カラパイアの元の記事はこちらからご覧ください

 まるで神話にでてくる伝説の生物のような神々しいその姿を現したのは、ノルウェーの森に住むヘラジカだ。

 一般的なヘラジカは茶褐色あるいは灰茶色をしているが、このヘラジカはなんと牛のホルスタインのように、黒と白のまだらな模様を持っている。

 まだら模様を持つヘラジカは「パイボールドムース( piebald moose)」と呼ばれ非常に珍しいという。

 これは、一部の皮膚が、メラニンと呼ばれる黒い色素の生産にかかわる細胞の変異によるもので、白変種の1種だという。

【画像】 神話の生き物のように神々しい、まだら模様のヘラジカ

 ノルウェー南部ブスケルーで目撃されたまだら模様のヘラジカは、その神々しい姿で注目を集めている。

 野生動物写真家のトーマス・モーチ氏は、友人からこのヘラジカの目撃情報を受け、撮影することに成功した。

 モーチ氏によると、友人は「馬を放牧している場所に数日間、まだら模様のヘラジカがいた。急いで向かわなければ、すぐにいなくなってしまうかもしれない」と話したという。

3

ノルウェーで目撃されたまだら模様のヘラジカ / image credit:starworldlab

 モーチ氏がヘラジカを見つけた時、深い雪の中で植物を食べていたという。

 まだら模様を持つヘラジカ(パイボールドムース)は、皮膚と毛の一部にメラニン形成細胞(メラノサイト)が欠如している遺伝子の変異だが、メラニン産生能力は正常である。

 そのためか、このヘラジカはとても健康的で「よく肥えている」とモーチ氏は述べている。

1

 まだら模様になるのは、白変種の一種できわめて珍しい。

 白変種が生まれる理由は、これまで氷期と間氷期を繰り返してきた地球環境の中で、氷や雪の保護色となるため、生物が生き残るために非常に有利な基本的資質であったと考えられている。

 その遺伝情報が現世を生きる生物の一部に引き継がれているのだ。

 とは言え、ヘラジカのまだら模様は大変珍しい。

 モーチ氏は数日後、子供たちと再び同じ場所に戻ったが、すでにまだらヘラジカはいなくなっていたという。

 道路や鉄道などに近づかず、その生を全うして欲しいと彼は語った。

 ヘラジカ北半球の寒冷地帯に生息するシカ類の最大種でオオジカともよばれる。

  体長206~310cm、肩高174~235cm、体重350~800kgに達する。 北ヨーロッパシベリア東部、中国北部、カナダアメリカ合衆国北部などの寒冷な森林地帯に広く分布している。

 湿地や沼地、湖沼の近くを好む傾向があり、草食性で、草本、木の葉、若い枝、水中の植物などを食べる。

 小さな家族の群れで生活し、夜行性または薄明薄暮性の傾向にある。オスのヘラジカは大きな角を持つ。この角は毎年落ちて、より大きく新しい角が再生するという。

追記:(2023/12/18)本文を一部訂正して再送します。

written by parumo

 
画像・動画、SNSが見られない場合はこちら

神話の生き物のように神々しい!激レアなまだら模様のヘラジカが発見される