念願だったというMLB復帰を果たしたフェッディ。(C)Getty Images

 韓国で覚醒した怪腕は念願だったというメジャー復帰に熱い想いをたぎらせた。

 現地時間12月6日、今オフにホワイトソックスと2年総額1500万ドルの契約を結んだエリック・フェッディが、地元紙『Chicago Sun Times』のインタビューに回答。KBO韓国プロ野球リーグでの1年を振り返るとともに、母国復帰の想いを口にした。

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 NCダイノスに鳴り物入りで入団した23年のフェッディは韓国球界を席巻する一大フィーバーを巻き起こした。韓国移籍1年目ながら29先発で20勝6敗、防御率2.06、204奪三振を記録して「投手3冠」を達成。さらにWHIP(1イニング当たりに許した走者数)0.95、被打率.207の堂々たる成績を残し、KBOリーグMVPにも輝いた。

 韓国で異彩を放った“助っ人”の去就は各国で話題となった。単年契約終了後には日本球界からもオファーが殺到。巨人、ソフトバンクオリックスからの関心が大々的に報じられ、その存在は国際的なものとなっていった。

 もっとも、本人の希望は明確だった。2014年にナショナルズドラフト1位(全体18位)で入団しながらも、通算21勝、防御率5.41と結果を残せずにいたフェッディは、もう一度、世界最高峰の舞台に返り咲こうと交渉を進め、晴れてホワイトソックスとの契約を勝ち取ったのである。

 韓国を離れる際には、チームメイトの前で大粒の涙を流した心優しき助っ人は、地元紙『Chicago Sun Times』に対し、「韓国での経験は驚くことばかりだった。みんなが本当に優しく対処してくれた。ファンの応援の雰囲気も何とも比較できないほどだった」と回想。「自分はより多くのイニングを投げ、自分自身を試せる場所が欲しかったんだ。韓国は僕にその環境を提供してくれたんだ」と手厚いサポートをしてくれた韓国球界への感謝を口にしている。

 日米間の争奪戦の末にホワイトソックスに腰を据えたフェッディは、「とにかくメジャーリーグでのキャリアを終わらせたくなかった。韓国でキャリアをポジティブに変えるための原動力を作れた」とも強調。「あそこで掴んだ成功がより良い結果に結びつくと信じている」と自信を深めた。

 無論、大枚を叩く形となったホワイトソックスも30歳の元ドラ1投手には大きな期待を寄せる。獲得を推挙したクリスゲッツGMは「彼はKBOで支配的だったんだ。我々は向こうのバッターたちとも話し、リーグ関係者とも話し、彼が韓国で最も恐れられているピッチャーなのだと感じた。数字もそれを示している」と豪語している。

 果たして、韓国で培った実力は本物なのか。オフの移籍市場で国際的な注目を集めたフェッディにとって24年は、キャリアの分岐点となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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