レゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は、2023年10月に20代~50代の既婚者男女4,000人にセックスレスに関する実態調査を行いました。日本で最大規模かつ最新のセックスレスに関する調査です(2023年11月時点)。今回はその第2報を紹介します!

セックスレスはもはや日本の社会問題です。セックスレス夫婦の割合は年々増加しており、多くの調査では5~6割に達するとの結果が出ています。

レゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は2023年10月、過去に様々な機関が行ったセックスレス調査を大きく上回る、既婚者男女4,000人を対象とした夫婦のセックスレス調査を行いました(調査名「夫婦のセックスレスに関する実態調査」)。現時点において、日本最大かつ最新の調査になります。

前回の第1報では、20代~50代既婚者の68.2%が配偶者とセックスレス傾向にあり、このうち43.9%が完全なセックスレス状態にあると報告しました。

今回の第2報では、結婚年数とセックスレスの関係、子どもの有無や女性が働いていることがセックスレスに影響するかなどを分析した結果を紹介します。

今回の分析で、驚くべきことに新婚夫婦の5割以上がすでにセックスレス傾向にあることが判明しました。しかも新婚レスの6割は20代で、日本の夫婦間セックスレスの現状の深刻さがうかがえます。新婚者のセックスレスについては、実態を探るべく様々な角度から分析を行いました。

このほか番外編として、主要な都道府県別の状況、都市圏とそれ以外の状況なども分析しています。

どうぞ最後までご覧ください。

<調査概要>

・調査タイトル:夫婦のセックスレスに関する実態調査 第1報

・調査期間:2023年10月23日~25日

・調査対象者:20~59歳の既婚男女4,000人(男性2,000人、女性2,000人)

・調査方法:インターネット(セルフ型アンケートツールFreeasyを利用)

・エリア:全国

・調査機関:レゾンデートル株式会社

・本報告の発表日:2023年12月18日

<調査対象者について>

下表の通り男女、各年代とも均等なサンプルになっています。

回答者は全都道府県に分布しており地域的な偏りはありません。回答者数に占める割合も、例えば北海道4.2%(日本の人口に占める道民の割合は3.9%)など人口構成割合と似た傾向を示しています。

1 結婚して何年からセックスレスになるの?

日本では恋愛結婚が約9割になります(※1)。つまり、お互い好き合って結婚した人が多いのですが、第1報https://healmate.jp/survey/sexless_actual)で紹介した通り、約7割の夫婦がセックスレス傾向、約4割が完全なセックスレス状態です。他の調査結果でも、概ね5~6割の夫婦がセックスレスとの結果が出ています。

※1:内閣府:男女共同参画白書 令和4年

https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r04/zentai/html/zuhyo/zuhyo00-36.html

果たして、結婚後、何年目くらいからセックスレスになるのでしょうか。尋ねたところ、次の結果となりました。

なんと、結婚3年未満の新婚のうちから、すでに51.8%の人がセックスレス傾向にあるのです。このうち、21.9%は完全なセックスレスと回答しています。驚くべき結果です。

なお、第1報と同様、本調査では本人の認識を重視し、「ややセックスレス」「セックスレス」と回答した人をセックスレス傾向、「セックスレス」と回答した人を完全なセックスレス状態と分類しました。

よく使用される日本性科学会の定義(1994年)では「(挿入と伴わない性的コンタクトも含む)性的接触が1か月以上ないカップル」をセックスレスとしていますが、1か月は期間が短すぎて実情に合っていないと考えるためです。

結婚3年未満ですでに5割以上に達するセックスレス傾向は、結婚年数が増えるに従い上昇していきます。特に完全なセックスレス状態の人が3年未満:21.9%5年未満:31.5%10年未満:43.2%20年未満:50.3%30年未満:60.9%と、おおむね10%ずつ上昇していくのは興味深いところです。

調査前は、例えば5年未満→10年未満で急に上昇するなど、ある一定の結婚年数で急激に変化すると予想していましたが、実際は徐々に増えていくかたちでした。

もう一つ興味深いのは、結婚30年以上のセックスレス割合の低さです。実に37.9%の人が「セックスレスではない」と回答しています。推測に過ぎませんが、女性の社会進出が本格化する前の世代にあたるため、「夜の生活は妻の義務」と考える女性が多いこと、「セックスレスを恥じる」風潮が男性にあることなど、結婚観や夫婦間の性に対する意識が後の世代と異なるのかもしれません。

■男女別の割合の違い

続いて、男女の割合の違いをみてみましょう。

大きな男女差はありませんが、結婚3年未満・5年未満では、女性の方が男性よりもやや高い割合でセックスレスと回答しているのに対し、結婚10年未満・20年未満・30年未満では男性の方が女性よりもやや高い割合でセックスレスと回答しています。

結婚10年未満~30年未満の男女差については、第1報でも説明したように女性の方が性的満足を求める程度が低い傾向にあるため、男性の方が「配偶者との性的接触が足りない」と感じる割合が高く、それが「セックスレス」の認識の男女差に反映していると推測できます。結婚3年未満・5年未満の男女差については、女性はセックスを愛情表現ととらえる傾向があるため、愛情不足を感じていることの反映かもしれません。

2 セックスレスの原因は何?──回答者の属性から

結婚年数とセックスレスの関係がおおよそつかめたところで、結婚年数ごとにセックスレスの要因を探ってみましょう。セックスレスの当事者へのアンケートは別に行うため、ここでは子どもの有無、女性が勤めているか/勤めていないかなどの外的な要因を探っていきます。

■子どもの有無とセックスレスの関係──結婚年齢別

赤ちゃんや幼児がいる場合、育児負担による疲労などからセックスレスに陥りやすいのではないか、あるいは夫婦関係に変化が生じてセックスレスになりがちでは──と考え、結婚3年未満、5年未満、10年未満に絞って、子どもの有無による違いを調べたところ、次の結果となりました。

結婚3年未満の人では、回答者全体に対して「子どもあり」の人の方がセックスレス傾向の割合が高く、「乳幼児がいるとセックスレスになりやすくなる」と言えそうな結果が出ました。

ただし、結婚5年未満、10年未満の人では子どもの有無でほとんど差がなく、子どもが幼いうちに一時的にレスに陥ってもその後にはあまり影響しないと言えそうで、原因は別にありそうです。

■女性が働くこととセックスレスの関係──結婚年齢別

家事や育児は重労働なので、社員やパートなどのかたちの労働=「働く」ではありませんが、一般的な通りがよいため「働くこと」という言葉を使います。ここでいう「働く」には正社員・自営業・派遣社員・パート・アルバイトを含み、労働時間は問いません。そのため、全くの専業主婦とそれ以外との比較と言えます。

女性が「働くこと」がセックスレスに影響するのでしょうか。フルタイムで働くママも多い昨今、セックスレスの要因にはなりそうですが──。結婚3年未満、5年未満、10年未満でアンケート回答者全体と、セックスレス傾向と回答した人に違いがないかを比較しました。

結果は「ほぼ違いがない」でした。つまり、女性が働いていようが専業主婦だろうがセックスレスになるかならないかには影響しないという結果です。3年未満、10年未満では、セックスレス傾向の人の方がほんの少しですが専業主婦の割合が高くなっていました。少々意外な結果になりましたが、いかがでしょうか。

上記の結果から、子どもや仕事の有無といった外的要因からセックスレスの原因を探るのは困難なようです。今後の調査ではセックスレス当事者に直接、「セックスレスの原因」を尋ねていますので、そちらの結果をお待ちください。

3 新婚の半分はなぜセックスレスか?──回答者の属性から

本調査では結婚3年未満を「新婚」としています。新婚の人の5割以上がセックスレス傾向で、そのうち2割以上は完全なセックスレス状態というのは衝撃的な数字です。男女別に分けてみると、次のグラフの通りです(再掲)。この項目では、新婚の人のセックスレスについて少々深掘りしたいと考えます。

なお、上記の男女差は「男性の方が性的欲求不満を感じやすいため」と説明できるでしょう。

さて、「新婚」にあたる結婚3年未満の年齢構成をみてみましょう。高年齢が多ければセックスレスの割合が高くても少しは納得できますが、果たしてどうでしょうか。

驚くべきことに、完全なセックスレス状態にある結婚3年未満の人の約6割、セックスレス傾向では6割以上が20代という結果になりました。整理するなら結婚3年未満の新婚の人の半数以上がセックスレス傾向でそのうち約6割が20代ということになります。日本における夫婦間のセックスレスの深刻さを表す数字でしょう。

20代の草食化に加え、男性の性的欲求不満を解消する手段が多くあること、「セフレ」に象徴されるような性のコンビニ化なども関係あるかもしれません。今後の調査課題です。

こちらについても女性の属性別に比較してみましたが、セックスレスの外的要因を探ることは困難な結果となりました。勤めていない新婚女性(専業主婦)の方が勤めている新婚女性よりもセックスレスの割合が高く、勤めていなく子どものいない新婚女性(専業主婦)でもかなりの割合がセックスレスであることが分かります。この結果を解釈するなら、どんな状況であろうが半数近くの人はセックスレスになるということでしょうか。

番外編 セックスレスの人が多い都道府県は?都市部と地方どちらが高い?

最後に箸休め的なデータになりますが、主要な都道府県のセックスレス状況を比較してみました。

まずは主要な都道府県別にセックスレスの状況を比べてみたところ、完全なセックスレス状態+ややセックスレス状態の合計で、1.東京都:73.1%、2.福岡県:72.5%、3.愛知県:72.1%の順に高いことが分かりました。

完全なレスの割合を比べてみると、トップ3は1.愛知県:49.1%、2.東京都:48.6%、3.福岡県:46.4%の順になります。

都道府県ごとに年齢構成が違うため、参考程度の数字にしかなりませんが、大都市部でセックスレスの割合が高いとは言えそうです。

このうち特に注目されるのは、福岡県がベスト3に入っている点でしょう。福岡県は以前に弊社が行った「婚外恋愛に関する実態調査」において、婚外恋愛の経験者の割合が最も高い県だったためです(福岡県:45.2%、全国平均:22.5%)。セックスレスの割合と婚外恋愛経験の割合に相関があるかもしれません。

兵庫県でセックスレスの割合がかなり低いですが、原因はよく分かりません。

都市圏とそれ以外の地域の比較では、大都市圏:70.1%、大都市圏以外:65.6%という結果になりました。こちらも「都市部のほうがセックスレスの割合が高い」という証拠の一つになるでしょう。

5 まとめ

今回はセックスレス調査の第2回目の報告を行いました。前回に引き続き、4,000人の既婚者男女にアンケートを行った結果です。これだけの大規模のアンケートは前例がありませんから、現在の日本の夫婦におけるセックスレスの実態をかなり正確に反映しているでしょう。結婚3年未満の新婚者でセックスレスの割合が5割を超えるなど、非常に深刻な実態が浮き彫りになりました。

今後の調査では、セックスレスの既婚者と、セックスレスではない既婚者に分けて、それぞれの性生活や夫婦関係について詳しく調査していきます。解決の糸口についても探っていく予定です。今後の報告にも注目していただければ幸いに存じます。

⇒「夫婦間のセックスレスに関する実態調査」第1回の報告はこちら。

https://healmate.jp/survey/sexless_actual

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◎調査の目的

私どもレゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は、「結婚後の新たな生き方」を提案する既婚者向けメディアやネットサービスの展開を行うシステム開発です。現代の夫婦関係のあり方や多様性を把握し、今後のサービス開発に向けた市場動向を探るため、今回の調査を企画しました。

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◎調査内容・本リリースに関するお問い合わせ

今回の調査内容やデータの詳細に関するお問い合わせ、報道関係の皆様の取材依頼やお問い合わせは下記までお願い申し上げます。

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レゾンデートル株式会社

〒160-0022 東京都新宿区新宿4-3-15 レイフラット新宿B棟3F

問い合わせアドレス : info@healmate.jp

担当:浦野

配信元企業:レゾンデートル株式会社

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