宇宙輸送と宇宙利用を通じて地球の課題解決を目指す宇宙の総合インフラ会社インターステラテクノロジズ株式会社(本社:北海道広尾郡大樹町、代表取締役社長:稲川貴大、以下インターステラテクノロジズ)は、北海道大樹町のインターステラテクノロジズ構造試験棟にて、小型人工衛星打上げロケット「ZERO」(以下ZERO)の推進剤タンク圧力試験(本試験)に成功しましたので、お知らせいたします。推進剤タンクは本社工場で最終工程の溶接を行い、設計通りの強度を達成したことを確認しました。インターステラテクノロジズではZEROの初号機打上げに向け、各コンポーネントの設計・製造・試験を着実に進めてまいります。

高度な技術が求められるアルミ溶接技術を獲得

インターステラテクノロジズでは、燃料の液化バイオメタンと酸化剤の液体酸素を入れる推進剤タンクを自社ですべて設計しています。タンクの材質には、強度が高い一方で高度な溶接技術が求められるアルミ合金(A2219)を採用、溶接から試験までの主要な工程を自社で行っています。

今回製造したのはロケット2段目用タンクのサブスケールモデル(幅1700mm、高さ1731.5mm、厚さ3.5mm)で、設計した圧力に耐えうることを確認する「耐圧・保証試験」「破壊圧試験」、どこまでの圧力に耐えられるかを見る「破壊試験」を実施しました。今後は、本試験で得られたデータを基に実機モデルの開発・製造に進みます。

【推進剤タンク圧力試験 概要】

試験名称 :推進剤タンク耐圧・保証試験、破壊圧試験、破壊試験

試験目的 :推進剤タンクが設計通りの強度を有しているかを確認すること

日  時 :2023年12月11日、13日

場  所 :インターステラテクノロジズ構造試験棟(北海道大樹町

試験結果 :設計した試験圧力に耐えうることを確認し、強度や破壊モードなどのデータを取得した


溶接が完了したロケット2段目用推進剤タンク

圧力試験の様子

【ロケットZEROの仕様】

全長    :32m

直径    :2.3m

全備重量  :71t

推進剤   :燃料 液化メタン(液化バイオメタン)、酸化剤 液体酸素

エンジン基数:一段目 9基、二段目 1基

打上げ能力 :LEO 800kg / SSO 250kg ※将来最大能力


ロケットZEROの主要コンポーネント

競争力のある価格と専用打上げが強み

ZEROは、近年の市場拡大を牽引している小型サイズの衛星をターゲットにした小型ロケットです。民間単独では国内初となる宇宙到達実績のある観測ロケットMOMO」で得られた知見を土台に、初号機打上げを目指して開発を進めています。

ZEROが提供する宇宙輸送サービスは、一気通貫の開発・製造体制で実現する1機あたり打上げ費用8億円以下(量産時)の「競争力のある価格」と、多様化する衛星のビジネスモデルに合わせて専用に打ち上げる「柔軟性」が強みです。国内やアジア・オセアニア諸国の衛星事業者に対しては発射場が近く、打上げまでの手間やコストがかからない「利便性」も提供価値として付与していきます。

ZEROの能力増強、アジア・オセアニア市場でのポジション確立へ

ZEROがターゲットとする小型衛星の重量は、100~200kg級がボリュームゾーンとなっています。ZEROは昨今のトレンドを見据え、国内をはじめ海外の旺盛な需要も取り込んでいくため、搭載可能な衛星重量を地球低軌道(LEO)に最大800kgを打ち上げられるロケットに能力増強を図ります。これにより本事業で示されている目標を満たし、国内の自立的な宇宙輸送サービス構築に貢献するとともに、アジア・オセアニアや欧州市場におけるポジションを確立してまいります。

《インターステラテクノロジズ株式会社 会社概要》

インターステラテクノロジズは、低価格で便利な宇宙輸送サービスを提供することで、誰もが宇宙に手が届く未来の実現を目指すスタートアップ企業です。北海道大樹町に本社を置き、東京支社と福島支社、室蘭技術研究所(室蘭工業大学内)の4拠点で開発を進めています。観測ロケットMOMOでこれまでに計3回、国内民間企業単独として初めて且つ唯一の宇宙空間到達を達成、次世代機となる小型人工衛星打上げロケットZEROの開発を本格化させています。人工衛星開発事業Our Starsも手がけており、国内初のロケット×人工衛星の垂直統合サービスを目指しています。

所在地  : 北海道広尾郡大樹町字芽武149番地7

代表者  : 代表取締役社長 稲川 貴大

事業内容 : ロケットの開発・製造・打上げサービス

https://www.istellartech.com/


配信元企業:インターステラテクノロジズ株式会社

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