アメリカ軍が配備を急ぐ兵器。

将来的には1000kmまで射程を伸ばす?

アメリカ陸軍は2023年12月8日、発射実験を終えたばかりの最新ミサイルとなるPrSMの納入を開始したと発表しました。

同ミサイルは現在アメリカ陸軍が運用しているATACMS(エイタクムス)の後継兵器として開発されており、PrSMはPrecision Strike Missile(精密打撃ミサイル)の略称となっています。

2019年にアメリカがロシアとの間に結んだ、射程が500km~5500kmまでのミサイル開発を禁じた「中距離核戦力全廃条約」から離脱したことを発端にロッキード・ マーチンで開発されたミサイルで、最大射程は500kmを超えるとみられます。現在運用されているATACMSの射程は300kmといわれていますので、大幅に射程が伸びることになります。

地上だけではなく、海上の目標へも攻撃可能で、将来的には、最大射程は1000kmまで伸びることが予想されています。HIMARS(ハイマース)高機動ロケット砲システムでの発射も想定しており、アメリカのほかオーストラリアでも運用することが決定し、今後はイギリスも参加する予定で、共同でPrSMの開発及び調達を進めていくようです。

アメリカ陸軍では、ロシアや中国への警戒のため、同ミサイルを既存の戦術ミサイルと置き換えることを急務としており、日本の在日米軍でも将来的には配備される可能性が高いミサイルです。

2019年に行われたPrSM発射実験の様子(画像:アメリカ陸軍)。