「カレールウを開けたら表面が白っぽい」。保管していた固形のカレールウを開けたら表面が白っぽくなっていたという経験をした人もいるでしょう。

カレールウは製造工程の加熱の段階で十分に殺菌され、水分の少ない状態で密閉されています。賞味期限内で未開封の状態での保管であれば、カビや細菌が発生することはほとんどありません。

では、なぜカレールウの表面は白くなるのでしょうか。その原因をハウス食品グループ株式会社が公式サイトで解説しています。

ブルーム現象が原因だった

カレールウが白く見えるのは、「ブルーム現象」が原因です。

カレールウに含まれる油脂は、直射日光に当たったり、室温よりも高温に置かれると溶けはじめ、その後冷やされて固まるときに、白く見えることがあります。同様に油脂分を含むチョコレートなどでも見られる「ブルーム」と言われる現象です。固形ルウの油脂が溶け始めるのは40℃以上です。

ハウス食品グループ株式会社 ーより引用

ブルーム現象が起こるものとして代表的なのはチョコレート。チョコレートの場合は、ブルーム現象が起こるとぼそぼそとした食感になり風味も落ちてしまいます。

しかし、カレールウの場合は未開封の状態であれば品質に特に問題ありません。外観上は違和感を感じるかもしれませんが、煮込んだ時に全体が均一に溶けるので製品本来の風味になります。

高温状態が長く続いたり、溶けたり固まったりを何度も繰り返した場合は、風味が劣化する場合があるので注意が必要です。

また、高温状態でターメリックパプリカなどの色素が溶けてカレールウの油脂に混ざり、表面に浮き出して固まった時に黄色や緑色のように見えることがあります。この場合も味や衛生面の心配はいりません。

ブルーム現象が気になるという人は、カレールウの保存方法に気を付けるといいでしょう。未開封のカレールウは、室温でも直射日光が当たる場所は避け、涼しい場所で保管してください。

一度開封したカレールウは密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。カレールウは賞味期限内なら、開封前なら常温で1年以上・開封後は約3か月持ちます。


[文・構成/grape編集部]

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