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日産、シトロエン、ラーダまで?

ロータリーエンジンと言えば、マツダを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。確かにマツダは、1967年コスモスポーツ以来、数多くのロータリー車を発売・生産してきた。最近でもMX-30に発電用ユニットとして搭載するなど、マツダほど熱心なメーカーは他にない。

【画像】ロータリーエンジンと言えばマツダ! 伝統の承継【マツダMX-30 eスカイアクティブR-EVをじっくり鑑賞】 全41枚

しかし、これまで数多くのメーカーがロータリーに挑戦してきた歴史も忘れてはいけない。初の市販化に成功した、今はなきNSU(現在はアウディの一部)などが有名な例だろう。

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「意外」なメーカーのロータリーエンジン車を紹介する。

今回は、あまり知られていないロータリーエンジン搭載車を5台紹介する。計画段階で終わったものだけでなく、一般に販売されたものも取り上げる。

ロータリーエンジンの歴史と名車・珍車については後日公開予定の別の記事でもう少し詳しく紹介するので、そちらもお読みいただけると幸いだ。

日産サニー

日産は1960年代から1970年代初頭にかけてロータリーエンジンに本気で取り組み、1972年の東京モーターショーではツインローターのサニー(輸出名:ダットサン1200)のプロトタイプを展示するまでに至った。

しかし、翌年のモーターショーにはロータリー車の展示はなく、サニーロータリーの市販車も発表されなかった。日産は1974年、これ以上ロータリーエンジンの開発に取り組まない方針を示した。

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日産サニー

フォード・マスタング

1965年、米国のカーチス・ライト社(航空事業で有名)は発売されたばかりの初代マスタングを購入し、4.7L V8エンジンを取り外して、独自のツインローターユニット「RC2-60」に載せ換えた。

カーチス・ライト社は、米国の自動車メーカー向けのロータリーエンジン・サプライヤーになれると期待していた。マスタングは多くの関心を集めたが、メーカーが振り向くことはなかった。同社の夢とは裏腹に、現在インディアナ州オーバーンにある国立自動車&トラック博物館(National Auto & Truck Museum in Auburn)に展示されているこのクルマは、これまでに製造された唯一のロータリーエンジン搭載マスタングであると考えられている。

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フォード・マスタング

シトロエンM35

アミから派生したM35は、ユーリエ(Heuliez)製のドラマチックなファストバックボディに、シトロエンとNSUの合弁会社コモトール製のシングルローターエンジンを搭載した。一般に販売されることはなかったが、1969年から1971年にかけてテストとして数百台がシトロエンの既存顧客に配られた。

ボディにはステッカーが貼られるなどしてテスト中であることがアピールされた。テスト終了後、M35はシトロエンに返却されたが、一部は野に放たれ、個人の手に渡っている。

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シトロエンM35

さらに、シトロエン1973年、GSに新しいコモトール製エンジン(こちらはツインローター)を搭載したビロトールというモデルを投入している。

アルファ・ロメオ・スパイダー&1750

アルファ・ロメオは独自のロータリー計画を立ち上げ、ロータリーエンジンスパイダー1750に実験的に搭載するまでに至った。

他社がロータリーに情熱を注ぐ中、1973年アルファ・ロメオは信頼性の低さと燃費の高さを理由に手を引いた。現在はアレーゼのアルファ・ロメオ博物館にエンジンのみが保管されており、ロータリー開発プロジェクトが実在したという唯一の物的証拠となっている。

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アルファ・ロメオスパイダー

ラーダ・クラシック

ラーダ・クラシックとは、1980年代のスヌーカー(ビリヤードの一種)大会のタイトルであると同時に、アフトワズがロシアで製造したフィアット124由来の乗用車シリーズの総称でもある。

数百万台が生産されたうち、ほぼすべてが1.2~1.5Lの4気筒ガソリンエンジンを搭載している。ごく少数の例外として、シングルローター(1978年~)またはツインローター(1983年~)が搭載されたが、そのほとんどは一般消費者ではなく当局に販売された。信頼性には問題があったと言われている。

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ラーダ・クラシック

また、ラーダは別のモデルにもロータリーエンジンを導入したが、こちらについては別の記事で取り上げたい。


意外なメーカーによるロータリーエンジン車 5選 マツダだけじゃなかった…