この度、2023年12月11日 Shinwa Wise Holdings株式会社の発表のとおり、2023年12月11日に弊社製品「AI-BOX」購入に関する契約を締結いたしました。

  • 1.契約について

 Shinwa ARTEX株式会社は、Shinwa Wise Holdings株式会社内で新規事業開発をしている会社で、現在は、文化支援事業、資産防衛ダイヤモンド販売、アートサロンを主軸にメディカル事業も手掛けている企業です。

 この度、弊社AI-BOXを採用いただいた理由の一部をご紹介いたします。

 1.AIによる読影診療支援の技術やメリットを医療業界に展開することは、患者と医師に対し、より良いサービスを提供するという意義があること。

 2.AI-BOXの性能がすぐれていること。

 3.競合他社のAI診断支援装置では取り扱いの少ないX線診断をAI-BOXでは採用していること。

 4.AI読影診療支援のサービスを展開している競合となる企業が少ないこと。

 5.その他

表1.ご契約者様情報(Shinwa Wise Holdings株式会社)

表2.ご契約者様情報(Shinwa ARTEX株式会社)

  • 2.製品の概要、及び開発の過程

  • 開発背景と機能概要

 弊社は、先端技術を医療に提供するために世界のIT企業IBM(NYSE.A0353)の持つ技術を共有する会社として立ち上げ、「1000年の医療を変える」「1000年の医療が変わる」を合い言葉に、総合医療診断支援装置「AI-BOX」を開発しました。

 AI-BOXは世界のIBMインドをベースにする世界の医療ベンチャーのDeepTekが開発した画像診断支援システムを収載し、世界で初めてIBMサーバー上で同時に稼働させた、唯一無二の製品です。

 本製品の特筆すべき点は、病症の見逃し防止に特化したAIを搭載していることです。

 他社の病症的中に特化されたAIとは異なり、健康で正常である人体のデータを大量に読み込み、病症よりもまずは「人体の異常」を検出することに優れた能力を有しています。

 これにより、医師が読影を行う際に他社AIが判別できない病症や、複数の病症がある患者に対して、複数あるうちの一つの病症にしか気づけなかったというような見落しの防止に有効です。

 さらに、病症の解析結果一覧画面では患者毎にステータス状態を視覚的に把握できるように異常のある患者に対して、アイコン色でレベル分けしているため、見落としの防止や診断時間の削減にも貢献します。

 このAIの利活用により、全国で年間何千万枚も撮影される胸部X線を最大限に活用できる診断支援サービスを提供し、病症の早期発見と効果的な治療の実現に寄与します。

図1.DeepTekによるAI解析結果のイメージ
図2.DeepTekの一覧画面のイメージ

 また、プログラミングディープラーニングの専門知識を必要とせず、マウス操作だけで誰でも直感的で簡単にAIモデルの作成とAI解析が可能です。

 医療画像のDICOM形式だけではなく、内視鏡や胃カメラ等で撮影した画像や動画形式をサポートし、オリジナルのAIモデルを作成できます。

 たとえば、医師がデジカメやスマホで撮影した皮膚や目に関する画像や動画データを読み込ませ、それぞれの分野に特化したAIモデルを構築することも可能です。

 それにより、診断支援だけではなく、院内の研究や指導に活用し医師のスキルアップが可能です。

図3.IBMのAI画像診断支援による教師データ作成のイメージ

 さらに、世界80カ国以上4,500を超える医療施設で活躍する薬剤情報データベースを閲覧可能です。約8,500のジャーナル誌と約750,000の医学文献から取得した詳細な臨床エビデンスをAIに学習させて構築した信頼性の高いデータベースを使用しています。

 それにより薬の副作用FDAの認可情報、薬剤同士の飲み合わせの危険性等、幅広い検索が可能です。人が会話するような文章の読み取りができる対話型のチャットボットを搭載しており、会話での質問にも最適な回答でサポートします。

 この薬剤データベースは以下の受賞歴があり、信頼性、臨床活用の効果等が評価されています。

 KLAS* 2023の臨床意思決定支援: ポイントオブケア臨床リファレンスでベストにランク付け。

 *KLASとはヘルスケア業界にソフトウェア、専門サービス、および医療機器を提供しているベンダーのパフォーマンス評価サービス

 AI-BOXにはIBMの高性能なサーバーIBM Power System AC922」が搭載されています。

 AC922に搭載されているPOWER9プロセッサはAI向けに設計された高性能なプロセッサで、高いデータスループットと迅速なAIモデルトレーニングにより、高速に正確なAIモデルを構築するよう設計されています。

 さらにHBM2(High Bandwidth Memory 2)という高速メモリにより、最大900GB/秒のメモリ帯域幅を実現したNVIDIANASDAQ:A2369)のGPUを採用しています。

 これにより、大量のデータを高速に処理することが可能になっています。また、Tensor CoresというAI用の高速演算ユニットを備えており、深層学習ニューラルネットワークなどのAIタスクに特化したアーキテクチャをサポートし、高速かつ効果的に実行します。

 さらにNVIDIAGPUを複数採用し大規模な並列処理を行うことで、高速なGPU間通信・解析を実現しております。

 それに加え、1TBを超える大容量メモリを搭載しており、高速な演算処理が可能で、これは米国エネルギー省の次世代スーパーコンピューター「Summit」「Sierra」に採用されているほどの性能です。

そして、IBM Powerサーバーは99.999%以上の可用性を誇るためハードウェアが壊れず、安心・安全に利用いただけます。

 IBMだけではなくDELL(NYSE.A7274)のサーバーも採用しております。DELLサーバーにはシステムに最適な複数の仮想OSが稼働できるための高性能なCPUとメモリを搭載しています。

 それにより、Windows環境上でのみ稼働するシステムがあった際にも、導入可能な構成とすることで、様々なシステムを追加できます。

 医療画像を保存するストレージにはIBM Flash Systemを採用しており、弊社の標準構成では最大12PB(ペタバイト)、オプションにより30PB以上に拡張が可能です。

 ディスクの冗長化や二重化等の最高レベルの可用性、DRAID(Distributed RAID)による高速なデータ処理と高い耐障害性、IBMが先進の機能強化を10年以上積み重ねてきた安心と実績で医療データは安全に管理されます。

 AI-BOXは主に病院の個人情報を取り扱うことから、外部へデータを漏洩させないため、万全のセキュリティ対策をとっております。

 ネットワーク機器にはCiscoNASDAQ:A0130)の先進的な製品を利用しており、高度なファイアーウォールやアクセス制御により、不正アクセスやデータ漏洩を防止します。

 さらにAI-BOX独自の暗号化システムを組み込んでおり、万が一、データ漏洩があった場合でも解読ができないような対策を取っているため、安心・安全に利用できます。

  • これまでとこれから

 2020年4月頃から、日本のみならず全世界にも影響を及ぼした新型コロナウイルスの発生により、緊急事態宣言まん延防止等重点措置期間が発出され全世界の人々が自粛生活を余儀なくされました。

 弊社は、自粛期間中も開発やアップデートを繰り返し、少しでも多くの医療従事者や患者様の助けとなるサービスを提供すべく、日々奮闘して参りました。

 そのような中、DeepTekと新型コロナウイルス感染症のスクリーニングに関するAIモデルの開発を手掛け、発表できたことは弊社の誇りです。

 2023年になり自粛も解除され、マスク着用も任意となった今現在においても、未だ多くの課題を医療業界は抱えています。

 その手助けとなるサービスを提供し続けられるよう、我々は日々精進して参ります。

 また、昨今、医療向けAIの市場規模は拡大しており、国の方針としてもAI診断を活用する動きがあります。

 今後、高齢化社会によって医師の負担がさらに増え、医療現場へAI導入が必至となることが見込まれますが、AI-BOXはその先頭に立ち、様々な機能で医療従事者をサポートします。

  • 3.AI-BOXの社会的な効果

  • 健康診断における活用推進

 定期健康診断の一環で行われた胸部レントゲン検査において肺がんが見落とされたケースで、医療機関の責任を否定する判決を最高裁判所平成15年7月13日に出しました。

 にわかに信じがたい判決ですが、裁判所は、集団検診の制約や医師の読影の難しさを考慮し、医師の過失を認めない判断を下しました。

 その結果、集団検診で異常が見落とされても医療機関の責任を問うことが難しいとされました。

 このような判決から、集団検診の結果には慎重に対処する必要があり、異常がないとされても自己防衛のために人間ドックや精密検査を受けることが必要な場合があります。

 そこで、AI-BOXのAIがそれらの懸念を払しょくするセカンドピニオンとして役立ちます。

 異常なしの結果にもかかわらず、人間ドックや精密検査を大げさに受けることは心理的にも金銭的にも難しいでしょう。

 そこで、AI-BOXのAIを身近にご活用いただき、見落しによる悲劇を防止します。

 経済産業省は健康経営と題して、従業員の健康保持・増進の取組が将来的に収益性を高めるという考えを推進しています。

 それに伴い、生涯現役社会の構築に向けた方向性として、一人一人が心身の健康状態に応じて経済活動や社会活動に参画し、役割を持ち続けることのできる「生涯現役社会」の構築に向けて、医療・介護関係者と民間事業者、関係省庁が一丸となって、以下の方向性で取組を定めています。

1.産業・町造り・コミュニティ等の環境の変容による健康インフラづくり(一次予防)

2.職域と地域が連携した気づきと重症化予防のサービス作り(二次予防・三次予防)

3.上記を促進するインセンティブの整備

 その内の、1.と2.はまさにAI-BOXが担う内容です。

 AI-BOXを活用することで、健康インフラや重症化予防のサービスにつながり、それにより、従業員の生産性維持・向上となり、経済損失の予防に貢献します。

 企業が健康経営として投資する先の一つとしてAI-BOXは適しています。

図4.企業の健康経営を推進

  • 医師不足による時間外労働

 医療業界にも働き方改革が施行され、長時間労働を見直す必要があります。

 一方で診療時間の短縮による診察の質が低下される懸念を生みます。また、令和元年厚労省の調査でも週60時間以上の勤務が4割を超え、当直をふくむ最長の連続勤務時間は32時間以上が6割超えるといった医師の労働実態が明らかになっています。

 その過酷ともいえる勤務状況から、違ったキャリアを模索する医師も増えており、今後こうした流れが加速すると、医師不足はますます深刻になっていくと考えられます。

 それらの懸念にAI-BOXは貢献します。診察時間が短縮された場合にもAIが医師のサポートを行い診察の質を保ち、医師不足による専門外の医師が読影する場合においても、AIが一定の水準までスキルを引き上げた読影が可能になります。

  • 4.AI-BOXに対する医療従事者のコメント

・医師A(70代 院長)

 診断は医師が下すもの。AIはあくまでもサポートとしてあれば良いと考える。

 その考えにマッチするAI-BOXは理にかなっており、非常に期待できる。

 一方で、医師は診察に忙殺される日々を過ごしており、受診者・患者の一人一人に向き合えていないため、絶対の自信をもって診断を下しているとも言い難い状況にある。

 それゆえに、日々の業務を手助けしてくれるものとして読影に携わる医師に総じて勧められるシステム。

・医師B(50代 放射線科医)

 実証実験の立ち会いの際に、弊院から提供した画像に含まれる病症名をあえて別名で伝えたが、AI-BOXは正しい病名を見事に的中させた。

 また、研修医では見落とす様な僅かな異変も検知しており、これまでの長年の経験によって培ったスキルに迫る賢さを感じた。

 これまでに症状を訴えた際にはがんのステージが進行しており、もっと早く進行具合を発見できていればというケースを診てきた。

 日本には健康診断というスクリーニングに最適な機会が恵まれているにもかかわらず、先のような事例が起きている。

 医師すべてに責任を負わせることは酷であるとも考えられるので、AI-BOXのAI診断支援には期待せざるを得ない。

  • 5.今後のAI-BOX展望

ベンダーとして既存AIの精度や解析速度の向上はもちろんのこと、これまで利活用まで辿り着かなかったAIモデルや世界の先進的な技術を果敢に取り込み、AI-BOXが医療プラットフォームの代表格となるべく、拡張と更新を続けます。

 そして、運用開始に伴う利用者様の使い勝手や、さらなるご要望等の様々な声に最大限耳を傾け、

 AI-BOXのアップデートを繰り返し、成長させて参ります。

 それにより、日本の医療課題を解決し社会に大きな変化をもたらすことを目指します。

 また、弊社は現在、10以上のお客様(病院や企業様、クリニック様)と導入商談中です。今回の採用を機に営業を加速させていきます。

  • 6.その他関連企業の正式名称及び注釈

IBM(NYSE.A0353

正式社名:International Business Machines Corporation

注  釈:IBMは世界170カ国以上でビジネスを展開しているグローバルITカンパニーです。 ビジネスコンサルティングから、ITシステム導入・運用管理、アウトソーシングにわたるあらゆる局面で、世界中で蓄積した業界の専門知識や実践的な洞察、最先端のテクノロジーを活用し、企業変革を実現する支援を行っています。

IBMサーバーは業界をリードする信頼性とセキュリティを備え、この世で最も要求の厳しいデータ集中型コンピューティング用に設計されています。

それにより、AI向けに最高のサーバーを提供し続けています。

・日本IBM

URL:https://www.ibm.com/jp-ja

正式社名:日本アイ・ビー・エム株式会社

注  釈:IBMの日本支社。IBMハードウェアの購入先です。

・DeepTek

URL:https://www.deeptek.ai/

正式社名:DeepTek Medical Imaging Private Limited

注  釈:DeepTekはインドに本社をおき、AI医療画像診断システム開発における高い成長性が見込まれている企業であり、株式会社NTTデータが二度に渡り出資、さらにインド財閥大手Tata Group傘下のTata Capitalも出資しています。

在籍する放射線科医師及びデータサイエンティストにより、医師の作業負荷を軽減し診断プロセスを効率化するためのシステム改善を日々続けています。インドでは300施設以上、シンガポールの国立病院、マレーシアなどアジア圏に導入され、2023年にはアメリカのFDAの認可を取得し、多角的な展開を行っています。

NVIDIANASDAQ:A2369

URL:https://www.nvidia.com/ja-jp/

正式社名:NVIDIA Corporation

注  釈:NVIDIAは、20年以上コンピューターグラフィックスの芸術と科学であるビジュアルコンピューティングの先駆者であり続けています。

ゲーミング、プロ用ビジュアリゼーション、データセンターおよび自動車市場に対して、専用のプラットフォームを提供しています。

AI とメタバースにおける NVIDIA の取り組みは、世界最大の産業を変革し、社会に大きな影響を与え、2023年現在、株式時価総額が100兆円を突破する程の企業です。

CiscoNASDAQ:A0130)

URL:https://www.cisco.com/site/jp/ja/

正式社名1:Cisco Systems, Inc.

注  釈1:Ciscoは、アメリカ合衆国に本社を置く世界最大のコンピュータネットワーク機器の開発・販売会社です。

レイヤ3・レイヤ2スイッチの製造が主であり、2000年3月には企業の株式時価総額が世界一となり、5000億ドルを突破するなど同分野での独占状態を確立していた世界最大級の企業です。

また、機器の販売のみならず総合的なセキュリティソリューションを提供する企業でもあることからセキュリティ面において世界で高く評価されています。

正式社名2:シスコシステムズ合同会社

注  釈2:日本法人名

NTTデータ(東証PRM9613)

URL:https://www.nttdata.com/jp/ja/

正式社名:株式会社NTTデータ

注  釈:官公庁や自治体、金融機関、様々な業種の企業へ向けた、情報システムの構築を行っている日本のシステムインテグレータ(SI)であり、情報サービス事業で業界最大手の企業です。

DELL(NYSE.A7274)

URL:https://www.dell.com/ja-jp

正式社名:Dell Technologies

注  釈:DELLは、アメリカの世界最大級テクノロジー企業で、世界180カ国でビジネスを展開しており、約16万人のメンバーが活躍しています。

主にPC、サーバー、ストレージネットワークスイッチ等の電子機器を販売し、2015年には世界第3位のPCベンダーとなるなど、2023年現在においても最先端で活躍し続ける企業です。

また、社会課題や企業のビジネス課題を解決するあらゆるソリューションを提供しています。

正式社名2:デル・テクノロジーズ株式会社

注  釈2:日本法人名

配信元企業:MBM株式会社

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