記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。さて、昭和の終わりにCDが誕生し、新大衆音楽メディアとなりました。虹色に輝く銀の盤面には謎の魅力があり、誰もが貴重品のように丁重に扱っていたことでしょう。今回のテーマは、そのCD盤ではなく、〝CDが入っていた透明のケース〟になります。
平成時代はCDが普及しすぎ、ケースのみを活用した商品がいろいろと発売されていました。これらはケース内に音楽CD以外の物を封入して販売され、「CDだと思って買ったらCDじゃなかった......!?」という事案が多々発生していました。
CDというのは「Compact Disc」の名が示すとおり、コンパクトな媒体に、膨大なデジタルデータを保存できる当時の最先端メディアです。
しかし、平成時代には何を思ったのか、CDの代わりに種と人工培土を収納した「植物栽培キット」が販売されていました。「オフィスの卓上に緑を!」という時代に先駆けた最先端のエコ発想でしたが、何もCDケースに収納する必要性はなかったのではと思ったりします......。
ほかにも、平成元年にはケースの中に切手をコレクションできる「CDケース型切手ストックケース」が当時の郵政省から発売されていました。普通に切手アルバムでいいような気もしますが、最先端のメディアと組み合わせることで、〝古くさい趣味〟という印象を払拭しようという試みなのかもしれません。
そしてCDケースに入ったゲームもありました。一見、パソコンやプレステなどに対応した次世代ゲームかと思わせて、中にはダイヤモンドゲームの盤とコマに解説書。つまり物理的なボードゲームです。パソコンやプレステが買ってもらえない友達も、これで遊べば少しは寂しさを紛らわせられた......ハズ。
このほかにもCD部分が鏡になっている卓上ミラー、中身がフロッピー型ディスクなどいろいろな商品がありました。リユース店のCDコーナーにも、このような商品が交じっているので、皆さんにも注意深くチェックすることをオススメします。
撮影/榊 智朗
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