文=酒井政人 写真提供=ナイキ ジャパン

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夜のTOKYOをランニング

 12月8日にランニングとそのコミュニティのための新拠点となる『NIKE GINZA』がオープンした。その前夜イベントに10月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で1~3位に入った鈴木優花(第一生命)、一山麻緒(資生堂)、細田あい(エディオン)が登場。一般参加者と夜のTOKYOをランニングした。

 築地・月島コースを走った鈴木は、「夜景が素敵で、東京らしさが味わえる楽しいコースでした」と感想を述べると、皇居・東京駅コースを駆け抜けた一山も、「イルミネーションがすごく綺麗で、走っていてワクワクしました」と笑顔を見せた。

 東京タワーコースを走った細田は、「ライトアップされた東京タワーに感動しました。銀座もMGCで通ったぐらいで初めて来ました。高層ビルもあって都会ですね」と大興奮だった。

 

3人が着用しているシューズは?

 3人はナイキのシューズを愛用して、マラソンで結果を残してきた。普段のトレーニングではどんなシューズを履いているのか。

 長い距離のジョグに重きを置いているという鈴木は、「東京ではアスファルトを走ることが多いので、足底を守るためにクッション性のあるシューズを履く機会が多いです」と話す。ポイント練習では厚底シューズを履くこともあるが、「足の感覚が鈍くなるといけないので、ソールが薄めの『ペガサス ターボ』を履くこともあります」と厚底に頼り切らない工夫をしているようだ。

 普段のジョグは「柔らかいシューズが好き」だという一山は、最近は『インフィニティ ラン』を主に使用。レースでは『ヴェイパーフライ 3』を履く機会が増えたため、ポイント練習でも同モデルを着用して、「足に慣らして、履きこなせるようにしています」という。

 ジョグは『ペガサス』を中心に履くことが多い細田だが、リカバリー目的のゆっくりジョグは『インヴィンシブル』を着用。走り込みや脚作りをしたいときは「ソールが薄めの『ペガサス ターボ』で不整地などを走るようにしています」と話す。そして、レースに近い動きをするときは、「試合でも使う『ヴェイパーフライ 3』で本番の感覚を養っています」という。

 近年はカーボンプレート搭載の厚底シューズが主流になって、ランナーたちは格段に速くなった。その一方で薄底時代にはなかった故障も増えている。3人はどんな〝厚底対策〟をしているのだろうか。

ナイキの厚底シューズは反発が違います。一歩一歩のストライドも変わるので、下半身だけで走ると、脚を痛めてしまうことが多いのかなと感じています。そこで体幹を中心に上半身のトレーニングを取り入れるようになりました。上半身の動きによって脚が勝手に回るようなフォームが徐々に身についている気がします」(鈴木)

「初めてナイキの厚底シューズを履いたときは、すごく弾むように足が前に出ていくのが印象的でした。履きこなすにはバランスが大事だなと思ったので、不整地でも片脚で立てるように、バランス感覚を養い、補強で体幹なども強化しています」(一山)

「厚底シューズは足底のダメージが少ないと感じましたし、前に進む感覚がすごくありました。自分の思っている以上に進むと、脚を痛めてしまうこともあるので、筋トレを多めに入れて、特に臀部で走りを支えられるようにしています」(細田)

パリ五輪に向けて

 10月のMGCで「2位以内」に入った鈴木と一山はパリ五輪の女子マラソン代表に内定した。来年8月の決戦に向けて、どんな目標を考えているのだろうか。

「大きな目標は8位入賞です。そのためには、起伏のあるタフなコースをどうやって制するのか。特に上り坂を強化できるように、トレーニング面だけでなく、メンタル面も大事にしていきたい。初めてのオリンピック出場なので、これまで感じたことのない雰囲気やパリの景色など、すべてを楽しむくらいの気持ちで走りたいと思います」(鈴木)

パリ五輪はタフなコースだと聞いています。私は坂が得意ではないので、坂とお友達になるぐらいたくさん走って、楽しみだなという気持ちでスタートラインに立ちたいなと思っています。そして東京五輪(8位)よりも良い結果を目指していきたいです」(一山)

 3人目のパリ五輪代表に最も近い位置にいる細田は、MGCファイナルチャレンジ(大阪国際 or 名古屋ウィメンズ)に出場予定。最後のチケットを奪いにいく。

「私は故障が多いので、この冬にしっかり走って、脚作りをするのがまずはポイントになってきます。気持ちが先行しないように、自分のカラダの声を聞いて、トレーニングを進めていきたいです」(細田)

 世界の舞台で戦う3人。マラソン練習では、どんなことにポイントを置いているのか。彼女たちの言葉は市民ランナーヒントにもなりそうだ。

マラソン練習ではカラダを正しく使うことを一番意識していますね。苦くなっても、染み付いた正しい動きができていれば進んでいくと思うし、鍛えたい筋肉も強化できるからです。また自分が一番でゴールテープを切るシーンを思い浮かべて、ワクワクする気持ちを掻き立てて練習に向かうようにしています」(鈴木)

マラソン練習の期間は長いので気持ちのコントロールを大切にしています。過去には練習で疲れきってしまい、元気がない状態が出場することが何回かありました。練習で追い込むことも大切ですが、スタートラインに一番元気な状態で立つという気持ちを持ってトレーニングしています」(一山)

「ジョグでしっかり距離を踏んで、脚を作ることを大事にしています。メンタル面では、練習で苦しんでおけば、試合で少しは楽ができるという気持ちで取り組んでいますね。私は『七転八起』という言葉が好きで、何度失敗しても、立ち上がって頑張ればいい。失敗を重ねながら成長していきたいなと思っています」(細田)

 

NIKE GINZAはワクワク感が止まらない

 12月8日にオープンしたNIKE GINZA大都会・東京の一等地(東京都中央区銀座3-2-15)にあり、3フロアに最新プロダクトが並んでいる。

「ランニングシューズだけじゃなく、ウエアも種類が豊富で、ワクワクする雰囲気を感じています。白のダウンジャケットが可愛いので気になっています」(鈴木)

「カラーごとに商品が並んでいて、カッコいいですし、銀座っぽいですね。ライフスタイル用シューズの『ボメロ』がおしゃれだと思いました」(一山)

タイツカラフルで、こんなに種類があるんだと驚きました。優花ちゃんと一緒で、白のダウンが可愛いので、購入したいなと思います」(細田)

 注目は最新プロダクトだけではない。NIKE GINZA定期的な「ランニング セッション」、最新シューズの「トライアルサービス」、自分にぴったりのアイテムを提案してもらえる「エキスパート セッション」、ランニング時に荷物を預けられる「クローク サービス」などを提供している。東京をカッコよく駆け抜けたい方はNIKE GINZAGO!だ。

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左から、鈴木優花(第一生命)、一山麻緒(資生堂)、細田あい(エディオン)