小池栄子主演の水曜ドラマ「コタツがない家」(毎週水曜夜10:00-11:00、日本テレビ系Huluにて配信)の第9話「最終兵器チョーさん」が12月13日に放送された。本作は、小池演じる会社社長兼カリスマウエディングプランナーの深堀万里江が、夫・息子・父親というダメ男を養う“笑って泣けるネオ・ホームコメディー”。悠作(吉岡秀隆)が新しい漫画を描くためには離婚が必須。万里江は離婚を回避するために手を尽くし、悠作と一緒にいる意味を改めて考える。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】夫婦を心配そうに見守る、作間龍斗“順基”と小林薫“達夫”

■ダメ男たちのせいで万里江は家でも大黒柱にならざるを得ない状況に

主人公・万里江は、”彼女に頼めば離婚しない”と称される伝説のウエディングプランナー。多忙な中、取材を受けたりもしていて、業界での注目度も高く引っ張りだこ。仕事を生き甲斐にしているが、家族に負い目を感じてもいる。というのも、夫・悠作は廃業寸前の売れない漫画家(ペンネームはフカボリ遊策)で、いつも家の中でゲームをしたり、グダグダ過ごしているだけ。

廃業寸前の売れない漫画家の夫・深堀悠作を演じるのは吉岡秀隆。また、アイドルを夢見るもオーディションに脱落し進路に迷う息子・深堀順基役に、民放ゴールデン・プライム帯連続ドラマ初出演となる作間龍斗(HiHi Jets)が配役。そして、熟年離婚で一人になり万里江に引き取られる父親・山神達男を小林薫が演じる。

さらに、悠作と一緒に再び一発当てたいという野望を持つ編集者・土門幸平を北村一輝、万里江の部下であり良き相談相手だが自身の結婚には悩むウエディングプランナー・八塚志織をホラン千秋、万里江の母で達男と熟年離婚し楽しい独身を謳歌する貝田清美を高橋惠子が演じている。

また、万里江に憧れ結婚式を万里江に依頼すると決めていた新婦・酒井ひかる役に富田望生、万里江の会社「フェリシュラン」で働くウエディングプランナー・師島澄彦役にオクラホマ・河野真也、同じく「フェリシュラン」で働くアシスタント・首藤凛奈役に石川萌香が配役。

そして、順基と同じ私立高校に通うクラスメート・原木田れいら役に平澤宏々路、志織と同棲する徳丸康彦役に中川大輔、「フェリシュラン」の近くでキッチンカー「ブロンソン」を営み万里江の心の拠り所となる主婦・霞田和恵役に、ドラマ初出演の野々村友紀子が抜てきされている。

■漫画を描くために悠作は万里江に「離婚」を切り出した

悠作は「離婚して家を出ていくまでの実体験」を漫画にすることを決めた。すなわち、万里江と離婚をするという前提で新しい漫画を描くということ。

漫画を描こうという気持ちになったことは嬉しい万里江だが、「離婚」には納得がいかない。「なんで離婚しなきゃいけないのか私には理解できない。私のどこが不満なの?」と問いただすが、逆に「なんでそんなに離婚したくないの?」と聞き返されてしまう。

「収入もない、家事もない夫といる意味って何なの?」と、悠作は自虐的ともとれる発言でさらに万里江を問い詰める。

「俺との離婚に賛成する人はいても、反対する人は誰もいないと思うよ」と言われた万里江は、会社の人たちを含めた周囲に話をしてみるが、悠作の言った通り、誰も反対する人はいなかった。

ただ一人、悠作の担当編集者・土門をのぞいて。

■いろんな策を講じる万里江だが、悠作はなかなか手強い

土門は「離婚するまでのことを漫画にすれば」と提案した張本人だが、万里江に対して申し訳ない気持ちがあり、離婚をあきらめるための秘策を伝授。それは、漫画のネタにしたくなることが無くなれば、悠作は描くのがつまらなくなり、投げ出してしまうのではないか、というものだった。

万里江は、父・達男、息子・順基と協力し、無視したり、悠作が話しかけてきた言葉で”しりとり”をしたり、いろんな策を講じるが、それらを悠作は嬉々として漫画のためのネタ帳に書き綴っていく。

助っ人になってくれそうな熊沢(西堀亮)や弟・謙作(豊本明長)も新キャラとして漫画に取り込んでいき、万策が尽きた万里江は、悠作が用意した離婚届に判を押す決意をした。

■万里江「今の私があるのは全部悠作のおかげ」

悠作との丁々発止は見応えがあったが、実はここからが本番だった。志織(ホラン千秋)に「旦那さんはどういう存在なんですか?」と聞かれてうまく答えられなかった万里江。ピアを円グラフに見立てて、「好き」「大切」「同志」「心配」というふうに自分が思うそれぞれのパーセンテージに合わせて切っていくと、4分の1が残った。

この4分の1が何か。それに気づいた万里江は離婚届をビリビリに破き、悠作と真っ向勝負するために帰宅した。

志織と話していた時に「出世魚」の話が出てきた。それがヒントになり、答えを導き出してくれたようだ。ブリの一歩手前の「ワラサ」。「私が来年も再来年もあなたとここで一緒に暮らしたいと思う気持ち、略してワラサ」と悠作に伝える。

結婚した時の「好き」がモジャコだとすると、ワカシ、イナダと成長して、今はワラサだという理論。

「今の私があるのは全部悠作のおかげ」と言って、「あなたがダメで、クズで、だらしなくいてくれたことが私を輝かせてくれたの!」と力説した。

けなされてるのか、褒められてるのか理解できない悠作。自分は「何もしてない」と主張するが、順基が「何もしないって逆に難しいよ」と援護射撃。万里江は「そうなのよ!」と同意し、「それがあなたと離婚したくない理由なの」と言い切った

■30年後もこうやってあなたと言い争っていたいの

離婚しないということは、漫画を描くなということ。そう思った悠作に、万里江は「だったら30年後に離婚したっていいじゃない」と提案。今すぐに離婚はしないけど、30年後にもしかしたら離婚するかもしれない。それまでずっと描き続ければいい。

「30年後もこうやってあなたと言い争っていたいの。ぶつかり合いたいの。それが幸せなことだってやっと気づいたのよ」と。それが万里江が見出した決着点だった。”今は”離婚しない。だけど30年後に離婚するかもしれないからそれまでずっと実生活をネタにして描き続けてほしい。

目から鱗の決着点に、悠作も根負け。さらに、自分を慕ってすり寄ってくる猫のチョーさんとも離れたくないというのも決定打となって、今すぐには離婚しないことを決めた。

まるで最終回かのような結末を迎えたわけだが、ダメ男3人、まだまだダメなところが出てくるようで、次回の最終回も大荒れの予感。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

ついに小池栄子“万里江”と吉岡秀隆“悠作”真正面から対決/(C)日テレ