ヨーロッパリーグ(EL)・グループE第6節(最終節)が14日に行われ、ユニオン・サン・ジロワーズ(ベルギー)とリヴァプールイングランド)が対戦した。

 既にグループEではここまで4勝1敗のリヴァプールが首位通過を確定させている。ラウンド16へストレートインできる1枠は埋まってしまったが、1勝2分2敗で3位のユニオン・サン・ジロワーズは2位でのラウンド32進出を目指す形に。最終節を白星で飾った上で、2位のトゥールーズ(フランス)がLASKリンツ(オーストリア)に敗れると、得失点差次第では2位に入ることが可能となる。

 ユニオン・サン・ジロワーズの町田浩樹は3バックの左でスターティングメンバー入り。リヴァプール遠藤航アンカーの位置で先発に名を連ねており、ELの舞台で“日本人対決”が実現した。リヴァプールは普段のプレミアリーグと比較して大幅なターンオーバーを実施しているが、イブライマ・コナテ、ハーヴェイエリオット、コーディ・ガクポらが若手とともに先発に並んだ。

 試合は拮抗した展開のまま時間が経過したものの、32分に均衡が破れる。ユニオン・サン・ジロワーズは自陣でボールを奪ったところからグスタフ・ニルソンがスルーパスを送ると、抜け出したモハメド・エル・アミン・アムラがGKと1対1のチャンス。飛び出してきたGKクィービーン・ケレハーをかわして無人のゴールに流し込み、ユニオン・サン・ジロワーズが先手を取った。
 
 前半のリヴァプールはなかなかチャンスを作れなったものの、40分に右コーナーキックを獲得。カーティス・ジョーンズが右足で外巻きのボールを蹴り込むと、ボックス内で収めたジャレル・クアンサーが右足で豪快な一撃を突き刺す。ワンチャンスを活かしたリヴァプールが試合を振り出しに戻した。

 だが、前半はこのままでは終わらない。ユニオン・サン・ジロワーズはこの日再三見せていた縦への素早い攻撃で、左サイドに流れたアムーラにボールが渡る。アムラも時間をかけずに中央へ繋ぐと、カメロン・プエルタスが右足シュートを叩き込んだ。ホームチームが勝ち越しに成功してハーフタイムに突入している。

 後半に入ってもユニオン・サン・ジロワーズが数多くのチャンスを作り出す。64分には右サイドでのスローインからうまくボールを繋ぐと、右サイドを破ったラザラ・アマニが中央へ持ち運び、横へ繋ぐ。待っていたプエルタスが右足ダイレクトでゴールネットを揺らしたが、OFR(オンフィールドレビュー)により判定が変更。その前のシーンでアマリのハンドが確認され、得点は認められなかった。

 その後も突破の可能性を繋ぐために大量得点が欲しいユニオン・サン・ジロワーズが攻撃に出る時間が続くが、GKケレハーの好セーブもあってなかなか3点目を決めるには至らない。70分には最終ラインでパスを受けた町田が左サイドのスペースへ浮き球のボールを送ると、アムラが右足でクロスボールを供給。ボックス内でニルソンがヘディングシュートを狙ったが、シュートはわずかに枠を捉えきれなかった。

 ユニオン・サン・ジロワーズは幾度となくゴールを脅かしながら、これ以上点差が広がることなく試合はタイムアップ。ユニオン・サン・ジロワーズがリヴァプールを2-1で下した。ユニオン・サン・ジロワーズの町田はフル出場、遠藤航ハーフタイムに交代となっている。他会場ではトゥールーズがLASKリンツを2-1で破ったため、ユニオン・サン・ジロワーズの突破は叶わなかった。最終順位は3位となったため、ヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)に回り、ECLのグループステージを2位で終えたチームとの決勝トーナメントプレーオフを戦うこととなる。

 EL、ECLともに決勝トーナメントプレーオフの組み合わせ抽選会は18日に開催される。

【スコア】
ユニオン・サン・ジロワーズ 2-1 リヴァプール

【得点者】
1-0 32分 モハメド・エル・アミン・アムラ(ユニオン・サン・ジロワーズ)
1-1 40分 ジャレル・クアンサー(リヴァプール
2-1 43分 カメロン・プエルタス(ユニオン・サン・ジロワーズ)

ユニオン・サン・ジロワーズがリヴァプール撃破 [写真]=Getty Images