2023年12月13日、千葉・幕張イベントホールで『YouTube Fanfest Japan 2023』が開催された。今年で日本開催10回目という節目を迎え、久々の大規模開催となった本イベントには、この1年間、YouTubeシーンを盛り上げた人気動画クリエイターが大集結。本稿では、「#好きをシェアしよう」をテーマに開催されたイベントの「RED CARPET」と「LIVE SHOW」をレポートする。

参考:【写真】夢の共演を果たしたフィッシャーズとちょんまげ小僧や、「YouTubeは永久に不滅!」熱唱して会場を盛り上げたヒカキンら

 MCをChigusa、プレゼンターを第1回目の「YouTube FanFest」で金の盾を授与されたヒカキンが務めた「RED CARPET」では、2023年1月1日から2023年10月31日までにチャンネル登録者数100万人を突破した総勢22組のクリエイターたちが登壇。個人チャンネルが100万人を突破したフィッシャーズ・シルクロードをはじめ、だいにぐるーぷやメイクアップアーティスト・小田切ヒロ、むくえなちっく。、ちいりおちゃんねる、あさぎーにょ、ジェラードンチャンネル、ロシアン佐藤、月ノ美兎ラプラス・ダークネスなどがヒカキンから金の盾を受け取った。

 「LIVE SHOW」でオープニングアクトを飾ったのは、2019年以来、兄弟揃っての出演となったヒカキンセイキン。『YouTubeテーマソング~2023 Special Ver.~』を披露すると、会場は一面が赤く染まり、10回目という節目にふさわしい幕開けとなった。

 ヒカキンセイキンの歌唱後は、MCを務めるハリー杉山とChigusaが登場。この10年を振り返ったヒカキンは、「あっという間のような、長かったような。10回もやったんだという感じですが。ここに立てて嬉しいです」とコメント。セイキンからは「ヒカキンセイキン、新曲出します!」と、ふたりの新曲が発売されることを発表した。なお、同日発表された「国内トップトレンド動画」で1位を獲得したことについてヒカキンは、「一軒家借りてよかったな。嬉しい」と喜びを伝えた。

 興奮冷めやらぬステージでは、続いて3人組ガールズバンド・Cottton Candyが「ファジーネーブル」と「ロングスカートは靡いて」をパフォーマンス。そして今年、設定年齢と同じ活動16周年を迎えた初音ミクは、YouTube ショートとの連動企画「初音ミク Happy 16th Birthday 連動企画 #MikuChallenge Supported by YouTube Shorts」のスペシャルムービーをお披露目した。

 続く「ダイヤモンドステージ」には、チャンネル登録者数1000万人を突破したYouTube ショートクリエイターのISSEI、VAMBI、Saito さいとう、Sagawa/さがわ、バヤシ、Parotter、M2DK. マツダ家の日常が登壇した。

 とくに、スパイダーメーンであることを明かし、世間を驚かせたVAMBIは「ダイヤモンド盾とったぞー!」と喜びをあらわに。チャンネル開設からわずか374日で1000万人を記録したこの1年間について、「ここにいる誰もが、僕がこのステージに立つって思っていなかったと思います。1年間、死ぬほどYouTubeを頑張った」と振り返ると、「日本一になります!!」と、決意を新たにした。ASMR大食いを組み合わせたショート動画で人気のバヤシは、「ショート動画がバズったおかげでダイヤモンド盾をもらえたので、本当に嬉しいです」「これからは長い動画もたくさんつくっていきたいので、楽しみにしていてください」と、意気込みを語った。

 次に姿を現したのは、今年8月に月間4億回再生という大記録を叩きだしたフィッシャーズハリー杉山がシルクロードの結婚を祝福すると、観客からは温かい拍手が沸き起こった。「幸せな日だね、今日は」としみじみするシルクロードは、1年間について「2023年、かなりしっかり固まって、2024年とんでもないことが起こりそうだなと思ってます」と、来年の活動について予告。続けて「スペシャルゲストを呼んでいます。こいつらです!」と発言すると、なんとステージには「国内トップ登録者増加クリエイター」1位に輝いたちょんまげ小僧が登場した。

 この日1番の歓声が湧き上がったちょんまげ小僧は、今年大いに話題となったお馴染みの挨拶を披露。今年の活動についてリーダー・ちょんまげ小僧は、「1番最初のコラボでフィッシャーズさんとコラボできたので、昔からの夢が叶いました。ありがとうございます」とフィッシャーズへの感謝を口にした。シルクロードはちょんまげ小僧の印象について、「こんなにいきなり人気になるから、すごい中学生なのかなと思ったら、本当に普通の中学生でした」「中学生時代の僕らを見てるみたいな感じでした」とコメント。最後は2組でフィッシャーズの楽曲「未完成人」を披露した。

 続いてステージに登場したボディビルダー・横川尚隆は、「国内トップゲーム動画」8位にランクインしたなるねぇと加藤ひなたとともに、アニメ『【推しの子】』の劇中歌「ぴえヨンブートダンス YTFF2023 ver.」を披露。ダンスエクササイズで会場を盛り上げた。

 その直後に姿を現したVTuber・星街すいせいは、今年1月に「THE FIRST TAKE」チャンネルで公開され、大きな注目を集めた「Stellar Stellar - From THE FIRST TAKE」を歌唱。一瞬にして観客の心をガッチリと掴んだ。出演については「本当に光栄に思います」と述べ、この1年を「THE FIRST TAKEでこの曲をたくさんの人に聞いていただいてから、色いろな挑戦があった年でした」と振り返ると、「来年もYouTubeからたくさんの配信をして、たくさんの挑戦をして、皆さんに歌を届けていきます。応援よろしくお願いします」と挨拶した。

 続いては、「RED CARPET」にも登場しただいにぐるーぷと、チャンネル登録者数200万人を突破したレイクレことLazy Lie Crazyが登場。会場内に紛れているだいにぐるーぷのメンバー4人を3分以内に見つけるという脱出ゲームが行われた。残念ながら脱出は失敗となり、牢獄内に残されたリーダー・どば師匠の背後では、大きな風船が爆発。レイクレ・どば師匠が「YTFFサイコー!」と絶叫し、2組はステージを後にした。

 続くゲームステージには、ゲームクリエイターのCO-DA赤髪のともポッキーなつめさんちが登壇。CO-DAが作成した『スーパーマリオメーカー 2』のコースを使って、ステージ上で赤髪のともポッキーなつめさんち・げんが熱戦を繰り広げ、ポッキーが勝利を飾った。

 平成フラミンゴは、今回が初披露・初歌唱となった「スーパーヒロイン」で会場を盛り上げた。歌い出しですでに目から涙が溢れていたNICOとRIHOだったが、これには「裏で先生に『これまでのふたりを思い出して歌って』」という言葉があったと告白。RIHOも「感極まりすぎちゃって。でも、1番楽しめたステージでしたし、一生の思い出に残るステージになりました」と話した。来年については、「個々の力を強くして、来年はチームとしてももっと強くなりたいなと思っています」と豊富を述べた。

 いまだ平成フラミンゴの感動の余韻が残るなか、ステージでは学ラン姿のはじめしゃちょーが、はじめしゃちょーの畑メンバー・またぞうとともに「YTFF授業コント」を披露。2033年のYouTube FanFestが開催されるまでの10年間、またぞうが客席で待っていたらガイコツになってしまうというオチに、会場は笑いに包まれた。3億円で購入した自宅が改修費を含むと4億円になったことに話が及ぶと、はじめしゃちょーは「来年ももっと改造したいなと思っています」と、さらなるアップデートを予告。この1年を「大型バイクの免許をとったり、いろいろ自分の中で変化があった1年だったなと思います」と振り返った。

 そして、書籍出版にテレビ出演、イベントプロデュースなど、今年も大活躍だったコムドットがステージに登場すると、観客からは大歓声が。ゆうまが本名「悠馬」名義でリリースした「ジングル」と「look at the sea」を披露した。今年1年について、リーダー・やまとは「ぶっちぎりの活躍だったと思います」と述べると、「ファンの方々に支えられての活躍だったので、来年もファンの方との関係性を大切に、頑張って行きたいなと思っています」とファンへの感謝を口にした。なお来年については、「5人で曲つくりたいと思います」と、音楽活動への意欲を見せている。

 続いて、VTuber・加賀美ハヤト剣持刀也不破湊甲斐田晴によるユニット「ROF-MAO」が登場。メンバーの加賀美ハヤトは、初めてのYouTube Fanfest出演について「びっくりするくらい光栄です」とコメントし、4人で「I wanna! You wanna!」を披露した。

 チャンネル開設10周年のすしらーめん《りく》は、「目指せ100db」と題し、観客の声が100デシベルを超え、りくが天井に仕掛けられた赤いボタンを押せればチャレンジ成功という観客参加型企画を行った。観客の大きなサポートを受け、りくが余裕を残してチャレンジを成功させた瞬間には7200枚の銀テープが舞い、会場は大盛り上がり。「国内トップトレンド動画」で 7位にランクインするなど実力を見せつけたこの1年については、「おかげさまでめちゃくちゃ激しい1年になって、最強に心に残りました」とコメントした。

 続いてステージには、今年チャンネル登録者数100万人を突破し、「RED CARPET」にも出演した小田切ヒロが登場。小田切によって西暦3000年代をイメージした最先端メイク「Y3K」を施されたVAMBIがランウェイを歩き、会場全体が小田切の世界観で包まれた。その後には、国内外で一躍トップアーティストとなったimaseが、「NIGHT DANCER」「Nagisa」を歌唱。観客は今年の音楽シーンを彩ったimaseの澄んだ歌声に酔いしれた。

 そして大トリのスカイピースが「スカイピース with Friends」として登場すると、会場のボルテージも最高潮に。コムドットやまあたそ、かす、きりたんぽ、くれいじーまぐねっと、すしらーめん《りく》、とうあ 、中町綾、ばんばんざい、むくえなちっく。、夜のひと笑い、カジサックとともに、YouTuberの歌「世界と私」を披露した。

 なお、本イベントでアンバサダーを務めたChroNoiRの叶と葛葉は、水溜りボンド・カンタのモノマネや、ヒカキンとの中継でイベントを盛り上げるなど大活躍。3時間半以上に及んだイベントのフィナーレでは、中継を担当した水溜りボンドもほか出演者とともにステージに登壇。カンタが「最高でした!」と感想を述べ、最後はヒカキンの「YouTubeは永久に不滅だー!」という雄叫びとともに、10回目のYouTube Fanfestは大盛況のうちに幕を閉じた。

(文=せきぐちゆみ)

画像提供:YouTube