、意気込んだ。

 第3回では、なんとその願いが現実に。同番組がSpotifyポッドキャストランキング1位を達成した。2人で喜び合うなか、粗品は「今日電話するの楽しみにしてた?」とあのちゃんに聞くと、「まだ電話収録残ってるのか……と思った」とまさかの回答。粗品はポッドキャストでは“飼い猫ササキ”ではなく粗品として出演できるため、『電電電話』の収録を楽しみにしているようだ。この2人の温度差も、名コンビと言われるひとつの要因だろう。シリアスなあのとコミカルな粗品が結託して、アーティストを言葉で刺していく。その高低差のある笑いがさまざまな層にウケているのかもしれない。また、度々言い合いをしながらも伝わる仲の良さに、視聴者やリスナーも思わず笑顔になってしまう。

 このように、2人の棘のある言葉と、包み隠さない性格の悪さが視聴者から人気を集めている要因なのだが、『電電電話』で知ることができるのはその一面だけにとどまらない。第4回では、『神聖かまってちゃん』がゲストに来た回についてを振り返った。神聖かまってちゃんは以前からあのと親交があるアーティストグループで、放送でもその関係の深さが伝わるようなやりとりも見られた。粗品はその回について「いい人といい人が対談したときに起こる褒め合いが起きてた。めっちゃよかった」と振り返った。基本的に2人はゲストに対して棘を吐くスタイルなのだが、だからこそ“そうではない回”が浮き彫りになる。あのは「語るのが下手だから、かまってちゃんの良さを伝えれてたか微妙だった」と反省していた。いつもに比べて棘があまり見えなかった回の収録の際に、2人が実はどう思っていたのかという裏側まで『電電電話』では知ることができる。このギャップと二面性を知ることで、さらに視聴者は2人の虜となってしまうだろう。

 現在、#9まで配信されている『あのと粗品の電電電話』。(2023年12月8日時点)テレビ番組を見たあとは、ポッドキャストでたっぷりと2人の掛け合いを楽しんでみてほしい。

(文=向原康太)

『あのと粗品の電電電話』(提供=Spotify)