GO株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:中島 宏、以下当社)は、2022年12月に開始したタクシー領域の脱炭素化を目指す「タクシー産業GXプロジェクト」の1年間のプロジェクト実績(2022年12月~2023年11月末までのデータ)をまとめました。

1. 全国のEV化を約3倍に拡大、総走行距離は地球250周分

本プロジェクトの参加タクシー事業者は全国10都道府県の約130社、運行中のEV車両は約800台、今後運行が確定している車両を入れると合計約1000台で、この1年で国内トップクラスのEV車両リースの取扱規模となっています。2023年3月末時点では全国の法人タクシー全体のEV車両数が約400台※だったところに800台が加わり、約3倍の拡大に貢献したことになります。

また、これまで運行した全車両の総走行距離は約1,000万kmに達し、地球約250周分に相当します。

※全国ハイヤー・タクシー連合会公表:2023年3月末時点415台

2. CO2総削減量は1,122トン

本プロジェクト開始から1年間のCO2削減量は1,122トン※でした。1日の走行距離が自家用車に比べ7倍程度となるタクシーのEV化が引き続き進めば、社会全体の脱炭素化への大きなインパクトとなります。

なおタクシーアプリ『GO』では、タクシー利用による1回あたりのCO2排出量・削減量を、乗車したお客様ご自身が乗車後のアプリ画面より確認することが可能です。
※同じ走行距離で、クラウンコンフォート(CO2排出量:170g/km)と比較した場合の2022年12月~2023年11月末までのCO2総削減量

3. 一般家庭484世帯1年分のRE100電力を安定供給

タクシー事業者の営業所に設置した急速充電器と普通充電器は合計約600台、総充電量は約2,243,000kWh(2.25GWh)で、一般家庭(3人家族戸建て:386kWh/月)の484世帯1年分に相当します。なお、本プロジェクトではRE100※1電力を安定的に供給しています。

なお、参画するタクシー事業者のうち、日本交通横浜と神奈川県小田原市、飛鳥交通ニュータウン東京都多摩市、名鉄タクシーホールディングスと愛知県名古屋市において、災害時のEVタクシーを活用した電力供給等に関する協定が締結されています。

仮に、災害発生時等の際に、本プロジェクトで運行するEVタクシー1000台が満充電の蓄電池として稼働することができた場合、一般家庭(同条件)約4600世帯の1日分※2の使用電力をまかなう計算となります。引き続き、各協定の取り組みの一助となるよう実証を行ってまいります。

※1 1RE100とは「Renewable Energy 100%」の略称で、事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的イニシアチブ

※2 全台数を60kWhのバッテリー容量のEVとした場合の試算

1,000台×60kW=60,000kWh・60,000kWh÷(386kWh÷30(日)) =4,663/世帯・1日あたり

4. 保全強化で充電トラブルは通常水準の1/10程度にまで減少

不備や故障の多い急速充電器の充電トラブルにおいては、プロジェクト開始後からの初期トラブルが減少しています。これはリアルタイムでの状態監視およびエラー通知への対処による即時復旧など、予防的な保全を強化したことが寄与しています。これにより通常20%程度と言われる急速充電器のトラブル発生率は、本プロジェクトでは2%程度で推移しており、タクシー運行における機会損失の回避にも繋がっています。

5. 電力需給を抑制調整するタイムシフト制御を開始

本プロジェクトでは、RE100(100%再生可能エネルギー)を調達していますが、遠隔制御にて普通充電器の出力をデマンドコントロールする「タイムシフト制御(充電管理)」を一部のタクシー事業者にて実証を行っています。タクシー運行管理に組み込むことで、毎回の出庫に支障をきたさない計画で充電を行います。

これにより、電力需要が上昇する時間帯の回避や季節的な節電要請に向けた対策が可能となり、電力の需給逼迫時における負荷を緩和することが期待できます。

2024年春からは、プロジェクト参加の全タクシー営業所でのタイムシフト制御を実施予定です。将来的には、AI技術によるタクシー運行専用のエネルギーマネジメントシステムの構築を通じてさらに高度化したタイムシフト制御を行っていきます。

6. エネルギーマネジメントシステム構築の進捗状況

エリアごとのタクシーの運行特性に応じた充電計画の生成に向けて、充電予約・充電計画・実績管理・請求の一連のシステム構築を完了しました。次に、複数の事業者による同時充電も含めた一つの充電器を共同利用するケースでの実績管理機能の実装も完了しています。なお、車両や充電器などは特定の機種やメーカーに限定せず、多岐に渡る機器類と接続できています。引き続き、膨大な走行実績と充電実績のデータに基づき、タクシー車両の運行特性に沿った電力需要のコントロールが可能なエネルギーマネジメントシステムの実現に向けて最適化の精度を高めて参ります。

7. タクシー車両としてのコスト削減効果は1台あたり6年間で約370万円

タクシーで一般的なLPG車(セダン車両・スライドドア車両)とEVについて、実際の運行状況下でのコストを比較したところ、燃料費(LPGまたは電力)、メンテナンス費(車検、点検修理理ほか)、燃料充填にかかる移動等の人件費の3項目を加味した車両1台あたりの6年間の合計では、セダン車両は約370万円、スライドドア車両は約100万円のコスト削減が期待できるという試算となりました。

※2023年6月時点の従来車両の一般的な運用コストおよび技術実証中のEV車両における運用コストの平均実績値から算出

 本プロジェクトは、車両や充電器メーカー等のほか、複数の協力パートナーと連携した取り組みを通じてタクシー産業の脱炭素化に向けた包括的な実証を引き続き行ってまいります。

|「タクシー産業GXプロジェクト」について

EV車両や充電器導入支援を含むエネルギーマネジメントシステム構築に加え、『GO』を通じたCO2削減量表示など消費者への働きかけを行いCO2排出量3万トン/年※の削減を目指すプロジェクトです。都市部を中心とした全国のタクシー事業者に対して、エリアごとのタクシー運行特性に応じた充電計画の生成といった運行面での支援に並行して、車両や充電器の提供といった設備面での支援を行います。EV車両にはオリジナルのラッピング広告を施し、街中を走行するタクシーの姿を通じて広く一般社会への啓発にも繋げていきます。( https://go-gx.com/ )

本取り組みは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/スマートモビリティー社会の構築」における「グリーンイノベーション基金事業/スマートモビリティー社会の構築」(GI基金)採択による支援を受けております。

( https://green-innovation.nedo.go.jp/project/smart-mobility-society/ )

※全国ハイヤー・タクシー連合会TAXI TODAY・年間走行距離87,372kmをベースに、最も台数の多いクラウンコンフォートとEV車のCO2排出量差分より推計

|参考:移動で人を幸せに。 GO株式会社について

GO株式会社は、「移動で人を幸せに。」をミッションに、

日本のモビリティ産業をアップデートする様々なITサービスの提供を行っています。

※記載されている会社名や商品名等は、各社の商標又は登録商標です。(出願中含む)

配信元企業:GO株式会社

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