2021年の本屋大賞を受賞した町田そのこの同名ベストセラー小説を、『八日目の蝉』(10)の成島出監督のメガホンのもと、杉咲花主演で映画化する『52ヘルツのクジラたち』(2024年3月1日公開)。先日“アンさん”役として志尊淳の出演が発表された本作から、このたびキャスト情報第3弾として宮沢氷魚や小野花梨らの出演が発表された。

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自分の人生を家族に搾取されてきた三島貴瑚(杉咲)は、ある傷を抱えて東京から海辺の街へと移り住む。そこで出会ったのは、母親から虐待を受け「ムシ」と呼ばれる、声を発することのできない少年。その出会いによって、貴瑚のなかで自分を救いだしてくれたアンさん(志尊)との日々が呼び起こされていく。

このたび出演が発表されたのは5名。貴瑚の職場の上司で初めての恋人となる新名主税役に、『エゴイスト』(23)でアジア・フィルム・アワード最優秀助演男優賞に輝いた宮沢。貴瑚の高校時代からの親友、牧岡美晴役にはテレビドラマ「初恋、ざらり」で注目を集めた小野。そして貴瑚が出会う、母親に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年役を、オーディションで抜擢され映画初出演となる桑名桃李が演じる。

さらに“アンさん”こと岡田安吾の母である岡田典子役には余貴美子、少年を助けようとする貴瑚たちを見守る村中サチエ役には倍賞美津子と、ベテラン2人が脇を固める。傷つきながらももう一度立ちあがろうとする主人公の貴瑚の物語を、彼らがどのように支え、彩っていくのか。期待しながら本作の公開を待ちたい。

■<コメント>

●宮沢氷魚(新名主税役)

「脚本を読んで、自分が当たり前だと思っていた価値観が揺らぐような感覚になりました。この作品は、悩みとか過去の苦しみを乗り越えていく人物を見事に表現している作品だと思うので、この映画を観てくださる方々が、自分自身と向き合うきっかけになるといいなと思っています」

●小野花梨(牧岡美晴役)

「憧れの、本当に長年憧れていた成島組に参加させていただきましたが、自分の未熟さもあって、喜びを噛み締めるというよりも、嵐のなかにいるような日々でした。懸命に過ごした日々がスクリーンにどのように映っているのか、成島監督がどんな風に作ってくださったのか、映画を観るのがとても楽しみでもあり、ちょっぴり恐怖でもあり、いまはそんな不思議な気持ちです」

●桑名桃李(母親に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年役)

「あっという間に撮影が終わって、ちょっと寂しいのと、無事に終えられてよかったという気持ちです。ありがとうございました」

文/久保田 和馬

杉咲花主演『52ヘルツのクジラたち』の追加キャストが発表!/[c]2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会