ニッキー・ミナージュの新作『ピンク・フライデー2』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 自身の誕生日にあたる12月8日にリリースした『ピンク・フライデー2』は、前作『クイーン』(2018年8月)から約5年ぶり、5枚目のスタジオ・アルバムで、Billboard 200では『ロマン・リローデッド』(2012年4月)以来約11年ぶり、3作目の首位を獲得した。

1位『ピンク・フライデー』(2011年)
1位『ロマン・リローデッド』(2012年)
2位『ザ・ピンクプリント』(2014年)
2位『クイーン』(2018年)
1位『ピンク・フライデー2』(2023年)

 その他、2021年に再リリースしたミックステープ『Beam Me Up Scotty』が2位、昨年8月に発表したベスト盤『Queen Radio: Volume 1』が10位を記録していて、『ピンク・フライデー2』で通算7作目のTOP10入りを果たしている。

 首位獲得数3作は、女性ラッパーとして同率2作で並んでいたフォクシー・ブラウンを上回る最多記録で、2010年代2020年代の異なる年代で首位を獲得した女性ラッパー初の快挙も達成した。

 『ピンク・フライデー2』は、初週(2023年12月8日12月14日)アルバム・ストリーミングが129,000、アルバム・セールスが92,000、トラックによるユニットは7,000をそれぞれ記録して、累計228,000ユニットを獲得した。初週の週間ストリーミングは、全22曲で1億6,987万回を記録している。

 228,000ユニットは、女性ラッパーのアルバムとして2020年代現時点での最高記録で、女性アーティストによるR&B/ヒップホップ・アルバムとしても、今年の最高記録を更新した。また、ストリーミングを除くセールスのみの記録としても、女性ラッパーとしてルミネートが集計を始めた1991年以降の週間最多売上を更新している。

 週間セールス92,000枚の内訳、25,000枚がアナログ盤による売上で、女性アーティストによるラップ・アルバムのLP週間最高売上も更新した。

 週間ストリーミング(1億6,987万回)も自己最高記録を更新して、女性アーティストによるラップ・アルバムとしては2020年代現時点での最高数値、女性アーティストによるR&B/ヒップホップ・アルバムとしては、今年の最高記録をそれぞれ更新した。

 『ピンク・フライデー2』からは、リード・シングルの「スーパー・フリーキー・ガール」(2022年 最高1位)、「レッド・ルビー・ダ・スリーズ」(2023年 最高13位)、「ラスト・タイム・アイ・ソウ・ユー」(2023年 最高23位)の3曲が、ソング・チャート“Hot 100”にランクインしている。

 発売日の12月8日にはデジタル・ダウンロードとストリーミング、フィジカルがそれぞれリリースされて、CDは通常版と公式ウェブサイトで販売されたサイン入りの2種類、アナログ盤は小売店限定を含むカバー・アートが異なる4種類がある。

 リリースから3日後の12月11日には、50セントをフィーチャーした「Beep Beep」のリミックスを含む23曲入りのデラックス盤、翌12日にもモニカとキーシャ・コールをフィーチャーした「Love Me Enough」のリミックスを含む23曲入りのデラックス盤がそれぞれリリースされ、13日にはカバー・アートの異なる22曲入りのニュー・エディション、14日には上記のリミックス2曲を収録したデラックス盤が立て続けにリリースされている。

 先週に続き、2位はテイラー・スウィフトの『1989 (テイラーズ・ヴァージョン)』が同位をキープ。1位と2位に女性アーティストの作品がランクインするのは、カロルGの『Manana Sera Bonito』が1位、シザの『SOS』が2位にランクインした2023年3月11日付以来、約9か月ぶりのチャート・アクションとなる。

 なお、両者は過去にもテイラー・スウィフトの『スピーク・ナウ』が1位、ニッキー・ミナージュの『ピンク・フライデー』が2位にランクインした2011年1月22日付、テイラー・スウィフトの『1989』が1位、ニッキー・ミナージュの『ザ・ピンクプリント』が2位にそれぞれ3週間ランクインした2015年1月3日~17日付の計4週TOP2を独占したことがある。

 3位も、先週に続きドレイクの『フォー・オール・ザ・ドッグス』(68,000ユニット / 10%減少)が同位にランクイン。ドレイクは、『ピンク・フライデー2』にも「Needle」でゲスト参加している。

 続いて今週4位には、カナダ出身の女性シンガーソングライター=テイト・マクレーのニュー・アルバム『シンク・レイター』が初登場して、デビュー・アルバム『アイ・ユース・トゥ・シンク・アイ・クッド・フライ』(2022年)の13位を上回る自己最高位と初のTOP10入りを果たした。

 『シンク・レイター』は、初週アルバム・ストリーミングが58,000(7,599万回)、アルバム・セールスが8,000、トラックによるユニットは1,000をそれぞれ記録して、累計66,000ユニットを獲得した。週間ユニットも、これまでの自己最高記録を更新している。

 本作からは、11月25日付でTOP10入りした「グリーディー」が最新のチャートで7位まで上昇中。先月リリースした「エクシーズ」も最高34位を記録して、アルバムのヒットに繋げた。

 5位は、マイケル・ブーブレの『クリスマス』(64,000ユニット / 7%増加)が同位をキープ。モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(63,000ユニット / 3%減少)は4位から6位、テイラー・スウィフトの『ミッドナイツ』(57,000ユニット / 4%増加)は6位から7位、シザの『SOS』(53,000ユニット / 2%増加)も7位から8位にそれぞれ順位を下げた。

 以下、テイラー・スウィフトの『ラヴァー』(49,000ユニット / 13%増加)が11位から9位に再びTOP10入りして、『フォークロア』(49,000ユニット / 5%増加)は9位から10位にダウンした。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月22日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『ピンク・フライデー2』ニッキー・ミナージュ
2位『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』テイラー・スウィフト
3位『フォー・オール・ザ・ドッグス』ドレイク
4位『シンク・レイター』テイト・マクレー
5位『クリスマス』マイケル・ブーブレ
6位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
7位『ミッドナイツテイラー・スウィフト
8位『SOS』シザ
9位『ラヴァー』テイラー・スウィフト
10位『フォークロア』テイラー・スウィフト

【米ビルボード・アルバム・チャート】ニッキー・ミナージュ『ピンク・フライデー2』首位デビュー、テイト・マクレー初登場4位