日本人選手初のメジャーでの本塁打王となった大谷は、打者として最高の栄誉に輝いた。(C)Getty Images

 疾風のように駆け抜けた1年は、“史上初”の快挙で締めくくった。

 現地時間12月16日MLBは両リーグで傑出した打者を選ぶ「ハンク・アーロン賞」の受賞者を発表。アメリカン・リーグではエンゼルスで44本塁打をマークし、本塁打王に輝いた大谷翔平が選出された。

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 今年3月のワールド・ベースボール・クラシックから凄まじい勢いで駆け抜けた偉才は、日本人選手だけでなく、アジア人選手としても史上初の快挙をやってのけた。

 このハンク・アーロン賞は、メジャー公式サイトの記者らが各リーグの最終候補9人を選出。10月13日までファン投票が行われ、米国野球殿堂入りの元選手の投票も加味し、最終決定される。今年のア・リーグでは、リーグ2位の39本塁打を放ったアドリス・ガルシアレンジャーズ)、昨年受賞したアーロン・ジャッジヤンキース)らが候補入りしていたが、投手として10勝を挙げながら44本塁打を放った大谷が手にした。

 振り返ってみれば、今年の「打者・大谷」はまさに圧巻の一語だ。右脇腹を痛めて9月の約1か月を欠場したものの、44本塁打に加え、リーグ4位の打率.304、95打点、20盗塁をマーク。OPS1.066は両リーグトップだった。

 シーズン成績においてエンゼルスで“13冠”と圧倒的な結果を残した偉才は、本塁打王のタイトルも獲得して迎えたオフにはメジャー史上初となる2度目の満票でア・リーグMVPを受賞。打撃のベストナインに相当するシルバー・スラッガー賞(DH部門)を2年ぶりに獲得すれば、年間で最も活躍した指名打者に贈られる「エドガー・マルティネス賞」にも3年連続で選出された。

 さらにエンゼルス最優秀選手を当然のように手にすれば、米老舗専門誌『Baseball America』の年間最優秀選手にも選出。そして選手間投票で選ばれるア・リーグ最優秀野手に選ばれ、プロ野球の発展に大きく貢献した野球人に贈られる正力松太郎賞の特別賞も獲得。そしてハンク・アーロン賞とともに発表された「オールMLBチーム」では、先発投手指名打者部門で共にファーストチーム入り。今年のタイトルラッシュは11冠で締めくくった。

 現地時間12月11日には、ドジャースとプロスポーツ史上最高額と言われる10年総額7億ドル(約1015億円)の超大型契約を締結し、世界的な関心を集めた。娯楽の尽きない今オフは、様々な金字塔を打ち立て続ける大谷の異能さを物語っていると言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

アジア人史上初のハンク・アーロン賞受賞で11冠! 話題の尽きない今オフに見る大谷翔平の「異能さ」