世界最大の化粧品会社ロレアルグループの日本における研究開発部門であるリサーチ&イノベーションセンター(所在地:神奈川県川崎市、所長:アミット・ジャヤズワル、以下R&Iジャパン)は、革新的な化粧品素材の開発に関する戦略的な連携を推進するため、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)と「NIMS-L’OREAL マテリアルイノベーションセンター」を2018年7月20日に設立しました。両者はこのほど、この「マテリアルイノベーションセンター」を通じた連携を2025年3月まで延長し、さらなるイノベーションに向けて取り組むことで合意し、本センターの共同センター長として新たに、ロレアル リサーチ&イノベーションのシンシア・ゴビリル(Cynthia GHOBRIL)が、副センター長として太田理一郎(おおた りいちろう)が就任いたしました。今後もNIMS側共同センター長である知京豊裕 (ちきょう とよひろ)氏と共に、マテリアルイノベーションに協働してまいります。

レアルグループはフランスを中心に米国、日本、中国、ブラジル、インド南アフリカに設置しているイノベーションハブ、またシンガポール、韓国、インドネシアなどのリサーチセンターによるオープンイノベーションを通して各地の専門知識や技術、トレンドを積極的に導入しています。スタートアップ、大学や研究機関、産業分野のリーダー企業と提携することで、協働エコシステムの構築に積極的に取り組み、これらのコラボレーションは、新規のアイデア、最先端技術、多様な視点の製品応用に寄与しています。
カーボンニュートラルな企業を目指すロレアルグループにとって持続可能性は重要な課題で、2020年に開始したサステナビリティプログラム「ロレアル フォー・ザ・フューチャー」では2030年までに製品に使用する原料の95%を再生可能資源、豊富に存在する鉱物、あるいは資源の循環サイクルから得られたものにすることをコミットしており、環境に優しい素材やリサイクル技術から得られる材料の開発は緊急課題です。

マテリアルイノベーションセンター」は、化粧品に応用可能な優れた特性を示す持続可能で環境に優しいイノベーティブな素材を開発することを目指しています。第1期(2018年-2021年)、第2期(2021年‐2023年)の活動を通して、研究領域もスマートポリマーから光学材料、紫外線防御素材、生分解性ポリマーへと広がり、それらの成果として学術論文2報が国際科学専門誌に掲載されました。今回のシンシア・ゴビリルの就任により、「マテリアルイノベーションセンター」とロレアル リサーチ&イノベーションの世界各地に広がるネットワークとのさらなる連携の強化、製品開発の促進を目指しています。

レアルは、公的研究機関、大学、材料メーカーなどから成る優れた素材・材料技術のエコシステムを日本の強みと捉えており、それらを活用した革新的素材開発を日本における重要な戦略として位置付けています。世界でもトップクラスの研究開発力を持つNIMSと共同で設立した「マテリアルイノベーションセンター」もその戦略の一環で、この連携を続ける中での研究成果を大いに期待しています。日本の重要なパートナーと共に私たちのパーパスである「世界をつき動かす美」を実現するイノベーションにまい進してまいります。

シンシア・ゴビリル(Cynthia GHOBRIL)のご紹介
フランス・ストラスブール大学で有機合成の博士号を取得。ポスドク研究としてストラスブール物質物理化学研究所にてMRI造影剤としての無機材料、ボストン大学にて外科用接着剤としての生体材料の開発を行う。2015年、ロレアル入社。多機能デンドリマー、バイオ由来の有用成分の応用開発にチームで取り組む。その後、カラー&オプティカルシステムズチームのリーダーとして、光防御と皮膚色コントロールのための持続可能で革新的な無機およびハイブリッド材料の開発に注力。2023年9月、ロレアルR&Iジャパンアドバンストリサーチ部門の無機材料・光学システムプラットフォームのチームリーダーに就任。

太田 理一郎(おおた りいちろう)のご紹介
名古屋大学で博士(工学)号を取得後、米国NASA エイムズ研究センターのカリフォルニア大学サンタクルーズ校附設研究センターにてポスドクとして研究に従事。大手自動車メーカー研究所勤務を経て、2019年よりロレアルR&Iジャパン先端研究部門にマテリアルサイエンスエキスパートとして着任。化粧品材料の開発や解析に関するNIMSとの共同研究に従事。専門分野は、炭素系材料などの無機材料の合成と解析、乾式法や湿式法による表面処理など。


レアルグループについて
レアルは110年以上にわたり美容・化粧品業界のリーダーとして、世界の消費者の美への希求とニーズに応えることに専念してきました。当社のパーパス「世界をつき動かす美の創造」は、社会に対しても、環境に対しても、サステナブル、インクルーシブ、倫理的かつ寛大な形で美を通じて貢献してゆくという私たちの美への姿勢を包括的に表現するものです。37の国際ブランドをはじめとする多様で幅広いブランドポートフォリオと、持続的発展と環境を守るための取り組みである「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」プログラムを通じ、美の無限の多様性を賛美し、世界のすべての人々に最高水準の品質、有効性、安全性、誠実さ、責任をお届けします。当社は、87,400名の従業員を擁し、地理的にもバランスの取れた拠点展開と、すべての流通網(eコマース、マスマーケット、百貨店、薬局、美容室、ブランドおよび旅行小売)における販路を有しています。2022年のグループ売上高は382億6千万ユーロにのぼります。世界11ヵ国に20の研究開発と研究開発拠点を置き、4,000名以上の科学者と5,500名以上の技術系の専門家を擁するロレアルは、美の未来を創造し、ビューティーテクノロジーを推進してゆくことを重要視しています。詳細については、サイトをご参照ください:https://www.loreal.com/en/mediaroom

日本ロレアルリサーチ&イノベーションセンターについて
日本における研究開発は 1983 年にスタートし、現在、日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター(所在地:川崎市、所長:アミット・ジャヤズワル)として、戦略的なイノベーション拠点としての役割を担っています。数ある外資系化粧品企業においても、もっとも歴史ある研究開発部門であり、いち早く日本の文化、歴史、社会を深く理解し、200 名以上の研究員が、ラグジュアリーブランドをはじめ、グループの各ブランドおよび様々なカテゴリーの製品開発を行っています。代表的なブランドはランコム、シュウ ウエムラ、キールズ、イヴ・サンローラン、ケラスターゼ、ロレアル プロフェッショナル、メイベリン ニューヨーク、TAKAMIなど。
https://www.loreal.com/ja-jp/japan/articles/science-and-technology/beauty-research-and-innovation

配信元企業:日本ロレアル株式会社

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ