合同出版株式会社から2023年12月19日に『これでわかるPFAS汚染 暮らしに侵入した「永遠の化学物質」』原田浩二【編著】が刊行されます。Amazonや楽天ブックス、全国の書店等でお求めいただけます。

 神奈川県相模原市静岡県静岡市浜松市岐阜県各務原市岡山県吉備中央町、熊本県熊本市――これらは2023年以降に水道水や浄水場、地下水から高濃度のPFAS(有機フッ素化合物、ピーファス)を検出したという報道があった地域です。

 これまでも沖縄、東京、大阪、愛知などで飲み水の汚染が指摘され、住民たちは研究者や医療機関と協力し血液検査を行い、体内への蓄積も確認されています。

 問題の根本にあるのはPFASとよばれる化学物質です。

 PFASというのは4700種類以上の有機フッ素化合物の総称で、現在は毒性が明らかになり規制されているのは、PFOA(ピーフォア)とPFOS(ピーファス)の2種類のみです*。

 昨今水道局などでも汚染調査が行われるようになり、汚染水が家庭に配水されることはなくなったとされていますが、全国的に未調査のままの井戸水が家庭、学校などの施設や公園の水道で使われたり、農業用水として使われたりしています。地下水から土壌への汚染も確認されており、農作物にも影響が及ぶ事態になっています。

 すでに市中に流通しているPFOAやPFOSの廃棄もなかなか進んでおらず、ほとんどのPFASは毒性がわからないまま、リスクを潜ませて、フライパンのこげつかないコーティング、レインコートやテーブルクロスなどの撥水加工、ハンバーガーなどを入れる撥油性の紙袋、日焼け止めや化粧品などとして暮らしの中に溶け込み、水・土壌、人体へと入り込み、分解されることなく、蓄積されているのです。

 20年以上にわたりPFASの毒性を研究し、市民とともに汚染調査を進めてきた研究者・原田浩二先生は警鐘を鳴らします。

 「今後も、新たな汚染地域が見つかっていくと思います。ピーファス問題というのは、ピーフォス、ピーフォアの製造廃止で終わったのではなく、始まったばかりなのです」(本文より)

*2023年11月28日、PFASの一種である「ペルフルオロヘキサンスルホン酸」(PFHxS、ピーエフヘクスエス)を製造・使用も原則禁止、24年6月以降は輸入も原則禁止とすることが閣議決定された。

  • 〈PFASって何?〉〈健康への影響は?〉〈国際社会はどのように動いている?〉〈日本における汚染の実態は?〉〈日本の社会が取り組むべきことは?〉〈今、私たちに何ができるの?〉気になるポイントを解説

  • 沖縄、東京、愛知、大阪で汚染被害を訴え、解明にむけて国内外に発信する市民運動4団体の報告を収録

  • PFAS問題に関連する20項目についてサクッと解説したキーワード集など巻末資料も充実。

  • もくじ

はじめに ─広がり続けるピーファス汚染

第1部 これだけは知っておきたいピーファス汚染

第1章 ピーファスとは何か?

「永遠の化学物質」と呼ばれる理由 ◆ さまざまな製品に使われているピーファス ◆ 化粧品の成分調査から ◆ バーガーキング、マクドナルドの包み紙にも ◆ 大規模汚染の原因となった泡消火剤 ◆ 民間空港周辺の泡消火剤 ◆ ピーファスの製造・加工を行う施設

第2章 ピーファス問題の発覚

スリーエム社が製造を中止した理由 ◆ ピーファスを使わない社会へ ◆ ストックホルム条約(POPs条約)が採択 ◆ 海外の最新規制事情

第3章 日本のピーファス汚染の実態

全国に広がっていた水汚染 ◆ ダイキン工業淀川製作所が汚染源 ◆ 井戸水から水道水に ◆ 環境省の調査 ◆ 調査結果と対策 ◆ 食事・化粧品などからの摂取 ◆ 血中濃度から見えること ◆ 沖縄県宜野湾市での調査 ◆ 水道水からピーファスを削減する取り組み ◆ 

東京・多摩地区での血液調査 ◆ 農作物がピーファスを取り込む ◆ 一時的な流出による汚染のリスク ◆ ピーフォス、ピーフォア以外はどうなの? 日本、韓国、ベトナムの比較調査 ◆ ピーファスの半減期はとても長い

第4章 ピーファスの人体への影響

集団訴訟で明らかにされた疾患リスク ◆ 発がん性のリスク ◆ 健康リスク予防の暫定目標値

第5章 ピーファス問題の今後

汚染対策の課題 ◆ ピーエフヘクスエスを含めた対策が必要 ◆ 土壌汚染対策法の導入を ◆ ようやく対策強化に動く日本

第2部 ピ ーファス汚染に立ち向かう

1 嘉手納・普天間基地周辺での地下水汚染 ―子どもたちの未来に美ら水を取り戻したい  町田直美

2 東京・多摩の地下水汚染と血液検査から緊急対策を求める  根木山幸夫

3 愛知県豊山町の水道水汚染―血液検査から汚染源の特定へ  坪井由実

4 大阪府摂津市から、大企業の世界的汚染に声を上げる  増永わき

5 命の水を守るために、いま私たちができること 

あとがきにかえて─ピーファス問題は始まったばかり 

巻末資料  ピーファス問題早わかりキーワード ◆ 各地の市民団体 ◆ ピーファス規制・撤廃に向けた流れ ◆ 参考文献 ◆ もっと知りたい方へのおすすめ ◆個別の調査文献〈第1部〉

  • 書誌情報

『これでわかるPFAS汚染 暮らしに侵入した「永遠の化学物質」』

【編著】原田浩二

□定価=本体1,300円+税
□A5判/112ページ
□ISBNコード:978-4-7726-1548-8

□Amazon

https://amzn.asia/d/bHdKNf7

□楽天ブックス

https://books.rakuten.co.jp/search?sv=30&v=2&oid=000&f=A&g=001&p=0&s=0&e=0&sitem=9784772615488

  • 著者情報

原田浩二(ハラダコウジ

専門は環境衛生学。京都大学大学院医学研究科助教、講師をへて2009年から現職。2002年に京都大学で小泉昭夫教授(現・名誉教授)の調査チームの一員としてピーファス汚染に取り組み、近年は国内各地の市民団体と協力しながらPFAS汚染の調査・研究に取り組む。

配信元企業:合同出版株式会社

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