ソトはかつて2年連続本塁打王に輝くなど長打力が持ち味(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 パ・リーグでは近年はオリックスリーグ3連覇と独走。投打のバランスに優れ、「ナカジマジック」とも呼ばれる中嶋聡監督の起用も冴え、常勝軍団の道を着々と歩む球団をストップするのはどの球団となるのか。

 そんな中、今オフのロッテの補強が注目されている。

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 今季は吉井理人監督の就任1年目シーズンとなった。同監督は今春に行われたWBCにも侍ジャパンの投手コーチとして参加。開幕直前までチームを離れていたとあって、チームのまとまりなど不安の声もあったが、フタを開けてみれば粘り強く勝ち星を積み上げ、リーグ2位に躍進した。

 シーズンにおいては複数回のブルペンデーも敢行、日替わり打線も話題を呼んだ。藤原恭大安田尚憲山口航輝など本格覚醒が待たれている若手野手も多いチームとあって、吉井監督の背中を押す采配、コメントも注目された。

 一方、シーズンで目立ったのは巨人から移籍したグレゴリー・ポランコだった。昨年巨人でも24本塁打をマークした助っ人は今季、26本塁打をマーク。近藤健介ソフトバンク)、浅村栄斗(楽天)と並び、自身初の本塁打王のタイトルを獲得した。

 現在ポランコは自由契約となり、チームとは残留交渉が続いていると見られているが、仮に来季もロッテプレーすることが決まれば、強力打線が期待できそうだ。

 ロッテ12月14日、前DeNAネフタリ・ソト内野手を獲得したと発表した。プエルトリコ出身のソトは在籍したDeNAで18年は本塁打王、19年も本塁打打点王に輝くなど、NPBプレーした今季までの6年間で通算161本塁打をマークと長打力が持ち味。右の大砲が補強ポイントとなっていたチームにうってつけの補強とあって、ソト加入の一報にはロッテファンからもSNSを中心に歓喜の声が上がった。

 守備の面でもソト加入は大きい。ソトを一塁固定できれば、後半戦で外野手ながら主に一塁を守った山口航輝の外野固定が可能となり打線に厚みも増す。

 また10月16日に本拠地ZOZOマリンで見せたロッテナインの戦いぶりは「幕張の奇跡」と野球ファンの感動を呼んだ。ソフトバンクとのCSファーストステージ第3戦、9回まで両軍無得点と緊迫感ある戦いを続ける中、延長10回表にソフトバンクに3点リードを許してしまう。

 3点ビハインドで追いかける展開でまず意地を見せたのはベテラン勢だった。先頭の角中勝也が粘ってヒットを放つと続く荻野貴司も連続安打。無死一、二塁のチャンスを作り、打席に入ったのは藤岡裕大だった。津森宥紀の直球に狙いを絞った藤岡は起死回生の同点3ランを放つ。一気に大歓声が沸き起こり、押せ押せムードとなる中、二死一塁から安田が右中間へライナー性の当たりを放ち、一塁走者の岡大海が激走。逆転サヨナラ勝ちを決め、CSファイナルステージへ駒を進めた。

 打線強化がチーム課題とされる中、右の大砲補強は間違いなくチームのプラスとなる。幕張の奇跡のような熱い試合が増えれば、それだけV奪回にもつながる。果たしてオリックスの牙城を崩す戦いを見せられるか、注目となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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