豊田市は、将来の自動運転レベル4(高度運転自動化)の実現に向けて、市内において自動運転バスを自動運転レベル2(部分運転自動化)で運行する実証実験を2023年11月30日(木)から開始しました。
 あわせて、路線上の電柱にセンサを設置し、周辺道路の情報を自動運転バスに提供することで、自動運転バスがより安全に走行できるようサポートする「路車協調システム」の構築に向けた実証実験を行っています。
 これらの実証実験は、国土交通省の補助事業及び実証実験の採択を受け、豊田市つながる社会実証推進協議会(※1)の取組として行うものです。実証実験を通して、「路車協調システムの有効性の検証」と「生活路線における自動運転の課題の抽出」を図ります。
 豊田市の中心市街地での実証実験は大きな注目を集めており、開始から10日間で自動運転バスの乗客が500人を超えるなど、将来の実用化に向けたニーズの集約や機運の醸成が順調に進んでいます。

  • 実証期間

 2023年11月30日(木)~12月28日(木)

  • 実証場所

 中心市街地玄関口バスの路線上(豊田市福祉センター~豊田市駅西口間)

  • 運賃

 無料(乗車定員:15人)

  • 実施体制

 豊田市、(公財)豊田都市交通研究所、日本工営(株)によるコンソーシアムを実施主体とし、先進モビリティ(株)が提供する自動運転バスを、豊栄交通(株)が運行する形で実施

  • 実証内容

● 路車協調システムの有効性の検証

 豊田市では、1990年代後半から、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)の社会実験に着手しています。2021年からは、トヨタ自動車株式会社等と連携した「ジコゼロ大作戦」(※2)を開始し、交差点に設置したスマートポール(※3)が取得する歩行者等の情報を、リアルタイムで通過車両等に提供する実験を展開しています。

 今回は、これまでのITSや路車協調システムの実証実験で得た知見を活かし、バス路線上の電柱にセンサを設置し、バスのセンサで検知できない位置にある交差道路の情報を自動運転バスに提供することで、自動運転バスがより安全に走行できるようサポートする「路車協調システム」の構築に向けた実証実験を行っています。

● 生活路線における自動運転の課題の抽出

 豊田市では2016年から、交通量の少ない山村地域での自動運転実証に取り組んできましたが、将来の自動運転実用化を見据えた場合、交通量が多く、また不特定多数の利用者が見込める都市部の実証実験の知見も必要です。

 そこで、今回の自動運転実証実験では、市街地での既存の生活路線バスを対象とし、既存のバスと同規模の車両を使って、既存の路線バスと同じ交通事業者による実証実験を行うこととしました。

 具体的には、豊田市中心市街地玄関口バスの路線上において、自動運転バスを自動運転レベル2で実際に乗客を乗せて運行することにより、将来の自動運転レベル4実現に向け、課題を洗い出すとともに、社会実装可能なビジネスモデルの構築及び社会受容性の向上に役立てます。

 今回の実証実験において、運行開始から10日で利用者が500人を超えた背景として、市民に定着した既存路線で行う実証のため、自動運転バスへの乗車目的の乗客以外に、日常生活でバスを利用する方々が乗車していることも大きな要因と考えられます。

  • 実証後の展望

 豊田市では、路車協調システムなどの活用を進めることで、将来的に、多様な自動運転車両が走行する際にも、道路情報や信号機等との連携によって、自動運転を支えることができる「都市交通インフラの構築」を図っていきます。

 また、市街地の生活路線実証から得た知見を活かすことで、将来的に、ドライバー不足などの課題が顕在化した際にも、市内各地域の実情に合った最適な自動運転サービスを提供できる公共交通網の維持・拡充を図っていきます。

※1 豊田市つながる社会実証推進協議会

 エネルギー・モビリティ・ウェルネス分野の地域課題解決に向けて、市と企業・大学等が連携して、先進技術の実証・実装に取り組む協議会。詳細はhttp://toyota-eco.jp/tsunagaru/を参照。

※2 ジコゼロ大作戦

 豊田市が、トヨタ自動車株式会社、公益財団法人豊田都市交通研究所及び一般財団法人トヨタ・モビリティ基金とともに推進する、交通死亡事故ゼロの実現に向けた取組。市がこれまでに取り組んできた交通安全啓発活動や、事故多発地点における交通安全施設の整備等を通じて蓄積してきた知見やデータを活用し、4つの先進実証を官民連携で複合的に展開。詳細はhttps://www.city.toyota.aichi.jp/pressrelease/1044523/1044703.htmlを参照。

※3 スマートポール

 カメラや通信機器等を搭載した支柱で、優先道路を進行する車両の種類や緊急車両等をセンサで認知し、LEDの表示板に絵文字や矢印を表示させることで非優先道路のドライバーや歩行者等に注意喚起を行う。詳細はhttps://www.city.toyota.aichi.jp/topics/1045001/1045020.htmlを参照。

配信元企業:豊田市

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