鋭いパンチを幾度もお見舞いしたアフマダリエフ。約8か月ぶりの試合で、彼は復活を印象付けた。(C)Getty Images

 再びの戴冠へ。ウズベキスタンの元世界王者が燃えている。

 現地時間12月16日、米国・アリゾナ州で行われたボクシングのスーパーバンタム級12回戦で、前WBA&IBF世界同級王者ムロジョン・アフマダリエフウズベキスタン)は、ケビンゴンサレスメキシコ)と対戦。渾身の左アッパーを炸裂させ、8回TKO勝ちを収めた。

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 今年1月にスーパーバンタム級に転級した井上尚弥が掲げる標的の一人であったアフマダリエフだが、今年4月にマーロン・タパレスフィリピン)に判定負け。2020年1月から君臨してきたWBA&IBFの王座から陥落した。

 タイトル戦線から後退した29歳だったが、約8か月ぶりの再起戦で圧倒した。序盤から鋭いジャブを繰り出し、ゴンサレスを攻め立てたアフマダリエフは、6回に強烈な左ストレートが炸裂。相手がよろめいたところに、すかさず左アッパー2連発。これでダウンを奪い、相手に膝をつかせた。

 再開直後に猛ラッシュをかけ、2度目のダウンをもぎ取ったアフマダリエフはもう止まらない。8回に左アッパーで3つ目のダウンを取ると、再開後にグロッキー状態のゴンサレスへ左右の連打を打ち込むと、レフェリーが試合を止めた。

 戦前の会見で「俺は自分のモノを取り戻しに来た。そのために自分のベストを引き出す」と力強く語っていた元統一王者だけに、存在感を示す圧勝劇は流石というほかにない。試合後にスポーツ・チャンネル『DAZN』のフラッシュインタビューを受けたアフマダリエフは、井上vsタパレス戦の勝者と戦うチャンスについて問われ、「マジで言ってる? あれは俺のベルトだ」と断言。そして、タイトルマッチへの意欲を語った。

「あいつらに俺のベルトを巡って戦う価値があるかって? そんなのあいつらに聞いてみろ。とにかくあれは俺のベルトだ。俺こそがチャンピオンだ」

 来る12月26日に東京・有明アリーナで行われるタパレスによる同級4団体統一戦。井上がこの大一番を制せば、アフマダリエフを含めたスーパーバンタム級の猛者たちのターゲットとなるのは必至だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

猛烈ラッシュで鮮烈TKO! 復活した元王者アフマダリエフが井上尚弥に挑戦状「マジで言ってる? あれは俺のベルトだ」