大谷はドジャース移籍で一大センセーションを巻き起こしている。(C)Getty Images

 世界中で“大谷フィーバー”が巻き起こった。

 去る12月11日に今オフにエンゼルスからフリーエージェントとなっていた大谷翔平は、ドジャース移籍を正式に決めた。10年総額7億ドル(約1015億円)というプロスポーツ史上最高額となるメガディール成立の一報は瞬く間に世界中に拡散。「ショウヘイ・オオタニ」の名はあらゆる国のSNS上でトレンド入りした。

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 球史に残る偉才の影響力を物語る移籍だ。その存在感は、“野球の母国”でも天井知らずで高まっている。米老舗紙『New York Times』のケン・ベルソン記者は、「オオタニの契約は金銭や感覚を超える」と銘打った記事内で「ヒデオ・ノモからイチロースズキ、そしてヒデキ・マツイとった日本人選手たちの契約は利益をもたらすものであった。しかし、オオタニの記録的な大金はそれらとは完全に違うものだ」と強調した。

 歴戦の日本人選手たちのなかでも出色の価値を示し続ける大谷。そんな燦然と輝く偉才が締結した7億ドルの契約についてベルソン記者は、「彼(大谷)が単に優れているというだけでなく、国際的に見ても球界最高で、そして最も人気があることの証拠である」と指摘。現代で唯一無二とされる二刀流を続ける稀有な存在が、何かと誹謗中傷の対象となってきた日本人選手たちの価値を再認識させるものだと論じている。

ヒデオ・ノモは1995年ドジャースに入団し、その年の新人王に選出された。しかし、ひねくれ者たちは、彼が成功したのは型破りなストップモーションの投げ方をしていたからだと主張した。イチロースズキが2004年に262安打でメジャー記録を作った時も、評論家たちは、彼が主にゴロやライナーを打つから達成できたと批判した。ヒデキ・マツイは日本ではトップスラッガーだったが、ヤンキースでは普通のパワーヒッターだったと言われた。しかし、オオタニは独自の方法でもって、アメリカ人たちをぎゃふんと言わせている」

 世界中の度肝を抜き、声価を高め続けている大谷。そのパフォーマンスには、目の肥えたアメリカ人たちも舌を巻くほかにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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