ちょっと遅れる見込みです。

2021年の「今後5か年程度」から具体的になった!

国土交通省 長岡国道事務所は2023年12月15日、新潟・福島県境で整備中の国道289号「八十里越」について、具体的な開通見込みを発表しました。

八十里越は、国道289号新潟市福島県いわき市)のうち、地図上で途切れた車両通行不能区間を解消する約20.8kmの事業。14のトンネル、16の橋からなる約20kmの新道を建設し、日本有数の豪雪地帯にあって冬季に通行が確保されるルートを形成する目的です。

開通見込みについては2021年4月、「今後5か年程度で全線開通」と発表されていましたが、今回、より具体的に示されました。工事が難航していることから、「令和8(2026)年秋~令和9(2027)年夏」と、やや後ろ倒しになる見込みです。

国交省の施工区間で2023年夏の豪雨による斜面崩壊箇所などの追加工事、想定外の強固な岩盤による工程遅れ、福島県施工区間の用地確保に時間を要していることや、追加の雪崩対策といった課題が発生しているといいます。

さらに、「令和8(2026)年秋~令和9(2027)年夏開通の際には、一部現道を活用した暫定開通となり、冬期間は通行止めとなります」とのことです。暫定開通後、福島県施工区間の工事が完了次第、冬期間も含めた通年の全線開通となる予定で、その時期は改めて発表するとしています。

「八里の道のりが、あまりの険しさに八十里にも感じられる」とも言われた八十里越の車両通行不能区間として残る現道(実際にはけもの道の様相)は、幕末の戊辰戦争で長岡藩の河井継之助が、ここを通って会津に逃れるなど、歴史の舞台にもなりました。そんな急峻な山地を縫うバイパスは、1986(昭和61)年の事業化から約40年越しの開通となる見込みです。


※誤字を修正しました(12月19日15時42分)。

建設中の「八十里越」(画像:長岡国道事務所)。