2022年、ロシア政府のウクライナ侵攻を受けて設立した一般社団法人戦災復興支援センター(略称:WDRAC/ワドラック)は2023年9月で第2期目を終えました。

2期目となる2022年から2023年にかけては、引き続きウクライナの避難民支援が主でしたが、侵攻が長期化し、時間が経つにつれ、寄付を募ることの難しさを実感した年でもありました。しかし、私たちは多くの困難に直面しながらも、着実にアンサングヒーローたちを通じて支援活動を展開し、戦災に苦しむ地域への具体的な援助、被災者の方々への心のケア、そして、持続可能な復興に向けた取り組みに力を注いで参りました。

そんなWDRACの第2期目の支援実績、およびアンサングヒーローの活動を振り返り、第3期目も一歩一歩着実に、長期的な視点で支援を続けていけるよう、この度、第2期のアニュアルレポート(年次活動報告書)を公開いたしました。
アニュアルレポート:https://wdrac.org/report/

  • 第2期の主なできごと

アンサングヒーローへの継続的な支援、2回のクラウドファンディングを実施

2期目は主に第1期目より支援を行ってきたアンサングヒーローへの支援の継続を行ってまいりました。長期化する支援活動により、アンサングヒーローたちもまた資金集めが難しくなっている現実がありました。そこでWDRACでは、通常の寄付の呼びかけに加え、2度のクラウドファンディングも実施しました。

積極的に支援をした結果、今期の支援金は総額12,425,000円となり、寄付金の収入を上回る支援となりましたが、超過分は前期からの繰越金を充てており、無理のない範囲での支援を継続してきました。



■WDRACヨーロッパの設立

アンサングヒーローの1人であるウクライナキーウ在住のオレッグ・チェルノさんは、ウクライナ侵攻直後より病院・障害児施設・老人保健施設・孤児院へ食料や医薬品などの物資を届ける支援活動を行ってきました。

私たちは設立当初より彼を支援してきましたが、最大の課題は、日本からウクライナの銀行に送金ができないことでした。模索と協議の末、オレッグさんは2023年7月にWDRACヨーロッパを設立、EUに法人登記をし、ブルガリアの銀行に口座を開くことでこれまでの個人の活動から団体としての活動にシフトしました。現在は国外に避難していたご家族もキーウに戻り、オレッグさんと支援活動を共にしています。

「支援する人を支援する」を理念に掲げる中、被災者でもあるオレッグさんが活動をさらに展開し、支援の輪が広がることは私たちにとっても大変嬉しい出来事でありました。今後もオレッグさんを継続的に支援しつつ、支援の輪をさらに広げていきたいと思います。

■代表理事の長尾がアンサングヒーローの活動に帯同

ウクライナ国内での支援活動を展開するアンサングヒーローのサイモンさんとトラヴィスさんの活動に、2023年6月、WDRACの代表理事である長尾が帯同しました。約1週間という期間でしたが、長尾は彼らと共にポーランドからウクライナ国内へ入り、物資を届ける活動をしました。

いつもオンラインで顔を合わせてきた彼らと実際に会い、共に過ごすことで、彼らの活動への理解も深まり、これまで以上に彼らのニーズも汲み取りやすくなったように思います。

これからも彼らとのコミュニケーションを大切にしつつ、継続的な支援を続けていきます。

  • WDRACについて

■代表理事 長尾彰

WDRACの代表理事は長尾彰です。組織開発ファシリテーターとして事業開発やサービス開発、社内外との横断プロジェクトを通じた組織づくりに取り組んでいます。株式会社ナガオ考務店代表取締役、一般社団法人プロジェクト結コンソーシアム理事長、学校法人茂来学園大日向小学校の理事を兼任。著書は『宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない。』『宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話』(学研プラス)。

2011年3月、東日本大震災後に石巻市で子どもたちの放課後の学びと遊びの場づくりを展開する「日常支援」と子どもたちや地域の方を元気づけるイベントの企画・開催を展開する「非日常支援」を行う『 プロジェクト結(ゆい)コンソーシアム』の理事長として10年間に渡り復興支援活動に取り組みました。。また2012年4月から2016年3月までは復興庁政策調査官・政策参与として政府の復興支援に貢献しました。

■一般社団法人戦災復興支援センター(略称:WDRAC)

2022年3月25日設立。「支援する人たちを支援する」が活動のテーマ。国際紛争による被害の復旧・復興や避難者を支援・サポートする個人や団体を直接支援することを目的にしている。公式HPhttps://wdrac.org/

配信元企業:一般社団法人戦災復興支援センター

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