東克樹(横浜DeNAベイスターズ)

16勝3敗、防御率1.98、防御率こそ2位ながら、最多勝最高勝率の投手2冠王も獲得。さらにはベストナインと、恋女房の山本祐大とともに最優秀バッテリー賞受賞と数々の栄誉を手にしたベイスターズ東克樹

19日には倍額以上アップの1億500万で契約を更改し「大台突破ということで非常に嬉しかった」と童顔をほころばせたが、来季に向けての問いかけには一転真剣な眼差しに切り替わった。

 

■投手陣牽引を意気込む

その要因の1つはメジャー挑戦を表明した先輩左腕の去就。

今年まで先発陣は、絶対エースと言われていた今永昇太を筆頭にまとまりをみせていたが「おそらく今永さんが抜けるであろうというところでチームを引っ張っていけるように、しっかりと成績だったり普段の行動で見せていきたいなと思います。今永さんが来年も残っていればそういった自覚は芽生えなかったかも知れないですけれども、いざ抜けるということになりそうなので、もう若手でもないですし、しっかりと自覚を持って責任ある行動をしたいと思います」と宣言した。

副選手会長の大貫晋一とともに、新らしい顔ぶれで投手陣を牽引していってくれそうだ。

 

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■「成績で引っ張っていく」宣言

また開幕当初はローテーションの6番手に滑り込んだ経緯もあり「シーズン始まったとき、前半は自分のことで精一杯って感じだった」と素直な心境を吐露。しかし徐々に順列は上となり「後半順位が関わってくる試合で、しっかりと役割を果たせたのは良かったと思います。結果チームは3位でしたけれども、もう1つ2つ上に行くには自分が何ができたかを考えています」とシーズン中盤から終盤、とくにトレバー・バウアーの離脱後は大車輪の活躍をみせたことで、思想も変化したと告白。

そのうえで来季のチームの絶対的な目標の優勝に向け「若い選手がどんどん出てこないとチームは強くならないと思うので、そういったところで見本になれるように頑張りたいと思います。まずは成績で引っ張っていく」と宣言した。

 

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■TJから華麗なる復活の左腕

さらに「TJ(トミー・ジョン手術)をして(リハビリ含め)ファームにいる時間がとても長かったので、ファームの選手の取り組みを近くで見ることによって、その感情が芽生えた」との想いから「若手選手をもっと一軍の舞台で活躍させててあげてほしいといってます。高卒の子とかファームで燻っているといいますか、一年の舞台を経験すれば必ずこの一軍の世界でやりたいというのが芽生えると思うんで。そうなればチームの活性化が絶対起きると思いますと、球団には言ってます」とチームの底上げのためにモノ申す姿は、親分肌の一面も垣間見えた。

2018年には新人王に輝きながら、怪我の影響で投げられない苦悩も味わった東克樹。それを乗り越えた左腕の存在は、頂を目指すベイスターズにとっても貴重な財産となる。

 

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■執筆者プロフィール

萩原孝弘:1971年生まれ。生まれも育ちも横浜の生粋のハマっ子で、大洋が横浜に移転して以来、一貫してホエールズ〜ベイスターズファン。

23年のオフィシャルイヤーブックもライターとして参加した。あくまでもファン目線で、独自のインタビューコラムや記事を各媒体で執筆中。

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