ジャイアンツ移籍を決めたイ・ジョンフ(右)。彼は帰国会見で二刀流スターである大谷(左)との比較に持論を語った。(C)Getty Images

 念願が成就した韓国の至宝は、世界最高峰の大舞台への想いをより一層強くしている。12月19日、今オフにポスティングによるジャイアンツ入団を決めたイ・ジョンフが、アメリカから帰国。日刊紙『朝鮮日報』など現地メディアの取材に応じた。

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 元中日の助っ人イ・ジョンボム氏を父に持ち、韓国球界随一とされるポテンシャルが確かな評価を得た。現地時間12月12日、イ・ジョンフはジャイアンツと6年1億1300万ドル(約163億8500万円)の大型契約を締結。自身が「小学生の頃から憧れていた」というメジャーリーグでの挑戦権を得た。

 韓国人選手では史上最高額となる契約を手にした25歳は、『朝鮮日報』などの取材に対し、「あまりに大きなオファーだったから、膝が少しガクガクと震えました。さまざまな感情が交差しましたね」と率直な感想を吐露。そのうえで「代理人から、『子どもの頃から努力してきたことが報われたんだから、あまり自分にプレッシャーをかける必要はない』と言ってくれた。だから今はあまりプレッシャーを感じていません」と、自身が契約する重鎮スコット・ボラス氏からの助言を打ち明けた。

 会見では、記者たちからはありとあらゆる質問が飛んだ。そのなかで、今オフにドジャース移籍を決めた大谷翔平に対する意見もイ・ジョンフは求められた。

 以前から大谷を「今まで見た野球選手の中で一番かっこいいと言っても過言ではない」と評してきたイ・ジョンフは、あらためて「大谷選手と自分の比較にならないです」と断言。そして、こう続けている。

「僕は自分のやることだけを頑張ればいいと思っています。そうやって(大谷と)くっつけてくださっても、肩を並べられる選手ではないので、負担にもなったりはしないです」

 さらに記者から「日韓の選手が両国を代表してプレーするというのは、モチベーションになりそうだが?」と問われた25歳は「いや、僕と大谷選手は比べられないです」とキッパリ。そして比較を嫌った理由を明確にした。

「大谷選手は世界的に見ても一番野球が上手な選手だと思います。でも、僕はまだ(メジャーで)始める段階なので比較にならない。契約額的にもそうだと思います。あまりそういう風(ライバル関係)に映らないと嬉しいですね」

 メジャー移籍による反響にも浮かれず、地に足をつけ、「僕よりもはるかに才能のある選手たちはいる」としたイ・ジョンフ。来季の目標として「まだ優勝した経験がないので、タイトルを獲りたい」と語った若武者には、やはり期待せずにはいられない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

大谷翔平との比較にピシャリ “韓国の至宝”イ・ジョンフが「僕と大谷選手は比べられない」と訴え続けたワケ