2023 FIFAクラブワールドカップ サウジアラビアの準決勝が18日に行われ、フルミネンセ(ブラジル)とアル・アハリ・カイロエジプト)が対戦した。

 6大陸王者と開催国王者を合わせた合計7チームが参加する現行方式としては最後の開催となる今回のクラブW杯もいよいよ準決勝に突入。準決勝の1日目では、2023シーズンのコパ・リベルタドーレスでクラブ史上初の優勝を成し遂げた“南米王者”フルミネンセ(ブラジル)が登場する。相見えるのは2022-23シーズンのCAFチャンピオンズリーグを制し、2大会ぶり11度目の“アフリカ王者”に輝いたアル・アハリ・カイロ。準々決勝ではカリム・ベンゼマエンゴロ・カンテ、ファビーニョらを擁する“開催国王者”のアル・イテハドを下し、準決勝へ駒を進めた。

 南米王者とアフリカ王者の顔合わせとなった一戦は、序盤からアル・アハリ・カイロがシュートまで持ち込む回数を増やし、ゴールに迫っていく。だが、9分にはフルミネンセも攻撃。左サイドからのクロスボールが上がると、ペナルティエリア右でフリーになったジョン・アリアスダイレクトで合わせたが、ボレーシュートは右ポストをかすめて枠の外へ。

 続く19分、今度はアル・アハリ・カイロにチャンスが到来。右コーナーキックのボールをニアサイドへ飛び込んだモハメド・アブデルモネイムがフリックして逸らすと、最後はマフムード・カーラバが合わせたが、シュートはブロックに阻まれる。対するフルミネンセは24分、右コーナーキックからマイナスのスペースでフリーになったアリアスが右足を振り抜いたが、ここはまたもポストに嫌われた。

 一進一退の攻防が続く中、前半も終盤に突入すると、35分にはアル・アハリ・カイロがこの日最大の決定機を作り出す。左からカットインしたフセイン・エル・シャハトが右足でフィニッシュまで持ち込むと、ブロックされてディフレクションしたボールがボックス内でフリーになったカーラバの元へ。強烈なヘディングシュートは枠を捉えたが、43歳の“守護神”であるGKファビオの好セーブに阻まれた。

 前半はフルミネンセがボールを握る時間が長かったものの、アル・アハリ・カイロは迫力のある攻撃でゴールを脅かす場面をより多く作る。それでも両チームともにゴールネットを揺らすまでには至らず、前半はスコアレスで終了した。

 後半に入ると遂に均衡が破れる。67分、ペナルティエリア左のスペースでサイドチェンジのボールを受けたマルセロが、巧みなボールタッチで対峙したパーシー・タウの股を抜き、突破を試みる。入れ替わられそうになったタウはたまらず後ろからマルセロを倒してしまい、フルミネンセにPKが与えられた。このPKをアリアスがゴール左下に突き刺し、フルミネンセが先手を取っている。

 追い込まれたアル・アハリ・カイロだったが、その後も前半と同様にシュートまで持ち込む回数を増やしていく。77分には決定機を創出。ペナルティエリア中央にポジションを取ったタヘル・モハメドが、左から上がったグラウンダーのクロスボールにダイレクトで合わせるも、ここは再びGKファビオが立ちはだかる。

 1点リードのまま試合終盤に突入したフルミネンセは、カウンターから複数回のチャンスを迎えるも決め切ることはできない。それでも90分、自陣右サイドから細かくボールを繋いで前進すると、ワンツーで飛び出したマテウス・マルティネッリが敵陣のスペースでボールを持ち運ぶ。中央から左への展開を狙ったパスは相手にカットされたものの、セカンドボールをマルティネッリ自ら拾うと、今度は相手を引き付けてペナルティエリア右のスペースへパスを送る。最後はジョン・ケネジが切り返しから左足で仕上げ、勝利を決定付けた。

 試合はこのままタイムアップ。前半から拮抗した白熱のゲームは、マルセロの突破で得たPKで均衡が破れると、試合終盤には見事なビルドアップからゴールネットを揺らし、フルミネンセに軍配が上がった。

 勝利したフルミネンセは現地時間22日、決勝で浦和レッズ(日本)対マンチェスター・シティイングランド)の勝者とタイトルを懸けて激突。一方、敗れたアル・アハリ・カイロも、同日に行われる3位決定戦で浦和vsマンチェスター・シティの敗者と対戦する。

【スコア】
フルミネンセ 2-0 アル・アハリ・カイロ

【得点者】
1-0 71分 ジョン・アリアス(PK/フルミネンセ)
2-0 90分 ジョン・ケネジ(フルミネンセ)

PKで先制点を決めたジョン・アリアス [写真]=FIFA via Getty Images