世界中で話題となっている大谷(左)のドジャース入り。この天才を大きく惹きつけたのは、NBAの英雄ブライアント(右)による勧誘だったのかもしれない。(C)Getty Images

 ドジャース大谷翔平にエモーショナルなアプローチもかけていたようだ。

 米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者は、大谷を獲得したドジャースは、本人との交渉面談において、2020年1月にヘリコプター墜落事故で亡くなった元NBAスターであるコービー・ブライアント氏からのビデオメッセージを見せたと伝えた。

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 現地時間12月14日に本拠地ドジャー・スタジアムで行われた入団会見において、「ここでプレーしたいなという気持ちに素直に従った結果かなという感じはします」と語った大谷。無論、簡単な決断でなかったのは想像に難くない。エンゼルスから正式にフリーエージェントとなった偉才には複数球団が獲得を打診。水面下での争奪戦は熾烈を極めた。

 そんな二刀流スターの心を揺らがせたのは、ともすると同じロサンゼルスを拠点に活躍したメガスターの言葉だったのかもしれない。パッサン記者は、動画は大谷が日本ハムからのメジャー移籍を目指した2017年オフに、当時も獲得を目指していたドジャースが、NBAの名門レイカーズに属していたブライアント氏に頼んで制作したものだと伝えた。

 ロサンゼルスプレーする魅力などを語り、ドジャース入団をすすめる内容だったという動画内ではブライアント氏が「世界中で、勝つために、ロサンゼルスに勝る場所はなく、勝つために、ドジャースに勝るチームはない」とメッセージ。これに大谷も水原一平通訳を介し、「面談のハイライトのひとつでした。映像をみて驚きました。とても、力強くて心に残るメッセージでした」と振り返ったという。

 この秘蔵エピソードが拡散されると、地元記者たちも感嘆。ドジャースの専門サイト『Dodgers Nation』のノア・カムラス記者は、「ブライアントがドジャースのためにこんなことをしたのは驚きだ」と指摘し、今は亡きレジェンドへの感謝を述べている。

「ショウヘイ・オオタニがこのビデオに対して、『面談のハイライトのひとつ』と呼んだことは特に注目に値する。コービーはLAのスーパースターであり、これからもLAという街が常に最高のタレントで満たされるようにしてくれた」

 ブライアント氏もロサンゼルス、そして時代を背負ってきた。そんなトップアスリートからの熱いメッセージは「勝利」を求めた大谷と共鳴したようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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