「放課後はゴールデンタイム」をビジョンに活動する特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクール(代表理事:平岩国泰、本部:東京都文京区/以下「放課後NPOアフタースクール」)は、日本の小学生の誰もが放課後の時間を自由で豊かに過ごせる社会を目指し、放課後の居場所において現場運営を担うすべての人材の充実と学校施設活用を解決策として提案する提言書をまとめました。本提言は、国に向けての提案であると同時に、小学生の放課後事業を担う地方自治体に向けて、今後ますます放課後施策が推進されることを期待して発表いたします。

  • 放課後の課題と提言に至った背景

1.自由に友達と遊べない子どもたち

放課後NPOアフタースクールが実施した独自調査にて、放課後に友達と遊ぶのは「週1回以下」と答えた子が7割以上という結果が出ました。一方で同調査から「もっと友達と遊びたい」という声が8割近くに上り、自由に遊べない子どもたちの現状が改めて浮き彫りになりました。

2.学童待機児童、空間の不足など山積する課題

学童待機児童数は16,825人(2023年5月時点)、放課後の居場所が質・量ともに不足し、結果として保護者が働き方を諦める社会問題「小1の壁」など、子育て世帯を取り巻く放課後の課題は深刻です。

3.子どもにとって「居たい」「行きたい」「やってみたい」を叶える居場所へ。質の向上も重視

量的な不足の解消も喫緊の課題とされる中、現状は十分なスペースが設けられないまま、子どもを受け入れざるを得ず、すし詰め状態となっている施設も見受けられます。これは活動内における重大な怪我や事故を引き起こすリスクを高める要因にもなっており、放課後児童クラブにおける事故報告件数は年々増加しています。そしてなにより、十分な環境整備や人員配置がなされていない状況では、子どもたち一人ひとりへの個別配慮が不十分となり、安全性の観点から活動の制約も大きくなることによってますます子どもの自由な過ごし方から遠ざかっています。

放課後NPOアフタースクールでは、これまで約15年間、小学生の放課後の居場所づくりや体験機会の創出に取り組み、誰もが自由で豊かな放課後の時間を過ごせる社会になることを切に願ってきました。

前述の課題背景に対し、放課後の居場所の量の拡大と合わせて質の向上を行なっていくために、放課後スタッフの充実学校施設の活用を解決策として提案します。※放課後スタッフ=放課後の居場所において現場運営を担うすべての方々をここでは示します。

すべての小学生に自由で豊かな放課後を「人材の充実と学校活用推進に向けた提言書」はこちら

URL:https://npoafterschool.org/231220_policyrecommendations.pdf

  • 放課後の課題解決策の提案

・放課後スタッフの充実:1.処遇と配置基準の改善

放課後の居場所に求められる機能が多様化する中で、専門性の高い職員配置は必要不可欠です。現役世代も長期的に勤務できる適正な処遇とすること、子どもへの向き合い、専門性やスキルの向上ができる余裕のある職員配置基準の設定を提案します。

・放課後スタッフの充実:2.全児童対策への補助制度

保護者の就労要件なく、全児童が自由に参加できる放課後の居場所は子どもにも保護者にもメリットが大きい一方で国の補助が薄いため自治体間格差が広がるおそれもあります。全児童対象で一定日数以上運営する放課後事業への補助創設を提案します。

・学校施設活用:1.学校側の施設管理負担の軽減

学校の施設利用調整や管理を教員が担うことには限界があり、体制の見直しを求めると共に、管理負担を軽減する動線改修・鍵設置、タイムシェアのための可動式家具等への補助拡大も合わせて提案します。

・学校施設活用:2.学校施設活用への理解

放課後の時間の学校施設利用については、「新・放課後子ども総合プラン」にもあるように、国としてもかねてより推進していますが、活用の必要性について学校現場に十分浸透していない現状が見受けられます。活用における子どもへのメリットや好事例を教育委員会や学校に対して継続的に発信していくことが必要です。

  • すべての子どもにとって放課後の時間がもっと自由で豊かになることを信じて

本提言は2023年12月に文部科学省およびこども家庭庁へ提出いたしました。国に向けての提案であると同時に、小学生の放課後事業を担う地方自治体に向けて、今後ますます放課後施策が推進されることを期待して作成いたしました。 本提言がしっかりと議論され、予算へとつながっていくことにより、すべての子どもたちにとって放課後の時間がもっと自由で豊かなものとなること、また結果として保護者、家族の抱える課題も解消していくことを信じています。今、本当に多くの家庭、子どもたちが放課後の過ごし方に悩んでおり、社会全体で向き合っていく必要があると一層強く感じています。今回の提言だけでなく、今後も活動を通して放課後の現状の発信や解決に向けた提案を続けて参ります。

■特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクールについて

「放課後はゴールデンタイム」をビジョンに、2009年に法人化。安全で豊かな放課後を日本全国で実現するため、学校施設を活用した放課後の居場所「アフタースクール」を運営。これまでに21校の開校・運営等に携わりモデルを展開しています。また、企業や団体と連携し、子育て・教育プロジェクトを実施するソーシャルデザイン事業も推進。これらの事業で培ったノウハウを日本全国に広げていくため、自治体と連携して放課後を豊かにする事業も本格的にスタートしました。事務所を東京都大阪府に構え、スタッフ数350名、グッドデザイン賞4回・キッズデザイン賞5回受賞。活動に賛同くださる多くの方とともに、社会全体で子どもたちを守り、育む活動を加速させ、子どもたちのためのより豊かな放課後の実現に向けてチャレンジを続けています。

https://npoafterschool.org/ 

配信元企業:特定非営利活動法人放課後NPOアフタースクール

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