すべてのお笑いファンに観てほしいYouTubeチャンネルが存在する。それが『売れたら垢抜けるってホント?』だ。

参考:【写真】「肌つよつよオバケ」令和ロマンの対照的な美意識が光る髭剃りの様子

 美容メディア『VOCE』を運営する株式会社講談社と、吉本興業が運営する各種エンタメサービス『FANY』が始動させた『ウレアカ?~売れたら垢抜けるってホント?』というプロジェクトの一環で、今年の6月から同名YouTubeチャンネルが立ち上げられた。コンセプトは、美容への知識、興味・関心もバラバラな芸人の日常に密着した、美容監察型バラエティ。オフローズ、素敵じゃないか、令和ロマンの若手吉本芸人3組が、美容に関する様々な企画に挑戦していく。

 まず、星の数ほどいる吉本芸人のなかから、この3組が選ばれたというのがこのチャンネルの大きな魅力だ。キングオブコント2020では最年少および最短芸歴で準決勝進出の記録を持ち、今年行われた第44回ABCお笑いグランプリでも決勝進出を果たした結成8年目のトリオ・オフローズ、 同じく第44回ABCお笑いグランプリで3位という好成績を残した結成10年目のコンビ・素敵じゃないか、ABCお笑いグランプリで2年連続準優勝を果たし、現在行われているM-1グランプリ2023でも決勝進出中の結成5年目のコンビ・令和ロマンという、人気実力ともに急上昇中の“売れないわけがない3組”だ。

 そんな彼らがお笑いではなく、本気で美容に挑戦する。チャンネル名の通り、リアルタイムで垢抜けてく姿を拝めるという、お笑いファンにとってよだれがボタボタと垂れてくるチャンネルなのだ。コンセプトにもあるように、3人全員が「遠すぎて逆に近い」と戸惑うオフローズスタンスがまったく真逆の素敵じゃないかと令和ロマンと美容に対する意識が全員バラバラなのも面白い。それぞれの朝のヒゲ剃りルーティンを再現してもらう動画からそれが浮き彫りになっていた。

 オフローズ宮崎駿介は風呂場でヒゲ剃りをするらしいのだが、同じカミソリを半年以上使い続け、洗い流したあとのスキンケアは一切しない適当なタイプだ。カンノコレクションは、高級の電動シェーバーの性能と己の感覚に全頼りするタイプである。明賀愛貴は普段は高級電動シェーバーで剃っているのだが、たまに暇すぎてすべてのヒゲを自分で抜いてしまう異常タイプだ。

 素敵じゃないか・吉野晋右はこだわりが強く、ワンピースのサンジと同じスタイルのヒゲをデザインするために選び抜かれたカミソリを使い、しっかりと浴室など湿気の多い場所でヒゲを柔らかくしてからシェービングジェルを塗って剃り、顔を洗ったあとはタオルで優しく叩くように拭く。洗ったあとも結晶水と乳液を使い肌をしっかりと保湿するなど、スタッフからも「結構できている」とお墨付きをもらうほど優秀な美容男子だった。そんな吉野とは正反対に相方の柏木成彦は清々しいほどに適当で、コンビニで買った適当なカミソリを適当に水で濡らして2秒で剃り始める。しかもオフローズ宮崎と同じく、それを半年も使用するという。それどころか、タオルすら使わず、ヒゲを剃るペースも「偉い人に怒られそうになったら剃る」という徹底ぶりに、スタッフも思わず苦笑いするしかなかった。

 メンバーのなかでも突出して美容に関心が高いのが、令和ロマン高比良くるま。中学生時代にラグビー部に所属していた影響でできてしまった肌荒れを改善させるため、現在は自分の肌を綺麗にすることに全力を尽くしているらしく、肌が弱いという自分の体質を理解し、最適解を知るためにさまざまな治療やスキンケアを試す姿は、担当者からも、くるまの美容に関するアンケートを見たときに「次の時代の風が来た」と思ったという。ヒゲ剃りひとつとっても、豊富な知識をもとに顔を洗う温度からタオルの拭き方まで完璧なヒゲ剃りを披露していた。そして反対に、これまでの人生において美容というものにまったく興味が無かったと豪語するのが相方の松井ケムリだ。くるま曰く「肌つよつよオバケ」で、なにをしても荒れない無敵肌の持ち主で、ヒゲ剃りですら水で濡らすのみで行う柏木成彦と同じ鉄人だった。

 8人のなかにきっと「これは自分だ」と共感できる芸人が見つかるだろう。そんな彼らが、さまざまな美容治療やスキンケアによって、どんどん美しく垢抜けていく姿に感動すらしてしまう。ちなみに筆者は、オフローズ明賀愛貴とまったく同じく暇すぎてすべてのヒゲを自分で抜く異常タイプだ。いまや女性だけでなく男性の美容も当たり前になっている昨今。『売れたら垢抜けるってホント?』は、男性にこそ見てもらいたい。共感しつつ楽しく学べる最高の番組だ。

(文=かんそう)

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